日本人女性がスバンジャヤのコンドで転落死、事件性ない模様

【クアラルンプール】 2月28日午前8時頃、セランゴール州スバンジャヤのSS16地区のコンドミニアムで、地面にうつ伏せで倒れている50代の日本人女性が発見された。女性はその場で死亡が確認された。

地元警察の調べでは、コンドの4階から転落したとみられる。転落原因を調べているが、いまのところ事件性はないという。女性は主婦で、14年ほど前からマレーシアに住んでいた。

日本の外務省のホームページ( https://www.anzen.mofa.go.jp/life/info20210707.html )でも悩みを抱える人向けに相談窓口を紹介している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ベルナマ通信、2月28日)

イスラム開発局、外国のハラル認証3機関の認定を取り消し

【クアラルンプール】 マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)は2月28日、外国のハラル(イスラムの戒律に則った)認証機関3機関の認定を取消、これらが認証したハラル製品のマレーシアへの輸入を禁止すると発表した。

JAKIMのシラジュディン・スハイミー局長によると、JAKIMによる認定が取り消された外国の3機関は▽中国の中国イスラム協会(CIA)▽クロアチアのハラル品質認証センター(CHQC)▽フランスのリヨン大モスク儀式協会(ARGML)――で、これにより3つの機関が認証した外国製ハラル製品の輸入は即日禁止となる。

認定取り消し措置は3つの機関が問題を解決し、JAKIMの要求通りに改善するまで実施される。なおシラジュディン氏は「認定取消以前にマレーシアに輸入されたハラル認証商品については懸念はないが、必要に応じて国内取引物価省と協力して市場から撤去する」としている。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、2月28日)

「お試し出店サービス」第3弾、「麺屋帆のる」が出店

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「お試し出店サービス」第3弾のプロジェクトとして、アセットフロンティアのハラル(イスラムの戒律に則った)飲食店「麺屋帆のる」が、クアラルンプール(KL)の「ロット10」にある「ジェーズ・ゲート」内に2月14日に初出店した。

「お試し出店サービス」は、ラバブルマーケティンググループ(本社・東京都港区)、ヴィダ・コーポレーション(本社・東京都渋谷区)、プログレッソディレクション(本社・東京都中央区)のマレーシア合弁会社、テイストフードジャパンが手掛けるもので、「伝説のすた丼屋」、「麺家いろは」に次ぐ3例目となる。

「麺屋帆のる」は東京、大阪、京都、名古屋にて10店舗展開するハラルラーメン店で、各国の皇族や大使、有名人など月に3万人以上にのぼるムスリム顧客に利用されている

毎朝店舗で炊くスープを使った濃厚な「鶏白湯ラーメン」の他、特製スパイスとジューシーな唐揚げを使用した「スパイシー唐揚げラーメン」、「和牛ラーメン」等、様々なハラルメニューを展開している。マレーシアでは現地で入手できるハラル食材のみを使用しながらも、日本と変わらない味付けで提供する。

ホンダマレーシア、向こう3年で電気自動車3車種発売へ

【シャアラム】 ホンダ・マレーシアは2月28日にメディア感謝祭を開催し、2025年通年の販売台数目標を1.7%増の8万3,000台とし、国内市場シェア10.6%の獲得を目指す考えを明らかにした。

2025年の戦略的事業方針には、1月に発売した「シビック」、近く予定されている初のバッテリー電気自動車 (BEV) を含む3車種の新モデルの発売が盛り込まれている。

ホンダ・マレーシアは2027年までの向こう3年間で少なくとも3種類のバッテリー電気自動車 (BEV) モデルを発売する予定で、年内に同社初のBEVである「e:N1」を発売する。メディア感謝祭では昨年の第10回クアラルンプール国際モビリティショー2024 (KLIMS 2024) に続き、2度目となる「e:N1」のプレビューを行った。発売時期やタイ製の完成車(CBU)輸入になるのかなど詳細は明らかにされていない。
今年の新型車の3車種目については明らかにされていないが、「HR-V」になる可能性が高いとみられている。

ホンダ・マレーシアの2024年の総販売台数は8万1,600台に達し、市場シェア10%を確保した。「HR-V」、「シティ」、「CR-V」が同社のベストセラーモデルトップ3で、それぞれ総販売台数の26%、25%、14%を占めた。
(ポールタン、2月28日、ホンダ・マレーシア発表資料)

【イスラム金融の基礎知識】第563回 デジタル・バンキングの普及が遅れるパキスタン

第563回デジタル・バンキングの普及が遅れるパキスタン

Q: パキスタンでデジタル・バンキングの普及が遅れている現状と課題は?

A: パキスタンのフィンテック、特にイスラム式のデジタル銀行の開発と普及が大幅に遅れており、金融業界さらにはパキスタン経済にとって大きな機会損失となっている。そのような指摘がパキスタンの英字紙でなされた。

同紙は、マレーシアのようにデジタル・バンキングが発展している国がある一方で、woefully(嘆かわしいほどに)と表現せざるをえないほどパキスタンは遅れていると指摘する。中央銀行はすでに、2023年1月に5社に対してデジタル・リテール銀行としての業務を行うライセンスを与えている。しかしながら現状では、1行がビジネスを本格的に行う許可を得たものの、デジタル・バンキングではなくネット・バンキングにとどまっている。また、別の銀行にも試験的な取り組みの許可を得たものの、他の3社については目立った動きをみせていない。

パキスタンでは、既存の実店舗と併せてスマホやパソコンでオンライン決済や送金できるネット・バンキングの仕組みを導入している銀行も多い。口座開設には、一度は実店舗に足を運ぶ必要があるため、支店が存在しない地域では利用が困難となる。これに対してデジタル・バンキングは、一切実店舗を持たず全てオンラインで完結する仕組みであるので、実店舗の有無という物理的な障壁はない。

世界銀行の2021年の調査によれば、パキスタンの15歳以上の国民の銀行口座保有率は、わずか21%にとどまっている。このことは、国民が銀行利用を通じて得られるであろう利便性を失うとともに、マクロ経済も国民を取り込む形で発展する機会も失っており、高い機会損失が生じていると新聞は指摘している。いまや銀行の実店舗よりもインターネットの方がアクセス容易な状況では、デジタル・バンキングの普及が経済発展に貢献するとしている。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。