【クアラルンプール】 マレー鉄道(KTMB)は、日本貨物鉄道(JR貨物)から貨物輸送に関する技術移転を受けたと明らかにした。今年半ばのゲマスージョホールバル間での複線路線の運行開始により貨物列車の輸送量が倍増するため、日本の経営・技術知識を活用するという。
KTMBのオペレーションコントロール担当シニアマネージャー代理のサリム・ミスディ氏は、KTMBの運営スタッフがJR貨物の貨物鉄道輸送の専門家から鉄道輸送ロジスティクスを効率的かつ最適に取り扱うためのトレーニングを受けたとし、列車数を現在の15両から25両まで増やし、クラン港との往復などの貨物需要増に対応する予定だと述べた。
KTMBカーゴ・サービスのマネージャーであるユスリ・アフマド氏は、行動規制令(MCO)の終了後、貨物量は毎月10ー15%ずつ増加しており、コンテナの海外輸送も扱っているとし、JR貨物の技術やシステムは、KTMBの効率向上に役立つと述べた。
JR貨物の西村公司海外事業部長は、ポートクラン駅に近いイポーやニライをマレーシアとタイ、中国、ラオスとの間の輸送拠点にすること、クアラルンプール市街地周辺に国内貨物駅を建設し、国内需要を喚起することなどを提案しているとし、貨物鉄道運営で重要なのは、トラック輸送から鉄道輸送への切り替えによるコストダウン、サービス品質の向上、安全性、定時性、頻度、ラストワンマイル輸送でのスムーズな集配、貨物輸送業者との協力などだと言明。ゲマスージョホールバル間の電化複線路線では、特別な顧客や大口顧客だけに焦点を当てるのではなく、小口顧客にも貨物サービスを提供すべきだとし、これにより貨物量も大きく増加するとした。また、KTMBのインフラ整備は、鉄道貨物事業、特に長距離輸送を効率化し、マレーシアがタイ、中国、ラオスへの貨物輸送の地域的なハブとなる道を開く可能性があると述べた。
JR貨物は2年前にも同様の技術移転プログラムを実施し、KTMBの鉄道システムの評価と改良を行っている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、2月21日)