【クアラルンプール】 3回目となる行動制限令(MCO3.0)が12日付けで全国に拡大されたものの新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が依然として増加傾向にあることから、医療専門家はより厳格なロックダウンを行なう必要があると指摘している。
ロクマン・ハキム・アブドラ元保健省副事務次官は、今年1月に実施したような中途半端な制限令ではもはや感染拡大を抑え込むのは難しいとした上で、1月のMCO2.0では感染抑制目標を達成できず、同時に発令された非常事態宣言も役に立たなかったと指摘。実際の制限は国民の州を跨いだ移動禁止と標準的運用手順(SOP)への準拠だけだったとし、散発的な発生に対処するための集中的なスクリーニングのような措置は行なわれなかったと批判している。
その上でロクマン氏はMCO3.0が新規感染を減らすのに役立つことは認めるものの、戦略がMCO2.0と同様であれば集団免疫を獲得するまでMCO4.0を実施する必要に迫られるだろうと指摘。それまでに経済が持ちこたえられるのだろうかと疑問を呈している
マラヤ大学のラジャ・ラシア経済学教授は、MCO3.0下でのガバナンスの弛みが経済の復活にとって助けになっていないと指摘。「昨年3月のMCO1.0ではSOPが厳しすぎたが、MCO3.0では反対に緩すぎてSOPが守られていない」とし、人の移動を取り締まるより人が多く集まる場所で取り締りを行なうべきと指摘している。
(マレーシアン・リザーブ、5月19日)