【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は13日に発表した2024年度予算案で、砂糖入り飲料に課す物品税(砂糖税)を1リットルあたり40センから50センに10セン引き上げると述べた。

砂糖税は2019年より導入されているが、現在も砂糖の摂りすぎが糖尿病や肥満などの原因になっているため、課税を強化した。砂糖税で得られた収入は、透析センターへの支援など、糖尿病対策や治療のために用いられるとしている。
発表を受け医療専門家は、一定の評価はできるとする一方、政府に対しさらに踏み込んだ対策を求めている。

マレーシア医師会(MMA)のアジザン・アブドル・アジズ会長は声明で、砂糖税の引き上げは、砂糖の大量消費を抑制するための第一歩となるが、政府はそれに加え、不健康なライフスタイルから引き起こされる慢性疾患の増加に対して包括的に取り組み、政策を通じて健康的なライフスタイルを奨励すべきだと述べた。

独立系シンクタンク、ガレン健康・社会政策センターのアズルル・モハマド・カリブ最高責任者も同意見で、砂糖税で得られた収入は、病気の治療ではなく予防に集中的に振り向けられるべきだとしている。

リー・ブンチェ元副保健相は、健康的な生活習慣を国民に教育する必要性を強調。課税による価格上昇で砂糖入り缶飲料の摂取を控えるようになっても、ビスケットなどのお菓子やテー・タレ(甘いミルクティー)に切り替えるようならば効果が台無しになるとし、保健省が地方自治体の診療所や住民団体と協力し、国民の健康状態を把握する取り組みを行うことを提案した。保健所の指導のもと、ライフスタイルの修正を提案できるようになるとしている。
(マレー・メイル、10月14日、13日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月21日)