【クアラルンプール=アジアインフォネット】 長瀬産業(本社・東京都千代田区)は2日、マレーシアにおける半導体ウェハバンピング受託加工製造に10億円を投資し、設備を拡充すると発表した。

長瀬産業の子会社で、半導体および電子部品向け製造装置の販売や半導体ウェハバンピング受託加工製造を展開する独パッケージング・テクノロジー(パックテック)が、ペナンに拠点を置くパックテック・アジアに設備投資する。半導体ウェハバンピング受託加工製造装置を増設し、注力領域である半導体分野等の製造機能を強化する。スマートフォンや電子機器全般に使用されるウェハレベルパッケージ(WLP)受託加工市場でのシェア拡大を図る。

スマートフォンや電子機器全般に使用され、半導体の高度化や低消費電力化への寄与が期待されるパワー半導体等のニーズの高まりを受けたもので、新たに増設されるラインは2024年4月以降順次稼働予定。これにより生産能力が約1.5倍となると見込んでいる。

パックテック・アジアは、無電解めっき方式のWLPをコア技術としており、グローバルのWLP受託加工市場で世界有数のシェアを有している。無電解めっき方式のWLPは、低コストかつバッチ処理による大量生産に適していることから主にミドル・ローエンド製品向け半導体に使用されている。しかし近年では半導体の高機能化(複合化)や3次元化が進むなか、ミドル・ローエンド向けの半導体製造工程をハイエンド向けに使用する動きが検討されており、無電解めっき方式のWLP市場が拡大することが見込まれるという。