【ペタリンジャヤ】 マレーシアは原子力エネルギー事業を潜在的電源として再評価する方針だ。エネルギー移行・水利転換相を兼任するファディラ・ユソフ副首相が明らかにした。

14日にサンウェイ大学で開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)持続可能な開発2025ワークショップに出席したファディラ氏は、産業用需要、データセンター拡張、電気自動車(EV)導入による需要増を踏まえ、エネルギー需要増に対するあらゆるソリューションを模索していると言明。「世界的に最もクリーンなエネルギー源の1つとして認められている原子力エネルギーは、我々が検討している選択肢の1つ。(国連の)COP28(気候変動会議)では、20カ国以上が原子力発電を3倍にすることを約束し、その重要性を強調した」とし、原子力発電をエネルギーミックスに含めることの実現可能性を慎重に検討していると述べた。

ファディラ氏によると、科学技術革新省傘下のマレーシア原子力庁の調査結果に基づき、エネルギー移行・水利転換省が同省傘下のMyパワー・コーポレーションに原子力発電に関する調査を委託した。調査は原子力技術、安全対策、セキュリティ、規制枠組み、そして特に国民との利害関係者の関与に焦点を当てたものとなっているという。

ファディラ氏は、マレーシアが2050年までにCO2排出量の実質ゼロを目標に掲げていることを指摘した上で、目標達成には環境保護とエネルギー安全保障のバランスを取るよう努めなければならないと強調。エネルギーが手頃な価格であるだけでなく、すべてのユーザーに公平に分配されることを保証することが含まれるとし、水力、バイオマス、太陽エネルギーを含む多様なエネルギーミックスが組み込まれた包括的な電力開発計画を策定したと述べた。
(ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月14日)