【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は、補助金対象・非対象を世帯収入によって決める案に関連して、対象外となる上位15%の富裕層(T15)の定義を世帯収入1万2,000リンギ以上に設定する方向で検討していることを明らかにした。統計局は1万3,000リンギ以上としているが、それを上回る額になる可能性もあるという。
来年半ばに実施するレギュラーガソリン「RON95」補助金合理化に当たっては、85%の国民には影響が及ばない、すなわち「T15」のみが補助金対象外となる見通しであることが発表されたが、野党からは「T15」を対象外とすれば、しきい値が月収1万2,000リンギになり、多数の国民が影響を被ると批判の声が上がっていた。
アンワル首相は「政府はT15の定義を1万2,000リンギ以上に定めたことはない。T15の人が補助金なしでやっていけるか検討しており、やっていけない場合には定義を引き上げる。1万5,000リンギ、あるいは1万8,000リンギ以上になるかもしれない。いずれにしても重要なことは下位85%が補助金削減の影響を受けないということだ」と述べた。
「T15」の定義を巡り混乱が続いていることを受け、ラフィジ・ラムリ経済相は先ごろ、1カ月内に決定すると言明。地域による物価差を考慮したもので全国一律にはならないとの見通しを示した。