【クアラルンプール】 電力ケーブル製造のサラワク・ケーブル(SCB)は12日、同社の再編に向け、投資会社の英セレンディブ・キャピタルから2億5,000万リンギの投資を受けると発表した。SCBはブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のメイン市場に上場しているが、早急な財務改善が求められる監視銘柄「PN17」に指定されている。
SCBの声明によると、セレンディブは英国を拠点とし、南アジアでの金融資産再編に20年以上の経験を持つ投資会社。セレンディブは5日付けでSCBの救済会社(ホワイトナイト)となる意向を表明した。輸送の電化、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域諸国間の送電網接続、大量の電力を必要とするデータセンターの急増、電気自動車(EV)の需要増加などにより、SCBの成長が見込まれると予想し、投資を決定したという。SCBは、投入された資金を未払い債権の返済およびインフラ網整備や高圧ケーブルの需要増大への対応に充てる。
セレンディブの顧問である平田竹男氏(早稲田大学教授)は、「マレーシア最大の電力ケーブルメーカーであり、地域でもトップメーカーであるSCBと提携し、投資できることを嬉しく思う」と言明。SCBの顧客基盤や製造の質は他に類を見ないものであるため、財務改善を果たし、地域の有力企業に育て上げたいと述べた。同氏は6日付けでSCBの社外取締役に就任している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ボルネオポスト、12月12日、SCB発表資料)