【クアラルンプール】 イオン・マレーシアはクアラルンプールのマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)近隣に、2025年末までに新店舗をオープンする計画を明らかにした。

岡田尚也取締役副社長(3月1日付けで社長に昇格予定)によると、3月にはセランゴール州シャアラムのセティアシティ・モール内にも新店舗をオープンする計画で、既存3店舗の全面改装を含め、さらなる事業拡大に取り組んでいく。セランゴール州のバンダル・プチョン店、同IOI モール・プチョン店の改装は年内に完了する見込みで、ジョホール州とマレー半島北部地域においてもそれぞれ1店舗の改装を計画しているという。

現在、イオンは全国に「イオンモール」28店舗、「イオンストア」34店舗、「マックスバリュ」7店舗、ドラッグストア「イオンウェルネス」64店舗、100円ショップ「ダイソー」45店舗を展開しているが、既存モール・店舗の改装に注力しており、昨年はマラッカ州のアイル・ケロー店、セランゴール州のチェラス・セラタン店を改装している。

岡田氏は、今年は事業拡大を通じて、若い世代から新たな顧客を獲得したいと考えているとし、コスト圧力が増大する中でも成長を続けていくと述べた。

イオン・マレーシアの2023年通年の売上高は前年比0.3%微減の41億3,000万リンギ、純利益は3.2%増の1億1,120万リンギ。2023年第4四半期(10ー12月)の売上高は、小売売上高の減少やベース効果により前年同期比2.7%減の10億3,000万リンギだったが、純利益は30.8%増の3,260万リンギに達した。稼働率の上昇や賃貸料の更新、コスト管理などが功を奏したという。

今後の見通しについては、補助金の見直しや、売上・サービス税(SST)の引き上げ、贅沢税の導入など、政府方針の転換に懸念はあるものの、引き続き、デジタルシフトの加速、プライベート・ブランドへの注力、地域社会におけるイオン生活圏の創出、持続可能性への取り組みを行うとともに、営業コストを効果的に管理していくとしている。
(ザ・サン電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、2月24日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、2月23日)