Quality of word

★管理者の悩み

最近、新しい研修のテーマをクライアントと打ち合わせをしていると、特にローカルスタッフの担当者からは、「難しい部下との接した方を教えて欲しい」という内容が増えました。いわく、「若い世代は、はっきりと物をいうので対応に困る」というものが一般的です。

筆者が具体例をヒアリングすると、必ずしも部下に責任があるとは思えない事例が大半で意地の悪いような表現をすれば、「部下に責任をねじ込ませようとして」しまうあまりに信頼関係が損なわれてしまうという傾向が伺えました。

 

★希薄化する上下関係

もう一つの原因は、上司も部下も、最近の人との付き合い方は、リアルは限られた気の合う人たちで、SNSなどでは匿名での接点であるため、「リアルの上下関係」における耐性が薄いということも挙げられます。

従って、ネガティブな言葉を平気で投げかける、あるいはそれを受けて傷つきやすい傾向があるとも言えるでしょう。

言ってみれば、組織に入ってはじめて上下関係を学ぶ「上下関係初心者」が多いため、強い言い回しを避ける、あるいは耐えられないケースが多いのだと観察しています。

 

★言葉の重みを知る

上下関係が希薄化することで、言葉の重みも薄まります。自分の投げかける言葉で相手が傷つくことを想像することや、逆に、多少の厳しい表現も、その真意を理解することは、リアルの人間関係を円滑に行うために大切です。

言葉には質感があることを学ばなければいけない時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)