為替相場の変動は続くもリンギは下期に持ち直し=投資銀

【クアラルンプール】 リンギ相場は昨年、2月の低値(1米ドル=4.8リンギ)から9月の高値(同4.12リンギ)と変動が大きかった。地政学上の緊張、米国大統領選挙など強い米ドルとなる要因があったためだ。ケナンガ・インベストメント・バンクは、変動は今年も続き、上半期はリンギ安で推移し、下半期に持ち直すと予想している。

上半期の相場予想は1米ドル=4.5-4.6リンギで、トランプ次期米大統領のドル高政策が主因だという。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げペースの減速が必要との立場で、下半期はリンギが上昇し、1米ドル=4.4-4.5リンギが予想されるという。

トランプ要因以外の短期的な米ドル高要因では、FRBとほかの国の中央銀行の金融政策の乖離、ユーロ圏経済のもろさ、課題に直面する中国、地政学上の不確実性が挙げられるという。

これに対し中央銀行バンク・ネガラの安定した金融政策、堅調な経済、財政健全化努力がマレーシアの強みで、リンギ下落を軽減するという。
(ビジネス・トゥデー、1月11日)

ペナン初の軽便鉄道が起工、2031年の全線開通目指す

【ジョージタウン】 ペナン初の軽便鉄道(LRT)ムティアラ線の起工式が11日、バンダル・スリ・ピナン駅の建設地で行われ、アンワル・イブラヒム首相やアンソニー・ローク運輸相、チョウ・コンヨウ州首相らが出席した。

MRTコーポレーションのザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)によると、総工費は130億リンギで、ペナン南端の人工島(シリコン島)とペナンの合同庁舎が入るジョージタウンのトゥン・アブドル・ラザク・コンプレックス(コムター)、本土側バターワースの統合交通ターミナル、ペナン・セントラルを結ぶ全長29.5キロメートルの路線で、2031年までの全線開通を予定している。

合計21の駅が設置され、海峡を結ぶ鉄道橋は2026年第2四半期に建設が開始される予定下を船舶が通行できるよう最も高い場所で高さが62メートルになるという。コムター駅の手前のマッカラム駅がペナン・セントラル方面への乗り換え駅となる。

使用車両は今年後半に公開入札で決定される予定。利用客の目標は3年目までに1日あたり6万人、20年後には16万8,000人としている。

ローク運輸相は、LRTムティアラ線プロジェクトの重要ポイントはコムターとペナン・セントラル間の接続だとし、ペナン海峡の両側の住民のアクセスを改善するのが狙いだと述べた
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、1月11日)

奈良県、いちごと柿の輸出プロモをマレーシアで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 奈良県は、奈良県産のいちごと柿の輸出プロモーションをマレーシア(首都圏クランバレーとペナン)の高級スーパーマーケットで10日から16日まで開催する。

農林水産物の輸出拡大が見込めるマレーシア市場へ奈良県産農産物の販路開拓を図るのが狙い。現地小売店でのテスト販売、プロモーションの実施を通して、マレーシア国内における現地ニーズを把握し、県産農産物の販売ターゲットを明確にするとともに、マレーシア市場の有望性を検討する。

開催店はジャヤ・グローサーの4店舗(ガーデンズ・モール、スターリング・モール、サンウェイ・ピラミッド、ガーニー・パラゴン)と伊勢丹KLCCの合計5店舗。奈良県産のいちご(古都華)と柿(富有柿、あんぽ柿)を展示即売している。あんぽ柿は半熟の干し柿となっている。

16日にはミシュラン掲載店で試食会を実施する。同店シェフが考案したメニューが披露され、マレーシアの著名シェフやスーパーマーケットから20人が招待される予定。

エルミナレイクサイドモール、開業以降月平均64万人集客

【クアラルンプール】 セランゴール州のショッピングモール「エルミナ・レイクサイド・モール」(ELM)は、昨年8月の開業以来4カ月あまりで99%の稼働率を達成。月平均で64万人が訪れ、不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティが開発を手がけるエルミナ市の中核施設として順調な発進をみせている。

ELMは17.2エーカーの敷地に、20万平方フィート超の純賃貸可能面積を誇る。現在、96のテナントが入居し、そのうち35%が食品・飲料の店舗。月平均2,000万リンギの売上を生み出すという。

サイム・ダービー・プロパティは2000年から、6,500エーカー、総開発価値280億リンギとされるエルミナ市の開発を進めてきた。現在までに1万2,800戸の住宅が完成し、6万7,000人が暮らす街に成長。最終的に15万人になる計画だ。住宅、商業だけでなく、産業向け開発も進められている。

11日にはELMの敷地内に新たにエルミナ屋外彫刻博物館がオープン。マレーシアの現代アーティストを紹介する専用スペースになるという。開業式典に出席した同社のアズミル・メリカン最高経営責任者(CEO)は「芸術と文化の発信スペースの追加により、エルミナ市はさらに地位が高まった。これからも経済活動を促進し、コミュニティのつながりを育み、住みやすく成長しやすい場所にしていきたい」と語った。
(ザ・スター、ビジネス・トゥデー、1月11日)