【クアラルンプール】 ターミナル拡張工事が進められているスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港、SAAS)は、6月よりナローボディ・ジェット機の乗り入れを再開する。空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)が明らかにした。

1998年よりナローボディ機の運航はクアラルンプール国際空港(KLIA)に移されており、26年ぶりの運航となる。ターミナル拡張工事は、MAHBが策定した「スバン空港再開発計画(SARP)」の第1期として2023年12月より開始されている。

MAHBのメガット・アルディアン・ウィラ戦略担当シニア・ゼネラル・マネージャーは、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、拡張工事には駐機ベイの建設が含まれており、ナローボディ機用最大5カ所とターボプロップ双発旅客機「ATR」用6カ所が増設される見込みだと述べた。ボーイング「737」型機、エアバス「A320」型機、「A321」型機などの機体に対応できるようになるという。旅客数も現状の年間150万人から最大300万人まで対応可能となるとしている。

ナローボディ機の発着枠はファイアフライやバティックエアなど、すでにSAASに運航している航空会社が優先して取得でき、マレーシアを拠点とする他航空会社も先着順で取得できる。マレーシア航空や格安航空会社などから関心が寄せられているという。

メガッド・アルディアン氏は、近隣のKLIAとの間の競合については、KLIAではターミナル1とターミナル2の合計で年間7,500万人の旅客に対応できるのに対し、スバン空港は年間800万人までしか対応できず、また、スバン空港には乗り継ぎ施設もなく、滑走路の増設も土地の制約上難しいことから、KLIAから旅客を奪うことにはならないと述べた。

SARPの今後についてメガッド・アルディアン氏は、第2期では年間500万人、第3期では年間800万人の旅客に対応できるようになる予定だが、計画の詳細については運輸省と協議している段階だと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月14日)