社会経済研究センターのGDP成長予想4%

【クアラルンプール】 シンクタンクの社会経済研究センター(SERC)は17日公表した第1四半期経済報告で、今年の国内総生産(GDP)は4%になるとの予想を示した。中央銀行が先に示した予想は4.5-5.5%。

発表に当たったリー・ヘングイエ専務理事によれば、トランプ関税は国際貿易や投資家マインドにマイナスだが、国内の個人消費、投資とも堅調を維持しているため、短期的衝撃を緩和できるという。

関税措置に対しては、90日間の猶予期間中の前倒し出荷の動きが世界的に見られ、購買担当者指数(PMI)が上昇している。

SERCは華人商工会議所(ACCCIM)と共同で4月7日から10日にかけ緊急調査を行った。輸出業者122社のうち、最大の輸出先が米国との回答は66%。米国のクライアントから値下げの申し入れがあった、との企業の割合は46.2%だった。

リー氏はまた、14日に開かれたマレーシア証券取引所での会議で、対米貿易黒字を減らす必要があるとの認識を示した。米国の関税逃れのためにマレーシアを利用されるようなことは回避すべきだという。
(マレーシアン・リザーブ、4月17日、エッジ、4月14日)

不動産のホーフップが債務不履行、再び経営難の企業に

【クアラルンプール】 クアラルンプール郊外のブキジャリルにおける開発事業で知られる建設・不動産開発のホー・フップ・コンストラクションは債務不履行に陥り、資金ショートの状態を示す「PN17」に指定されたことをブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に通知した。

不履行額は1億1,269万リンギで、子会社のブキジャリル・デベロップメント(BJD)がインサス・クレジット・アンド・リーシングからの借入金を返済できなかった。ホー・フップは保証人だった。

ホー・フップは12カ月以内に経営正常化計画をブルサに提出しなければならず、これを怠った場合、上場停止、廃止を余儀なくされる。

ホー・フップは2010年にもPN17の指定を受けたことがあり、数年後、資産売却などを通じ指定を脱した。

今回の不履行額は保有資産(3億3,848万リンギ)の33.29%に相当する。
(マレーシアン・リザーブ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、4月18日)

マレーシア航空、KLIA―豪ブリスベン直行便を11月に再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空は18日、クアラルンプール新国際空港(KLIA)と豪ブリスベンを結ぶ直行便を11月29日から、2年ぶりに再開すると発表した。週5便の運航となる。

KLIA発のMH135便は、午後8時40分(月曜と水曜を除く毎日)発で、翌日の午前6時45分ブリスベン着。ブリスベン発のMH134便は午前8時(火曜と木曜を除く毎日)発で、午後2時10分KLIA着となっている。

ブリスベンへの直行便は、事業見直しの一環として2023年3月に運航が中止された。今回、ニーズが高まっているとして復活を決めた。プロモーション運賃としてエコノミークラスの往復航空券で1,999リンギからの運航開始となる。予約は5月18日から。

またシドニーやメルボルンなどの豪州とニュージーランドへの一部路線に、エアバスの最新ワイドボディ機A330neoを導入し、快適性、燃費効率、客室設備を向上させる。さらにシドニーとメルボルンを週21便、オークランドを週10便に増便した。

親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)のイザム・イスマイル社長は、アジア太平洋地域のネットワークを強化し、主要なトランジットハブとしてのKLIAの地位を築くための幅広い取り組みの一環であることを強調。最近ではインドネシア・スラバヤ週14便、タイ・プーケット週21便、インド・トリバンドラム週5便に増便するなどの影響で、トランジット旅客数は約10%増加したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、4月18日)

東海岸鉄道線プロジェクト、全区間の工事進捗率が81%に

【パシル・プテ】 東海岸鉄道線(ECRL)プロジェクト(全長665キロメートル=km)は、2026年12月の完成に向けて順調に進んでおり、クランタン州コタバルからセランゴール州までの全区間の工事進捗率は3月時点で81.07%となっている。進捗率はトレンガヌ州内では90%、パハン州内では86%となっている。

クランタン州パシル・プテ駅の現地視察を行ったマレーシア・レール・リンク(MRL)のダルウィス・アブドル・ラザク最高経営責任者(CEO)は、同州政府がプロジェクトの円滑な実施、特に土地収用に関する問題の解決において重要な役割を果たしたと言明。「同州の43km区間の工事進捗率は88.86%に達し、プロジェクト全体の進捗に大きく貢献している」と述べた。

同州のトゥンジョンとパシル・プテの2駅の工事進捗率もそれぞれ69%と68%に達しており、2駅の工事は来年5月までに完了する予定。試験・試運転は2026年6月に開始される予定だ。

ECRLプロジェクトは、半島部東海岸のクランタン州、トレンガヌ州、パハン州を縦断し、西海岸のセランゴール州を結ぶ新線。コタバルからゴンバック統合ターミナルまでの区間は2026年12月に完成し、2027年1月に運行開始の予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月17日)