【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は15日、10月にペラ州で発生した日本人観光客が死傷した観光バスの事故を受け、南海電鉄(本社・大阪市)の幹部と会談し、今後の対策について協議したことを明らかにした。ティオン大臣がフェイスブックに投稿した。

ティオン氏は仙台市で開催された「観光レジリエンスサミット」(9ー11日)に出席した際、南海電鉄の芦辺直人専務と会談した。南海電鉄は、JTBと共同で事故にあったツアーを募集し、現在はツアーを取り止めている。ベルナマ通信によると、ティオン氏は哀悼の意を表明したうえで、「マレーシア政府観光局が事故の損害賠償請求を今後支援することを確約した」という。

ティオン氏は、観光バスの規制は本来観光芸術文化省の管轄外だが、こうした事故が観光部門に悪影響を及ぼしているとし、今後、運輸省と協力し安全確保に向け対策を講じていく方針だと述べた。南海電鉄との会談では、運転時間の制限▽8時間超の場合は運転手複数制の義務化▽運転手のアルコールおよび薬物検査の実施▽長距離路線にビデオ監視の実施▽乗客のシートベルト着用の義務化▽ツアーバスの高さ制限導入ーーなどの対策を提案したという。

南海電鉄とは、来年開催される大阪・関西万博の期間中、2026年の「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)の宣伝を電車内で実施することが決まっている。
(ベルナマ通信、11月15日)