【クアラルンプール】 出光興産(本社・東京都千代田区)は18日、マレーシア子会社の出光アドバンスドマテリアルズ(マレーシア)がジョホール州パシルグダンで第2SPS(シンジオタクチックポリスチレン)製造装置を新設し、11月に商業運転を開始したと明らかにした。
SPS樹脂は、1985年に出光興産が世界で初めて合成に成功し、1997年に世界で初めて商業化を達成した純国産のエンジニアリングプラスチック。耐熱性(融点270℃)・耐熱水性・絶縁性・電波透過性に優れ、電気自動車を含む自動車関連部品、家電や食器・電子レンジ調理容器などの日用品等に広く採用され、需要が拡大している。
第2製造装置の生産能力は年間9,000トンで、千葉県市原市にある第1製造装置と合わせてSPS樹脂の生産規模は2倍となり、より安定した生産・供給体制が実現する。
第2製造装置の建設地であるパシルグダンは、出光興産の石油化学製品の重要な製造拠点の一つ。隣接する出光SMマレーシアからSPSの原料であるSM(スチレンモノマー)の調達が可能で、パシルグダン内で一貫した生産体制が実現できることから当地での建設を進めてきた。