【クアラルンプール】 国内で今後さらにインフレが進行する恐れがある。業界関係者が警鐘を鳴らした。
クーポンサイトのピコディ・ドットコムの調査によると、生存に最低限必要な栄養素を摂取するのに必要な基本食品の購入費は、昨年は最低賃金のうち34.5%を占めたが、現在では35.3%となっており、商品価格が最低賃金よりも早く上昇したことを示した。
64カ国で同様の調査を行なったところ、上位3カ国である英国、オーストラリア、アイルランドでは、最低賃金に対する基本食品購入費の占める割合はそれぞれ6.6%、7.1%、7.3%だったが、マレーシアは35.3%で45位となった。東南アジアで下位だった国は、タイ(57位、52.7%)、インドネシア(58位、52.9%)、ベトナム(60位、63.5%)、フィリピン(61位、68.0%)だった。
マイディン・モハメド・ホールディングスのウィラ・アメル・アリ・マイディン社長は、牛乳、粉ミルク、乾物などの食料品の価格は現在安定しているが、旧正月後には商品不足や物流の問題により15%程度上昇するという見通しを語った。鶏肉の価格は、供給不足および政府に最低価格の引き上げを要求する供給業者の圧力により今後も上昇を続ける見込みだという。現在、市場では鶏肉が30%から40%不足しているため、大手小売店では、価格を下げるために鶏肉の輸入許可を政府に求めていると強調。さらに、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)に対して、輸入元の国に対しハラル証明書を発行するよう求めているとし、一時的な手段として、サウジアラビアなどの国のハラル認証が安全であると確認することでそれらの国からの鶏肉輸入を可能にできるのではないかと述べた
マレーシア・イスラム消費者協会のナジム・ジョハン会長も、業者が商品の価格をコントロールできなくなっているという懸念を表明。行政による取締が不十分なため、一部の業者が状況を悪用していると述べた。
スバン・シャアラム消費者協会のジェイコブ・ジョージ会長も、最悪のケースでは、全体で70%の値上げになる可能性があるとし、現在の状況は、商品を管理する供給業者などの第三者に依存しすぎていることに加え、米ドルに対するリンギ安が原因であると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、1月24日)