マレーシアのインターネット世帯利用率は96.8%

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は24日、2024年の情報通信技術(ICT)の利用およびアクセスに関するレポートを発表。世帯における利用率は携帯電話が99.5%、インターネットは96.8%で、ともに前年から微増だったが、有料テレビに関しては67.1%と、前年から9.9ポイントの減少となった。

テレビ、ラジオの利用率も携帯電話と同じく99.5%、コンピューターが92.2%だった。個人の利用率でみると、インターネットが最も高く98.0%、携帯電話が99.5%、コンピューターが80.7%で、いずれも前年から0.1―0.3ポイントの微増となった。都市部と農村部で比較すると、コンピューターが都市部では86.5%だったのに対し、農村部では64.3%と、差が大きかった。

またインターネットの主な利用目的として、最も多かったのはソーシャルネットワークが99.7%(前年99.4%)で、動画・音楽のストリーミングやオンラインゲームが94.3%(同93.9%)、商品やサービスの情報収集で93.0%(同92.8%)と続いた。

GDP予想は下方修正の必要も拙速は避ける=中銀総裁

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のアブドル・ラシード総裁は、米ワシントンで開催中の世界銀行・国際通貨基金(IMF)春季会合で、関税、貿易の先行き不透明感から、国内総生産(GDP)成長予想を下方修正する必要が生じるとの認識を示した。しかし修正は急がず、世界貿易の展開を見定めるという。BNMは4.5-5.5%の成長予想を立てていた。ロイターが伝えた。

トランプ米国大統領が発表した関税措置をめぐり、テンク・ザフルル投資貿易産業相とアミル・ハムザ第2財務相が訪米中で、ジェイミーソン・グリア通商代表と会談する。交渉がまとまらなければ、マレーシアの対米輸出は7月から24%の関税が適用される。

現在3%に設定している政策金利についてアブドゥル・ラシード氏は「経済成長に望ましい水準であり、インフレ見通しを考慮している。重要なのは物価の安定で、金融政策が不確実性を増幅する事態は望まない」と述べた。
(エッジ、ザ・スター電子版、4月24日)

鉄道資産所有会社が日立レールと覚書、技術者千人を育成

【ペタリンジャヤ】 公共輸送機関の資産を所有する国営プラサラナ・マレーシアは日立レールの協力のもと、鉄道およびスマートモビリティー領域の技術者を育成するプログラムに着手する。5年間で1,000人を受け入れる。覚書締結が23日、行われた。

授業は11月に開始の予定で、電気バス作業、所有車両の保守、サイバーセキュリティーが重点分野。参加者には国が認めた技能証書が授与される。学習期間は9-12カ月で、座学、技術研修、現場学習で構成。1年間に200人を受け入れる。

日立レールは日立製作所の鉄道システム事業を担う会社。実際の支援には日立レールGTSが当たる。

プラサラナのアズハルディン最高経営責任者(CEO)は「鉄道だけでなく、人も創る。輸送システムの転換を主導する技術を身に着けさせる」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、ザ・サン電子版、4月23日)

国際宇宙港プロジェクト、パハン州が実現可能性調査を実施へ

【クアンタン】 パハン州政府は、同州開発公社(PKNP)が誘致を目指している国際宇宙港プロジェクトについて、向こう1年にわたる実現可能性調査の実施に合意した。実現すれば東南アジア初となる国際ロケット発射場となる。

同州投資・産業・科学技術・イノベーション委員会のモハマド・ニザル・モハマド・ナジブ委員長(国政の閣僚に相当)が州議会の質疑で明らかにした。同州政府はペカンのネナシに所有する土地を候補に挙げており、プロジェクトが実現した場合、早ければ3―5年で完成する見込みだ。

モハマド・ニザル氏は、計画が承認されれば2,350人の雇用を創出し、特に観光・研究分野において経済波及効果をもたらすと期待されていると言明。またPKNPが4月15日に中国長城工業集団(CGWIC)および航空宇宙産業開発に関与するレスタリ・アンカサと、マレーシアの宇宙技術分野の発展における戦略的協力関係構築に向けて基本合意書に署名したと明らかにした。

PKNPとレスタリ・アンカサは、パハン州における国際宇宙港プロジェクトの実現可能性調査および計画段階の一環として、5月に中国海南省文昌宇宙都市への実務訪問を行う予定。同州政府は現在、ゲベン、クアンタン、ペカンの3地域をカバーする航空宇宙都市開発に関する2つの提案を評価している。

マレーシアにおける国際ロケット発射場建設構想については、2023年12月に当時のチャン・リーカン科学技術革新相がパハン州とサバ州が候補に挙がっていると述べたと報じられた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、4月24日)