【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 岩谷産業(本社・大阪・東京)は11月30日、マレーシアの全額出資子会社のマレーシア岩谷が、マレーシアにおいて冷媒の輸入、充填、販売を手掛けるウェステック・ケミカルズおよびISOキミアを買収したと発表した。東南アジアにおける冷媒事業の拡大を目指す。

冷媒ガスの中でも、フロンは地球温暖化係数(GWP)が高いガスを多く含んでいる。国際的な規制によりマレーシアでは2020ー2022年の輸入実績にもとづき、2024年よりGWP値に換算した輸入枠が付与されるなど規制措置が講じられていくことが決定している。

マレーシア岩谷では、2社の買収によりフロンの輸入枠を確保するとともに、GWP 値が高い冷媒から低い冷媒への切り替えや、マレーシア国内で初となる、使用済みフロンの回収・再生事業を行うなど、地球環境にも配慮した事業を展開していく。

岩谷産業によると、冷媒はエアコンや自動車の普及拡大に伴い全世界で需要が増加しており、特に東南アジアでは人口増加・経済成長により大きな市場拡大が予想されている。マレーシアは冷媒の主要消費国となっており、岩谷産業は今回の2社買収を契機に、将来的には東南アジア各国への冷媒輸出などさらなる事業拡大、および収益力強化を図っていく。