【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 岩田経済産業大臣政務官は、9ー11日にかけて、マレーシアを訪問。「東方政策40周年記念ビジネスセミナー」へ出席するとともに、アズミン・アリ通産相(兼上級相)などと会談等を行った。
11日に開催された「東方政策40周年記念ビジネスセミナー」では、日本政府を代表して岩田政務官が挨拶をし、東方政策に基づく両国の協力の歴史を振り返るとともに、将来へ向けて、「アジア未来投資イニシアティブ(AJIF)」や「アジア・ゼロエミッション共同体構想」に触れながら、東方政策の新たな発展を目指していくと述べた。
アズミン・アリ通産相との会談で両者は、二国間の経済関係の深化に向けて、AJIFに基づくサプライチェーン多元化やアジア・デジタル・トランスフォーメーション(ADX)、航空機産業協力などの進捗について確認するとともに、インド太平洋経済枠組み(IPEF)、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)など通商分野についても意見交換を行った。
ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)との会談で、岩田政務官は、マレーシアの2050年カーボン・ニュートラル実現に向けて、「アジア・ゼロエミッション共同体構想」に基づいて、日本政府によるマレーシアの脱炭素化に向けた支援について説明した。アジアの現実的な移行を支援する「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」を通じた両国企業の協業を促進し、特に、水素・アンモニアの活用や省エネ技術での協力を強化していくと表明。また、二国間クレジット制度の検討加速についても依頼した。
国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のムハマド・タウフィク最高経営責任者(CEO)との会談では、AETIに基づくマレーシア政府とのロードマップ策定においてペトロナス社が全面的に支援していることに岩田政務官は謝意を示し、水素・アンモニア・CCUS・カーボンリサイクルなど低炭素技術の活用、特に、アンモニアの石炭火力発電所への混焼など実証を加速していきたいと述べた。またマレーシアからの40年にわたるLNG安定的供給にも謝意を示し、今後のLNGの継続的な安定供給についても協力を要請した。
また岩田政務官は、1965年にマレーシアに進出したパナソニックが主催する東方政策40周年記念式典に出席。現地工場を視察し、2019年に第2工場を建設しハイブリッド車等を生産するトヨタの現地工場の視察を行ったほか、マレーシア日本人商工会議所との意見交換、マレーシアで活躍するスタートアップ企業との意見交換等を行った。