【プトラジャヤ】 昨年のオンライン詐欺件数は2.5万件以上に上り、被害総額は約8.5億リンギに達した。
国家金融犯罪対策センター(NFCC)のムスタファ・アリ長官は、銀行口座の売買がオンライン犯罪の温床になっており、詐欺組織が口座を元の所有者から1口座あたり500リンギで買い取り、不正送金に利用していると指摘。短期間で口座から入金を引き出すため、追跡が難しいとした。フェイスブックやインスタグラム、ティックトックでのなりすまし、ワッツアップやテレグラムなどでの接触が行われるなど、SNSを悪用した詐欺も増えており、電話詐欺や偽サイト・偽アプリからの個人情報取得など、被害者の背景に関連した様々な手口での詐欺が横行しているという。
ムスタファ長官は、連邦政府は国際機関との協力強化や被害金の返還に向けた法律整備など、具体的な対策を講じており、2023年度予算案でも全国詐欺対策センター(NSRC)の運用助成金として1,000万リンギが割り当てられたと言明。オンライン詐欺撲滅のためには被害者を含む全当事者が共に対処しなくてはならないとし、被害を未然に防ぐため、教育機関で啓発キャンペーンを実施する必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日、ベルナマ通信、4月23日)