【クアラルンプール】 カナダのブラックベリーの調査によると、過去12カ月間にマレーシアのIT企業の79%がサイバー攻撃を受けている。

ブラックベリーは、調査会社コールマン・パークスの協力を得て、2024年4月に国内IT企業100社を対象に調査を実施した。マレーシアの79%は世界平均の76%を上回っているという。回答者が、「最もリスクが最も高い対象」として挙げたのはオペレーティングシステム(OS)で30%。次いでモノのインターネット(IoT)および接続コンポーネントが19%で続いた。

また、サイバー攻撃が引き起こす最も深刻な影響としては、金銭的損失(71%)、会社の評判の低下(66%)、データ損失(59%)が挙げられた。

サイバー攻撃の予防対策としては、スタッフへのセキュリティ意識向上トレーニング(58%)、データの暗号化(48%)、多要素認証(47%)などが実施されているが、脆弱性開示(外部からの脆弱性発見報告を受け入れる仕組み)は43%、ソフトウェア部品表(SBOM)の整備は40%にとどまった。SBOMはソフトウェアを構成する要素や依存関係、ライセンス情報などを一覧化したもの。

ブラックベリーは、国際的な規制およびコンプライアンス要件により、特にグローバル市場で技術部品の設計・販売を行う製造企業では、今後12―24カ月でSBOMの重要性が高まる可能性があると指摘。また、地政学情勢が不安定化する中、攻撃者は半導体産業など、影響範囲が大きい分野を狙う傾向があるとし、従業員へのセキュリティ教育、設計段階からのセキュリティ対策、最新の人工知能(AI)監視ツール導入など、包括的なセキュリティ対策を施すことが、マレーシア企業への信頼性向上や今後の経済成長につながるとした。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月13日)