【クアラルンプール】 アハマド・ザヒド副首相は、18日の閣議でハラル(イスラムの戒律に則った)認証取得を任意とする現行制度を今後も維持していくことを確認したと明らかにした。ザヒド氏は、マレーシア・ハラル委員会の委員長も務めている。

モハマド・ナイム・モクタル首相府相(宗教問題担当)が先ごろ、「マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)がイスラムで禁忌とされる豚肉やアルコールを提供しない飲食店や食品会社に対し、ハラル認証取得を義務化することを検討している」と述べたことを受けたもの。

ザヒド氏は、JAKIMと州イスラム宗教評??議会(MAIN)あるいは州宗教局(JAIN)が監督するハラル認証は、1974年の導入以来任意であり、「2011年商品表示法」によって強固なものとなったと言明。「既存方針は変更されておらず、マレーシアのハラル認証はすべての要件、基準、規制に準拠する準備ができているすべての業界に開放されている」とした上で、「ハラル認証を取得することは事業者に付加価値をもたらす」と述べ、義務化はしないものの認証取得については奨励する考えを示した。

ナイム首相府相のハラル認証義務化発言を受けて、非イスラム事業者や認証取得費用を賄えない零細マレー事業者の負担を増すなどとして各方面から懸念の声が噴出。先頭を切って疑問の声を上げた与党連合・希望同盟(PH)所属のテレサ・コック下院議員(民主行動党=DAP)に対してはイスラム保守派に迎合したい保守派政治家などが厳しく批判。コック氏が複数の告発を受けて警察に事情聴取を受ける騒ぎにまで発展していた。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、9月18日)