【クアラルンプール】 格付け会社のフィッチ・レーティングスはマレーシアのソブリン格付けをトリプルBプラスで維持した。長期的格付けが中期的にどの方向に動きそうかを示すアウトルックも「安定的」を維持した。格付けはトリプルAからトリプルBまでが投資適格とされる。

アジア太平洋諸国のソブリン格付けに関するオンラインセミナーでフィッチ域内幹部のキャスリーン・チェン氏は、マレーシア経済・輸出の多様性、強固な中期的成長見通し、経常黒字を判断の根拠に挙げた。

製造業への持続的投資、外需の回復が製造業生産と輸出を押し上げる。製造業は競争力があり、世界的なサプライチェーン多極化の恩恵を受けるという。
チェン氏は、政府債務の対GDP比での縮小に見られるような国家財政の改善は格上げ要因になると指摘した。

近い将来の財政改善は、現在進行中の補助金合理化がけん引するという。チェン氏は、補助金のための支出は引き続き減少するが、節約分の一部は低所得層への現金交付に配分されると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月28日、エッジ、6月27日)