【クアラルンプール】 コメの流通を手掛けているパディベラス・ナショナル(ベルナス)は、1日付けで輸入白米の価格を従来の1トンあたり2,350リンギから3,200リンギに36%値上げしたと発表した。

ベルナスは、この価格調整はコメの世界的な価格設定に沿ったものだとし、気候変動、為替レートの下落、営業コストの高騰、地域紛争といった予測不可能な要因により、上半期は厳しい状況に直面し、さらにインドが発表した白米輸出禁止措置によって状況が悪化したと説明。ここ数年は価格上昇を吸収してきたが、今後の状況も不透明であり、持続可能な事業運営や業界の安定性確保の必要性を考慮した結果、値上げは必要かつやむを得ないものだと判断したとした。一方、政府や海外取引先と協力の上、コメの安定供給は可能だとしている。

モハマド・サブ農業食糧安全相はベルナスの発表を受け、7日にも同社およびコメ農家と会合を開き、コメの国内供給について協議すると明らかにした。同氏は、以前の鶏卵の供給問題と同様、関係者全員で協力し合えば問題は克服できるとし、国内産米の輸入米偽装への厳しい措置を行い、また、連邦農産物マーケティング庁(Fama)が業界関係者と協力の上、供給不足に陥っている地域にコメを送るとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月3日、ザ・スター、9月2日)