【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン保健相は1日、新型コロナウイルス「Covid-19」の変異種オミクロン株の感染リスクが非常に高い8カ国からの渡航者の入国を暫定的に拒否する措置をとると発表した。14日以内にこれら8カ国の訪問歴がある者も規制対象となる。

対象となるのは先に保健省がマレーシアからの渡航禁止を発表していた▽南アフリカ▽ボツワナ▽エスワティニ▽レソト▽モザンビーク▽ナミビア▽ジンバブエ――の7カ国に、新たにマラウィを加えた8カ国。マレーシア国民及び永住権保有者、配偶者ビザ、マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)ビザ取得者は入国が認められるが、出発72時間前のRT-PCR検査による陰性証明、ワクチン接種の有無を問わず14日間の強制隔離が求められる。

カイリー氏によると、11月30日時点で世界20カ国でオミクロン株感染者が確認されているが、マレーシアでは現時点で確認されていない。

■エンデミックへの移行計画を一時中断■

ヒシャムディン・フセイン上級相(兼国防相)は11月30日、オミクロン株の脅威が高まっていることを受け、現在進められているパンデミック(流行)段階からエンデミック(風土病)段階への移行計画を一時中断すると発表した。

オミクロン株に関する研究を深めることが必要との判断から、エンデミックへの取り組みを「延期」するのではなく「中断」する。11月30日に開催された関係4閣僚会議で決定し、保健省が現在、潜伏期間、症状などオミクロン株に関する詳細な情報収集にあたっている。国内の各州・地域は国家復興計画(NRP)の第4または第5フェーズにあるが、これを当面維持。それぞれの標準的運用手順(SOP)も維持するという。