【クアラルンプール】 農園一次産業省は、全国送電網を所有するテナガ・ナショナル(TNB)およびエネルギー委員会(EC)の協力の下、パーム油産業で生産される再生可能エネルギー(RE)由来の電力を全国送電網に取り入れる計画だ。ジョハリ・アブドル・ガニ大臣が25日、パーム油会議の席上、発表した。
搾油の際、生じるヤシガラを燃料とし生産した電力のうち余剰分をTNBに卸してもらう方式で、1時間当たりのアブラヤシ処理能力を60トンとして、1工場当たり5-7メガワット(MW)の発電が可能と想定している。国内に450あるパーム油工場がすべてこの方式を採用すれば、2,000MWの電力供給が可能だという。
この先10年以内に、すべての搾油・精油工場がREに移行するよう促す。ネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)への貢献が狙い。これに伴い政府は石炭火力発電への依存を減らす意向で、44年までの全廃を目指している。既にユナイテッド・プランテーションズがヤシガラを利用した発電に乗り出している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、2月25日)