【パース】 空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、クアラルンプール新国際空港(KLIA)マスタープランを見直し、物理的拡張計画を保留する一方で、既存資産の刷新によって当面の取扱能力拡大につなげる考えだ。

2020年に新型コロナが流行したときに発表されたKLIAマスタープランには、ターミナル1(T1)とターミナル2(T2)の段階的なアップグレードが含まれており、年間旅客取扱能力をT1は3,000万人から5,900万人に、T2は4,500万人から6,700万人へ拡大させることや、将来的な第4滑走路建設と新ターミナル(T3)の開発が含まれていた。

MAHBの戦略担当シニアゼネラルマネジャー、メガット・アルディアン氏は「需要予測を修正し、マスタープランを見直している。問題は”拡張を行うかどうか”ではなく”いつ行うか”であり、拡張は必ず行う」とした上で、「KLIAに関しては、今のところ最適化の方針を取っている。旅客が空港内の各ポイントを通過する時間を短縮できれば取扱容量が拡大する」と述べた。

政府系ファンド、カザナ・ナショナル率いるコンソーシアム、ゲートウェイ・デベロプメント・アライアンス(GDA)は先ごろ、MAHB買収を完了。ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)上場を廃止した。長期的な戦略的意思決定を迅速化し、空港インフラ、旅客サービス、航空会社の接続性を向上させるためだとしている。
(エッジ、3月26日)