【クアラルンプール】 マレーシア・ショッピングモール協会(PPK)が市場調査会社ストラトス・ピナクルSBとともに最近行なった調査によると、長期にわたるロックダウンにより、現在ショッピングモールで営業しているテナントは10ー20%程度に過ぎず、多数の店舗が年内に完全閉店を余儀なくされる見込みだ。
同調査は今年7月23日から30日にかけて、国内94カ所の様々な規模のショッピングモールを対象に実施した。有効回答を得たショッピングモールのうち、63%は首都圏クランバレー近郊、大半が賃貸面積100万平方フィート未満のショッピングモールだった。
昨年12月時点では、60%近くのモールでテナントの10%が閉店したが、今年12月までには66%のモールで10ー30%のテナントが閉店すると予想されている。これらのモールでの客足は60ー90%減少し、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前の10ー40%以下の客足となっているが、この傾向は様々なショッピングモールで一貫して見られるという。
PPKによると、ロックダウン期間中の消費者の購買力の低下により小売業の売上が大幅に減少しており、小売店はテナント料の支払いに苦しんでいる。40%のモールでテナント料の30ー50%免除を行なっているが、30%のモールでは、70%以上の小売店からテナント料を回収できていない。一方、14%のモールが資金繰りのために従業員を解雇しており、その大半では10ー20%の人員削減を行っている。現在の閉鎖の状況がこれ以上長引けば、人員削減はさらに拡大する恐れがあるという。
ショッピングモールは昨年3月の最初の行動制限令(MCO)の発令以来、閉鎖が命じられており、今年1月の非常事態宣言でもモールでの営業が制限された。非常事態宣言は8月1日に終了したが、政府は小売業全体の営業再開についてはいまだに許可していない。
(マレー・メイル、8月13日)