Give a thought on reason by action
★英語が苦手な理由
先日、日本の高校で英語を教えているカナダ人男性に生徒の英語力を尋ねたところ、
苦笑いして、”Just so, so”と話していました。
それを受けて、日本人の英語が苦手な理由として、以下のふたつを挙げました。
- 英語の教科書が、現実的な会話に則していない。
- 英語以外の日頃の授業でも、理由や根拠を考える風に教えられていない。
彼は、筆者の説明を受けて、「そういえば、畳のヘリを踏んではいけないというのでは、なんで?と尋ねたら、わからないと回答されたよ」と笑いながら話していました。
★ 根拠を知って動く外国人、動きながら考える日本人
大正時代に日本で弓道を学んだドイツ人 オイゲン・ヘリゲルは次のように記しています。
『日本人は、自分の語る事をヨーロッパではすべて言葉を手がかりに理解するほか
道がないのだということに気がつかない。ところが日本人にとっては、言葉はただ
意味に至る道を示すだけで、意味そのものは、いわば行間にひそんでいて、一度で
はっきり理解されるようには決して語られもせず、結局はただ経験したことのある人間
によって経験されうるだけである』
(『日本の弓術』より)
先述した事例を、わからないと回答した日本人の言外の意味は、「畳のへりを踏んでは
いけないということを説明できるほど経験を積んでいない」と言いたいのだと解釈できない
こともありません。
★根拠から発する
一方で、日本人は根拠の説明をできるほど、それについて思いを馳せていないため、
説明ができないのも現実です。
マレーシアでも、現地社員に報連相や5S改善の大切さを説明できないのは、
日本で、いかに根拠や理由の共有がされないまま、会社で決まったことだからとか、
上司に言われたからで取り組んでいるかという証左だともいえます。
まずは、日本人自身が、日本人らしく経験を積み、根拠や理由に思いをはせることが
肝要です。
湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください) |