昨年の公共交通機関の利用者数、 1日平均118万人=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は17日、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアの2024年の業績報告を発表。鉄道・バスを利用した乗客は1日当たり平均118万人で、前年比24%増となった。2025年はさらに20%増の140万人が目標という。

乗客増加の背景として、新型コロナ・パンデミックから経済が回復傾向にあることや、2023年3月の首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線の開業などが挙げられた。乗客が最も多かったのは、12月31日の154万人だった。乗客数の増加などでプラサラナの収入は5%増加したという。

一方、列車が5分以上停止するなど運行が中断されたケースは71回で、前年の118回から40%減った。ローク運輸相は「平均すると現在、20万―40万キロメートルごとに1回の中断のところ、2026年までには100万キロメートルごとに1、2回に減らしたい」とし、人工知能(AI)を活用するなど「予防保守」に重点を置く考えを示した。

また2025年の乗客増加要因として、建設が進められている首都圏軽便鉄道(LRT)シャアラム線(旧LRT3)で9月30日までに最初の20駅の開業が予定されている。残りの5駅は2028年12月31日までに開業予定。

利用者のニーズに応じて柔軟に運行するオンデマンド型交通(DRT)についても、現在首都圏クランバレーで運行している20台から、2月には新たに300台増やす。新型ディーゼルバスも3月下旬から段階的に310台が納入される予定で、ローク運輸相は「これによりMRTとLRTの利用をさらに促進していきたい」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、1月17日)

外国人専用の納税者支部をKLに開設=内国歳入庁

【クアラルンプール】 内国歳入庁(IRB、LHDN)は17日、外国人専用の納税者支部(CPCA)をクアラルンプール(KL)のLHDN事務所に開設したと発表した。

CPCAは、これまでKL、プトラジャヤ、セランゴール州の各事務所で扱っていた外国人、非居住者、源泉徴収税に関する税務情報を引き継いで一元管理し、業務の効率を高めるのが狙い。サービスの質の向上にもつながるという。

すでに1月1日から稼働しており、窓口は月曜―金曜の午前8時―午後5時まで、電子予約(https://ejanjitemu.hasil.gov.my/)も可能。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、1月17日)

佐賀大、PDでハイブリッド海洋温度差発電施設を開所

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 佐賀大学は20日、ネグリ・センビラン州ポートディクソンでハイブリッド海洋温度差発電(H-OTEC)の実験施設を開所した。

OTECは、海の表層部の温かい海水(摂氏25-30度)と、深層部の冷たい海水(摂氏5-7度)の温度差を利用し、蒸気を発生させてタービンを動かして発電する仕組み。中でもH-OTECはクローズドサイクルとオープンサイクルという2つの方式を組み合わせ、効率的に発電することができる。H-OTECは佐賀大学が特許を持つ世界初の技術。

海中の温度差が大きい熱帯地域の方が適していることから、佐賀大学ではマレーシア工科大学(UTM)、プトラ大学(UPM)などと共同で研究を行ってきた。日本で作った装置を昨秋にマレーシアのポートディクソンのUPM内に移設し、試運転を実施していた。

H-OTECは発電と合わせて、飲料水となる淡水を生み出したり、ミネラルを多く含んだ海洋深層水の農業や水産業への活用も期待されており、引き続き実証実験を続けていく。将来的には、サバ州などでの実証を目指すという。

H-OTECは、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)の共同による「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム」にも採択されている。

ユーモバイル、15-18カ月以内に5Gネットワークを開始

【クラン】 マレーシア第2の第5世代移動体通信(5G)ネットワーク事業者に選定されたユーモバイルは、15-18カ月以内に5Gネットワークサービスを開始する方針だ。ベルジャヤ・グループ創始者のビンセント・タン会長が明らかにした。

資金不足のために追加のパートナーが必要だと報じられていることについてタン氏は、5Gネットワーク展開のために政府資金や新たな現地パートナーは必要としないと明言。融資に前向きな銀行もあるとし、自己資金だけでなく銀行からの資金で実施できるとの考えを示した

また機器サプライヤーの選定に関しては、技術面の優位性から華為技術と中興通訊の中国系2社で検討していることを公表。これらのサプライヤーが資金を提供する可能性もあると述べた。

RHBインベストメント・バンクは先ごろ、ユーモバイルが2番目の5Gネットワークアクセスプロバイダーに選ばれたことを受けて、30億―40億リンギと推定される5G設備投資(CAPEX)を捻出するためにネットワーク提携に踏み切る可能性が高いと報じた。ネットワークインフラを共有することでサイトの展開が加速し、より迅速に人口をカバーすることができるという。

一方、タン氏は、ユーモバイルを2025年末までにブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に上場する計画であることを公表。今後数カ月以内に上場を申請する考えを示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、1月17日)