JS-SEZ、10年以内にクランバレーに匹敵=経済相

【クアラルンプール】 ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の国内総生産(GDP)は今後10年以内に、年間約280億米ドル(1,259億リンギ)を追加創出するようになり、首都圏クランバレー(クアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴール州を含む)に匹敵する経済圏に成長しそうだ。

ラフィジ・ラムリ経済相は9日にあったイベントで、JS-SEの成長見通しを示した。ラフィジ氏は7日のJS-SEZに関する覚書締結にも立ち会ったことを踏まえ、今後、外国投資と地元投資の両方を誘致し、技術革新などを強化しながら持続可能性を促進する必要性を強調。「2国にまたがる経済特区は世界でもまれで、困難も予想されるが、シンガポールとの協力関係を十分に活用できれば、ジョホールは今後10年間で次の成長エンジンになる」と付け加えた。

2023年のジョホール州のGDPは1,480億リンギ、クアラルンプールは2,490億リンギだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、1月9日)

RON95補助金合理化、新たな所得分類を近く決定=経済相

【クアラルンプール】 レギュラーガソリン「RON95」の補助金支給対象決定に向けた所得分類方式の見直しについて、ラフィジ・ラムリ経済相は審議の最終段階にあると言明。内閣は数週間以内に新たな方式を正式決定すると述べた。

所得別に最下層40%を占める「B40」、中間層40%を占める「M40」、上位20%を占める「T20」で構成された、これまでの3所得分類を段階的に廃止する。第10次マレーシア計画(10MP、対象期間2010―15年)以来、政府の補助金政策、財政支援はこの分類に基づいて行われてきたが、経済省は純可処分所得に基づく分類への変更を提案していたという

内閣が見直し決定を正式に下した後、政府は補助金の対象となる受給者の特定に着手する。ラフィジ氏によると2,100万人のデータを網羅した世帯別の収入データ「中央データベース・ハブ(パドゥ)」を用いて対象者を特定するが、最近新規登録受付を再開したという。

所得分類の方法については、にカザナ・リサーチ・インスティチュート(KRI)は「T20、M40、B40」方式はもはや国民の実際の経済状況を反映していないとして、上位30%、中間層50%、最下層20%で分類した「T30、M50、B20」を提言している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、1月9日)

経済成長率は5%超に、第2財務相が強気見通し

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は9日、ブルームバーグとの会見で、経済は昨年の好調を維持し、今年の国内総生産(GDP)成長率は5%超になるとの強気予想を示した。

昨年の財政赤字は当初目標だった対GDP比で4.3%を下回ったようだという。今年は同3.8%への縮小を目指す。アミル・ハムザ氏は「外国からの直接投資は堅調で、多くの活動の成果が現れつつある。今年は良い年になる」と語った。

運用資産が2兆リンギ近くある政府系投資会社は5年間で5,000億リンギを直接投資に配分するのが常だが、今回はさらに1,200億リンギを積み増す。

アミル・ハムザ氏はトランプ次期米大統領の関税に関する発言や貿易戦争について「世界市場は変動に見舞われているが、マレーシアにはそれを切り抜ける強靭さがある」と述べた。

ラフィジ・ラムリ経済相はフォーラムに出席した際、ブルームバーグの取材に対し、経済成長の勢いは維持されるとしたものの、トランプ次期米政権の政策がマレーシアに与える影響を理由に、成長加速には慎重姿勢を示した。
(ザ・スター、1月10日、エッジ、マレー・メイル、1月9日)

石破首相が訪マ、アンワル首相との首脳会議で関係強化を確認

【プトラジャヤ】 マレーシアを訪問中の石破茂首相は10日、アンワル・イブラヒム首相と首脳会議を行い、東シナ海、南シナ海、中東、ミャンマー情勢などで意見を交換。こうした地域的・国際的な問題に対処するために両国の協力関係を強化していくことを確認した。両首脳はまた教育面での協力関係強化でも合意した。

会談後の共同記者会見で石破首相は、両国がこれらの問題に関して緊密なコミュニケーションを維持することに合意し、平和と安定を促進するという共通のコミットメントを強化したとし、「緊密に連絡を取り合うことでアンワル首相と一致した」と述べた。

石破首相はまた、マレーシアが頻繁に洪水に見舞われていることに触れ、災害リスク管理におけるマレーシアとの二国間協力を強化する意向を表明。「マレーシアは洪水による被害にしばしば直面している。災害リスク管理における日本の専門知識と経験を活用し、この問題に対処するために協力することで合意した」と述べた。
このほか石破首相は、4月13日に開幕する大阪・関西万博に触れ、二国間関係の強化と両国間の協力促進の一環としてアンワル首相を個人的に招待する意向を示した。

一方、アンワル首相は、石破首相が初の二国間訪問先としてマレーシアを選んだことを「マレーシアを重要なパートナーとして真剣にみていることの表れ」と評価。石破首相との会談は私が経験した中で最も充実したものの一つだとした。

アンワル首相はまた、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯蔵(CCUS)事業などマレーシアが進めるクリーンエネルギー政策における日本の役割を称賛した。
(ベルナマ通信、1月10日)