【ニューヨーク】 米国と欧州連合(EU)は、マレーシアが進めている第5世代移動通信(5G)ネットワーク計画の見直しについて懸念を示している。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が報じた。

マレーシアでは国営デジタル・ナショナル(DNB)がスウェーデン系通信機器大手のエリクソン(マレーシア)の協力の下、1社独占で国内5Gの展開を行っているが、今年1月にファーミ・ファジル通信デジタル相がその体制の見直しを図るとし、第1四半期中に最終結論を出すと発表していた。それに対し、米・EUは、万が一再入札を行った場合、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が落札する可能性が高いため、国家安全保障上のリスクがあるとマレーシア政府に警告したという

米国はファーウェイをブラックリストに掲載し、ファーウェイ製品の米国内での販売停止および半導体・部品などのファーウェイへの輸出禁止措置を講じ、EUを含む同盟国に対しても5Gネットワークにファーウェイが関与することを避けるよう要求している。

DNBは2021年に5Gネットワーク整備に関する公開入札を実施。ファーウェイやZTE、シスコ、日本電機(NEC)、ノキア、サムスン、ファイバーホームなどが参加したが、同年7月にエリクソンが110億リンギで落札していた。
(マレー・メイル、ロイター、フリー・マレーシア・トゥデー、ソヤチンチャウ、5月2日)