アブラヤシガラ利用の電力を全国送電網に、農園省が主導

【クアラルンプール】 農園一次産業省は、全国送電網を所有するテナガ・ナショナル(TNB)およびエネルギー委員会(EC)の協力の下、パーム油産業で生産される再生可能エネルギー(RE)由来の電力を全国送電網に取り入れる計画だ。ジョハリ・アブドル・ガニ大臣が25日、パーム油会議の席上、発表した。

搾油の際、生じるヤシガラを燃料とし生産した電力のうち余剰分をTNBに卸してもらう方式で、1時間当たりのアブラヤシ処理能力を60トンとして、1工場当たり5-7メガワット(MW)の発電が可能と想定している。国内に450あるパーム油工場がすべてこの方式を採用すれば、2,000MWの電力供給が可能だという。

この先10年以内に、すべての搾油・精油工場がREに移行するよう促す。ネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)への貢献が狙い。これに伴い政府は石炭火力発電への依存を減らす意向で、44年までの全廃を目指している。既にユナイテッド・プランテーションズがヤシガラを利用した発電に乗り出している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、2月25日)

KLの渋滞緩和に向け「渋滞税」導入を検討=首相府相

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)の慢性的な交通渋滞緩和策として、「渋滞税」の導入が検討されている。「KL交通マスタープラン2040(PITKL2040)」に盛り込まれている渋滞対策の1つで、現在有効性評価に向けた調査が行われている。

ザリハ・ムスタファ首相府相(連邦直轄地担当)は下院議会の答弁の中で、最終決定が下される前に、調査結果を道路交通渋滞に関する内閣委員会(JKMKJR)に提出し、さらに検討すると言明。「マレーシア交通安全研究所(MIROS)とマレーシア・グリーン技術・気候変動公社(MGTC)は現在、渋滞税導入の有効性に関する調査を実施している」と述べた。

ザリハ氏は、KLの交通渋滞に対処するには、国民の公共交通機関利用を促す包括的なエコシステムを開発する必要があると強調。「2020年に公共輸送機関を管轄する国営プラサラナ・マレーシアが実施した調査では、交通渋滞により200億リンギの損失が発生したことが明らかになった」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、2月25日)

パリバゲット、初のハラル認証生産拠点をジョホール州に開業

【クアラルンプール】 韓国系ベーカリーチェーン「パリバゲット」は25日、初のハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得した生産拠点をジョホール州のヌサジャヤ・テックパークに開業した。

2億6,000万リンギをかけた生産拠点は、7つの生産ラインで、年間1億個のベーカリー製品を生産できる。

開業式典にはジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ首相や、パリバゲットの親会社で、大手食品・菓子メーカーSPCグループのホ・ヨンイン会長らが出席。生産拠点はジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)内にも位置しており、ホ会長は「戦略的な拠点として、東南アジア、中東などに広がるハラル市場の20億人の消費者に健康的でおいしい味を提供することを目指す」と述べた。

1988年創業のパリバゲットは、2004年から海外進出を進め、現在、欧米や中国、東南アジアなどで約4,000店舗を運営している。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、2月25日)

ペトロナス24年度決算は減益、年央めどに人員整理に着手

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロナスが25日発表した24年度決算は、売上高が前年度比6.9%減の3,199億5,700万リンギ、純利益が31.7%減の550億9,200万リンギだった。

原油価格の低迷、エンジェン・グループの売却による為替換算調整勘定の悪化が主因。前年度と異なり同社に有利な税制上の措置がなかったことも影響した。ムハンマド・タウフィク社長は声明で「地政学上の問題、市場の変動はあったものの、業績は強靭さを示した」と説明した。

設備投資額は542億2,500万リンギで、国内投資がほとんどを占めた。期末の総資産は7,666億7,300リンギにわずかに減少し、株主資本は微増の4,512億1,500リンギだった。

発表会見でタウフィク氏は、今年中頃までに人員削減に乗り出す方針を表明した。削減規模は1万5,000-1万6,000人だが、単なる首切りではないという。

タウフィク氏は「利益を確保するため人員を削減する、というやり方はとらない。業務にどれだけの人員が必要かをみて、過剰であれば正常な数にする」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月26日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、2月25日)