チップの中国への密輸疑惑、ザフルル大臣は輸出規制順守を強調

【クアラルンプール】 高性能の半導体チップがマレーシアを経由して中国に密輸されているとの疑惑について、テンク・ザフルル投資貿易産業相はベルナマテレビの番組で「密輸経由地とされているとの主張を深刻にとらえている。半導体流通センターとしてのマレーシアの地位が悪用されることを望まない。われわれは輸出規制を厳格に順守している」と述べ、疑惑を否定した。

さらに「マレーシアの政策は、米国、欧州連合、英国が施行している規制と軌を一にしている」とした上で、政府は国際協力を強化し、AIアプリに使われるエヌビディアなどのチップの流れを記録し、監視を強化すると述べた。

中国のディープシークが極めて低コストで第3世代AIモデルを開発したことについてザフルル氏は「ディープシークの成功は、AI技術が数カ国あるいは大手企業の独占物ではなくなったことを意味する。AIがより多数に利用可能となる」と述べた。

半導体分野でほとんどのマレーシア企業は後工程(検査・組み立て)を手掛けているが、そこからの脱却が必要とし、設計、ウエハー製造を重視する方針を示した。
(エッジ、マレー・メイル、2月7日)

スシロー、マレーシア1号店がスリアKLCCにオープン

【クアラルンプール】 大手回転ずしチェーンのスシローのマレーシア1号店が7日、クアラルンプール(KL)市内のスリアKLCC内にオープンした。海外10カ国目、海外200店舗目という節目に、多くの客でにぎわった。

100種類以上のすしに加え、サイドメニューも充実させた。スシローを運営するフード&ライフ・カンパニーズ(F&LC)のマレーシア子会社、スシロー・マレーシアの長船匠社長は「マレーシアは日本料理への需要が高く、競争は激しいが、こだわりの品質と鮮度を提供していきたい」と強調。すし皿に取り付けられた集積回路(IC)で人気商品を管理・分析しながら、店内の全長350メートルのベルトコンベアーを1周後は提供せず、鮮度を保っていくという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月9日、ビジネス・トゥデー、2月8日)

首都圏の高速道路、朝夕ピーク時の大型車両通行を禁止に

【クアラルンプール】 首都圏クランバレーの高速道路で2月19日より、朝夕のピーク時間帯の大型車両通行が禁止される。マレーシア高速道路庁(LLM)のサザリ・ハルン長官が明らかにした。大型車両の時間帯通行制限は昨年10月21日に公示されていた。

首都圏における特定の高速道路の渋滞緩和が目的で、時間は月曜日から金曜日(祝日を除く)の午前6時30分から午前9時30分まで、午後4時30分から午後7時30分まで。対象となる大型車両はバスを除く、2軸6輪のクラス2自動車、および3軸以上のクラス3自動車。ただし清掃車、廃棄物運搬車、家庭ごみ運搬車、緊急サービス、高速道路の保守作業に携わる大型車両には適用されない。

対象となる高速道路は▽南北高速道路(NSE)▽新クランバレー高速道路(NKVE)▽南北高速道路中央リンク(ELITE)▽ドゥタ―ウル・クラン高速道路(DUKE)――の4路線。対象区間はNSEはスンガイ・ブローとブキ・ランジャン(両方向)の456.0キロ―459.3キロ区間、NKVEはシャアラムとジャラン・ドゥタ(両方向)の9.0キロ―31.0キロ区間、ELITEはシャアラムとバンダル・サウジャナ・プトラ(両方向)の1.03キロ―16.2キロ区間で、DUKE高速道路は全線となっている。
(ザ・スター電子版、ザ・サン電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、2月7日)

昨年の日本酒輸出額、マレーシアは13位=日本酒造組合中央会

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 約1,600の酒蔵が所属する日本酒造組合中央会は7日、2024年(1―12月)の日本酒輸出実績を発表。マレーシアは前年の3億8,083万円から3.6%増の3億9,454万円となり、国別輸出額で世界13位となった。

国別トップは中国の116億7,763万円で、米国(114億4,190万円)が僅差で続いた。中国、アメリカ、3位の香港の3カ国・地域で輸出金額の65%を占めた。東南アジア諸国連合(ASEAN)ではシンガポールが14億8,378万円でトップとなり、世界全体では6位となった。

マレーシアへの輸出量は昨年の31万1,501リットルから11.6%増の36万1,502リットルとなり、国別では15位となった。トップは米国(800万2,717リットル)で、これに中国(532万3,822リットル)が続いた。ASEANではシンガポールが70万1,826リットルでトップとなり、全体では7位となった。

マレーシアの1リットル当たりの輸出額は1,091円となり、タイの671円、韓国の766円を上回ったが中国の2,193円、シンガポールの2,114円を大きく下回った。
世界全体の輸出額は前年の410億8,195万円から5.8%増の434億6,870万円となり、輸出額・数量共に昨年を上回った。輸出相手国は過去最高の80カ国に拡大した。1リットルあたりの輸出金額は前年からほぼ横ばいとなり、「プレミアム」な日本酒トレンドが続いている。

中長期的な日本酒輸出展望について同中央会は、今後は輸出先国・地域の多角化を行い、安定的な輸出増加を戦略的に図っていくことが重要だと指摘。マレーシアなどの東南アジアは、経済成長や人口増加も見込まれることから、新たな市場として期待されるが、各国ごとに事情が異なるため酒類に関する法規制や流通経路に関するマーケティング調査を行い、効果的な施策を展開するなど、それぞれの地域特性に合わせた戦略により日本酒市場の開拓・浸透を図っていくとしている。