【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は27日、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業に向けて、三井物産(本社・東京都千代田区)および仏トタルエナジーズ・カーボン・ニュートラリティ・ベンチャーズとの間で共同開発契約を締結したと発表した。
今回の契約は、2022年に交わした覚書に盛り込まれたイニシアチブをさらに推進するために締結したもので、CO2貯留に適したマレー半島沖合の枯渇油田や塩水帯水層の技術評価をもとにした開発計画の策定、潜在顧客の特定、商業的・法的枠組みの確立、液化二酸化炭素船による輸送や港湾設備の設計等を含むロジスティクスの最適化までCCS開発に向けたあらゆる分野で取り組みを実施する。今回の提携により、アジア太平洋地域初の統合型CCSソリューション提供に向けて道を拓くことができると期待されている。
三井物産の代表取締役専務執行役員である松井透氏は、同社が持つ石油・ガスの上流部門における専門知識とビジネス・ネットワークを活用して、トタルエナジーズやペトロナスと共にマレーシアにおけるCCSバリュー・チェーン事業に取り組んでいくとコメント。CCS事業の世界展開を通して、環境に優しい社会の実現に貢献すると述べた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月28日、ボルネオポスト、6月27日、三井物産発表資料)