【クアラルンプール】 病院経営大手、IHHヘルスケアは6日、2023年に提訴した第一三共(本社・東京都中央区)対する損害賠償訴訟に関し、専門家の報告書を新たに東京地裁に提出。それに基づき請求額を当初の6億5,300万リンギから、最高で57億リンギに修正した。

この裁判は、IHHの子会社ノーザンTKベンチャーズ(NTK)が2018年、インドの医療会社フォルティス・ヘルスケアを買収するため株式の公開買い付けを企図した際、第一三共が不当に妨害したと訴えていたもの。

第一三共はNTKによるフォルティスの公開買付停止は、適正な手続にしたがってインド最高裁判所の指示でなされたものだと反論しており、今回の報告書はそれに対する反証のために提出された。英国系のコンサルティング会社オズボーン・パートナーズによるもので、NTKが被った被害を3つのシナリオに基づき評価。その結果、請求額は最低でも2億リンギ、最高では57億リンギと算出されたという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、エッジ、2月6日)