【クアラルンプール】 セランゴール州保健局は、10月21日にコレラ感染者1人が報告され、州内の全病院および診療所に注意喚起を行なったことを明らかにした。
同州保健局によると、患者はセランゴール州ペタリン地区に住む56歳のマレーシア人女性で、重度の下痢などの症状が出たため民間医療施設で治療を受けた。検査でO1小川型のコレラ菌が検出されたため、飲食店を含めて女性の立ち回り先を調査したが、感染源は見つかっておらず他の感染者も見つかっていないという。
同州保健局は、コレラ感染拡大を防ぐため、全診療所で急性胃腸炎に対する監視を強化し、コレラの疑いのある患者の便を採取し検査を行なうことを指示。医療従事者は、検査によりコレラと判明した患者、あるいはその疑いのある患者が発生した場合には、24時間以内に電話・電子システムにより最寄り保健局に直ちに報告する必要があり、万が一報告を怠った場合には、「1988年感染症予防及び管理法」に基づく措置がなされる。
コレラ感染予防策としては、▽殺菌済みあるいは沸騰させた水だけを飲む▽衛生的な生活を心がけ、手をよく洗う▽疑わしい症状が出た場合、直ちに治療を受ける▽生の食品や調理が不十分な食品を食べないーーが挙げられており、医療従事者は一般市民にこれらを助言することが推奨されている。
コレラはビブリオ・コレラ菌によって引き起こされる腸管疾患。水を介して経口感染する。初期症状は、痛みのない水様便と嘔吐で、放置すると脱水症状や循環不全などを引き起こし、最悪死に至る可能性もある。
(バイブズ、11月15日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日)