【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は11日、ルックイースト(東方)政策の下、日本との間で環境・社会・企業統治(ESG)枠組みに関する新たな協力関係を模索したいと考えていると述べた

イスマイル首相は「東方政策40周年記念ビジネスセミナー」の基調講演で、「世界経済フォーラムのグローバル・リスク・レポート2022」によると、気候変動、高齢化による社会的影響、パンデミック後の格差の広がりなどの問題が今後10年間にほとんどの国で問題となると予想されるとし、日本との間で、災害危機、高齢化社会、デジタル経済、科学技術、イノベーション、グリーン成長などといったESG関連分野での新たな協力関係を築きたいと述べた。

イスマイル首相はまた、人工知能、ロボット工学、自律システム、モノのインターネット(IoT)など、日本が高い専門性を持つ新分野での協力強化を期待するとし、マレーシアは、世界のハラル(イスラムの戒律に則った)産業のパイオニアとして、日本のハラル産業の発展を支援することができると述べた。

マレーシア貿易開発公社(MATRADE)のモハマド・ムスタファ最高責任者は、同セミナーのパネルディスカッションで、食品分野を中心とした日本企業がハラルに関心を示しているとし、今年9月に開催予定の「マレーシア国際ハラルショーケース2022」には日本企業17社の出展が決定していると言明。パンデミック前の2019年には日本からの参加は出展8社、バイヤー10社にとどまっていたが、2021年は出展12社、バイヤー21社になるなど、増加が続いているとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、8月12日、エッジ、ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、8月11日)