【クアラルンプール】 米国政府がマレーシアからの輸入品に4月9日から24%の「相互関税」を課すと発表したことを受け、複数の銀行系アナリストがマレーシアの今年の国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正している。
CIMBは、米国がマレーシアにとり第3位の貿易相手国であることから、両国間の貿易関係に混乱をもたらす恐れがあると指摘。2024年のマレーシアの対米貿易黒字が724億リンギだったとし、「相互関税」により対米輸出が大幅に減速するとみられることに加えて、輸出収入の減少が家計支出と民間投資を鈍化させ、経済減速にさらに拍車をかけるとの予測から、通年の経済成長予想を1.0ポイント下方修正し4.0%とした。
RHBインベストメント・バンクは、これまで対米貿易黒字が比較的小さいと考えられてきたマレーシアで「相互関税」が現実化したことが経済の下振れリスクを大幅に高めているとし、成長予想を5.0%から4.5%に下方修正。「マレーシアのGDPは0.4%引き下げられ、さらに米国による中国への関税引き上げにより、(中国による緩和政策がないと仮定した場合)さらに0.7%引き下げられる」とし、関税問題・貿易問題がさらに深刻化した場合には経済成長率が4.0%の方に引き下げられるリスクがあると述べた。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月5日)