【クアラルンプール】 外食チェーン「KFC」を運営しているQSRブランズ(M)ホールディングスは、親パレスチナ・イスラム主義者によって半年あまり続いているボイコット運動の影響で、4月27日までに108店の営業を停止している。華字紙「南洋商報」が報じた。
KFCはこれまで、マレーシア国内で600店舗以上を展開していた。ボイコット運動は半年経っても衰えないどころか激化する兆しを見せており、中でもイスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン州では大打撃を受け、約8割に当たる21店舗が営業を停止している。
店舗の営業停止は全州に及んでおり、多い順から▽ジョホール州(15店舗)▽ケダ州(11店舗)▽セランゴール州(同)▽トレンガヌ州(10店舗)▽パハン州(同)▽ペラ州(9店舗)▽ネグリ・センビラン州(6店舗)▽ペナン州(5店舗)▽クアラルンプール(3店舗)▽ペルリス州(2店舗)▽マラッカ州(同)▽サラワク州(同)▽サバ州(1店舗)――。セランゴール州では営業を停止した11店舗のうち10店舗はイスラム色が強いシャアラム地区だった。
ボイコットの発端はKFCがイスラエル支援を続ける米国発祥であることから、マレーシアのフランチャイズも親イスラエルとみなされたためだが、QSRは自社が純然たるマレーシアの会社であり、米国資本とは無関係だと主張している。QSRの筆頭株主はジョホール州の投資会社、ジョホール・コーポレーション(Jコープ)。
(エッジ、4月29日、南洋商報、4月27日)