すかいらーくHD、マレーシアでしゃぶしゃぶ店2ブランド展開へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 すかいらーくホールディングス(HD、本社・東京都武蔵野市)は12日、マレーシアでムスリム(イスラム教徒)向けしゃぶしゃぶ店などを展開するクリエイトリーズ・コンサルタンシー(セランゴール州)などを子会社化すると発表した。

クリエイトリーズ・コンサルタンシーとグループ会社の計3社について、株式を保有するシンガポールの企業などから来年1月の買収を予定する。買収額は非公表。グループの24年12月期の総売上高は計5億リンギ。

すかいらーくHDは現在、首都圏クランバレーでしゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」を5店舗展開し、中華系の家族連れらに人気だ。一方、クリエイトリーズ・コンサルタンシーグループは「すき屋」のブラントでしゃぶしゃぶ店を10年以上前から運営している。豚肉・アルコールを扱わないためムスリムに支持されており、現在13店舗を構える。すかいらーくHDはターゲットの異なる2ブランドを持つことで、調達や配送などの業務効率化を図りつつ、マレーシア国内に加え、東南アジア諸国への出店も進めていくという。

サラワク州、2025年までの完全電化に向け農村部でも前進

【クアラルンプール】 サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)によるコンテナ型太陽光水素プロジェクトの実証実験が成功し、州政府が掲げる2025年までに完全電化という目標に向け大きく前進した。アブドル・ラーマン・ジュナイディ公益事業・電気通信副相が11日、地元であったグリーン水素展示会で語った。

完全電化という目標において、大きな課題となるのが農村部の電化で、州政府はサラワク代替農村電化計画(SARES)を策定して取り組んできた。

コンテナ型太陽光水素プロジェクトは、送電網につながっていないオフグリッド・ソーラーシステムと、水素貯蔵技術を統合したもの。エネルギーが余っている場合は水素ガスが生成・貯蔵され、より多くの電力を必要とする場合は、水素ガスが電気に戻され、地元のオフグリッドシステムに送られるという。2021年からソン郡の農村で実証実験を行っていた。

ラーマン氏は「ミリなどのまだ電力が供給されていない村でも適合性を調査し、グリーン水素の取り組みを強化していきたい」としている。
(サラワク・トリビューン、12月11日)

MIDFリサーチ、来年のGDP成長を4.6%と予測

【クアラルンプール】 MIDFリサーチは、国内消費の伸びを背景にマレーシアの2025年の国内総生産(GDP)成長が今年の予想値であるプラス5%には及ばないものの、プラス4.6%になるとの予測を示した。

MIDFリサーチのリサーチ責任者、イムラン・ヤシン・モハメド・ユソフ氏は、2025年はマレーシアにとって着実な回復とさらなる安定の年になると予想されるとし、国内と海外の両面で成長の機会が生まれていると指摘。「国内消費は2025年もマレーシアの成長の重要な原動力であり、雇用市場は雇用の増加、賃金上昇、観光部門の成長が消費者支出の増加を支え、前向きな傾向を示している。これらの要因は公務員の給与引き上げや現金支援プログラムなどの政府の取り組みと相まって、経済成長の強固な基盤を提供するだろう」と述べた。

一方でイムラン氏は、国内需要に加えて対外貿易の継続的な成長を予測しているが、米国が課す可能性のあるより厳しい貿易規則については引き続き注視していく必要があると言明。投資家の米国経済データに対する敏感さの高まり、米国の貿易、関税、税金に関する新たな政策、地政学的紛争によるマイナスの影響により、2025年も不確実性と変動性が続くと予想されるとし、2025年が経済と市場にとって波乱の年になると考えていると述べた。

中央銀行バンク・ネガラの金融政策に関しては、イムラン氏は翌日物政策金利(OPR)が2025年も3.00%で据え置かれると予想。通貨リンギの為替レートについては、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めサイクルを一時停止する可能性が高いことから、2025年にリンギが上昇する可能性について楽観視しているとし、今年の推定平均1米ドル=4.56リンギを上回る4.23リンギを予想していると述べた。
(ベルナマ通信、12月10日)

現地組立バス、26年から速度制限装置設置を義務付け

【ペタリンジャヤ】 アハマド・ザヒド副首相は、2026年1月1日付けですべての現地組立(CKD)バスに速度制限装置を装備しなければならないと発表した。ザヒド副首相は道路安全と交通渋滞に関する内閣委員会の議長を務める。

バス運転手に速度制限を遵守させ、交通事故のリスクを減らすことが目的。道路交通局(JPJ)から車両型式の承認を得るためには、2026年から速度制限装置の設置が必要となる。

ザヒド氏によると、今年11月時点で交通事故の死者は5,939人(1日平均約18人)で、死亡事故の主な原因は運転過失(1,667人)、進入路における不注意な進入(690人)、不注意な追い越しや車線変更(525人)、居眠り運転(419人)となっている。ザヒド氏は、薬物の影響下にある運転手による事故が増加傾向にあると述べた。

11日に開催された第3回内閣委員会会議では、公共交通サービスの改善に4億6,300万リンギの予算割り当てが承認された。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、ザ・サン電子版、12月11日)

80万人にAI スキル、マイクロソフトが取り組み開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マイクロソフトは10日、「マイクロソフト・クラウド・アンドAIサミット」 で、2025年末までに80万人のマレーシア人に人工知能(AI)スキルを身につけさせる取り組み、「マレーシアの将来に向けたAI(AIForMYFuture)」を開始すると発表した。

「AIForMYFuture」は▽AIを推進するための多様な関係者の協力▽産業界のAI準備と導入のサポート▽教育を通じて将来に備えた人材を育成▽包括的なAI 経済の開発▽将来の労働力の強化――の5つの方法を通して実施する。マレーシア・デジタル省が主導し近く発足するマレーシアの国家AI事務所(NAIO)と緊密に連携し、セクター間の協力関係を通じてAIアジェンダを推進する。

デジタル省のゴビンド・シン・デオ大臣は、「官民がAI変革に協力すれば、半島北部の農業からペナンの半導体産業、都市部の企業、全国の起業家に至るまでマレーシアでAIを拡大することができる。その結果、スマートな経済ハブとAIエコシステムが生まれ、地域のイノベーションを促進し、ビジネス機会や雇用を創出し、最終的には企業と国民に利益をもたらすものとなる」と述べた。

通信サービスのOCK、ケダ州で太陽光発電事業に参入へ

【クアラルンプール】 通信ネットワークサービス事業者のOCKグループは10日、ケダ州スンガイ・ペタニで稼働中の116メガワット(MW)の大規模太陽光発電所事業に参入するため、3億5,000万リンギの投資契約を締結したと発表した。

2022年3月に商業運転を開始したスンガイ・ペタニの太陽光発電所は、ソーラーパック・スリア・スンガイ・ペタニ(3SP)が所有・運営している。3SPは、スペイン系ゼレストラの完全子会社のソーラーパック・アジアが49%、JKHリニューアブルズが51%の株式を所有。政府系電力会社テナガ・ナショナル(TNB)との間で、2043年3月までの21年間の電力購入契約を締結している。

ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)への提出書類によると、今回の契約には、SPKアジアが発行する償還可能優先株1,000株と、ゼネストラがJKHに行った融資を、OCKが引き受けることなどの条件が含まれている。これにより、OCKはスンガイ・ペタニの太陽光発電所に間接的に投資することになる。

OCKは「再生可能エネルギー、データセンター、デジタルソリューションなど、すべての事業セグメントにおいて拡大できるよう今後も注力していく」としている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、12月10日、ザ・スター、12月11日)

ガソリン補助金支給の対象外の分類、来年半ばまでに発表

【クアラルンプール】 レギュラーガソリン「RON95」の補助金支給の対象外となる上位15%の富裕層(T15)の分類について、政府は2025年半ばまでに発表する予定だ。ラフィジ・ラムリ経済相が明らかにした。

ラフィジ氏は10日の下院議会質疑の中で、世帯別の収入をデータ化した「中央データベース・ハブ」に登録していない個人や「T15」と認定され補助金対象から除外された個人は決定に異議を申し立てる機会が与えられると言明。「異議申し立ての仕組みが設けられるので、新たなRON95補助金制度が適用される前にまずこれを実施する必要がある。そのため2025年上半期にまず分類を完了する」と述べた。

ラフィジ氏は10月28日、内閣に承認を求める前に、省庁がT15所得グループに関する詳細を1か月以内に確定させる予定であると言明。またT15グループは、以前の政策のように全国的な定義ではなく、地域性を加味して決定される可能性が高いと述べた。

財政負担軽減のために補助金合理化を進める政府は、RON95ガソリンの2段階価格制度の策定に取り組んでおり、実施されればトップ15%の富裕層が市場価格で購入し、残りの85%が現在の補助金付き価格で購入できるようになる。これにより政府は年間80億リンギの補助金負担削減を見込んでいる。

(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、12月10日)

 

マルチブック、マレーシアの電子インボイス対応のサービス提供

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本企業の海外進出などをサポートするマルチブック(東京都品川区)は、同社のグローバルクラウドERP(統合基幹業務システム)サービス 「multibook」が、マレーシアの内国歳入庁(IRB)が運営する電子インボイス登録サイト「マイインボイス(MyInvois)ポータル」に標準対応したと発表した。

マレーシアでは、8月1日から電子インボイス制度が段階的に導入されており、来年7月からはすべての事業者に義務付けられる。事業者は、取引ごとに請求情報を税務当局に電子申請し、認証を受ける必要がある。

税務当局への申請方法は大きく2種類あり、マイインボイスポータル経由で申請する場合、通常のフォーマットは11シートから構成され、手作業では時間がかかるが、multibookではマイインボイスポータルに一括で請求書の承認申請をすることができるという。

multibookはタイやインドネシア語など12の言語に対応しており、同社は「今後も各国の税制・法制の要件などへの改正を進めていきたい」としている。

雲南省紅茶生産者の地域本部、ゲンティンハイランドに開設

【クアラルンプール】 不動産開発、接客ビジネスを手掛けるNCTグループは中国雲南省鳳慶県の紅茶生産者組合と提携し、同組合の東南アジア地域本部を高原リゾートのゲンティンハイランドにあるウィンダム・イオン・マジェスティック・ホテル内に開設した。

滇紅(てんこう)と呼称される雲南省の紅茶を広く域内に紹介するための拠点。ウィンダム・ホテルはマレーシアで最も標高が高いホテル。販売店は11月に開設しており、30日から12月2日まで展示会も開催した。地域本部としての活動は2025年第1四半期に開始する。

滇紅は長い歴史を持つ、職人技による発酵茶。NCTのヤップ・ガンチョイ代表は「紅茶製造の伝統を世界各地からの客に紹介する。ウィンダム・ホテルは最適の紹介場所で、ホテルのステータスも高まる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月9日)

シンガポールとの国境検問所、顔認識のボーダーパスを採用

【ジョホールバル】 マレーシア政府は、シンガポールとの国境検問所におけるバス、オートバイ利用者の身元確認で、顔認識・QRコードシステムを組み入れたMyボーダーパスの採用を決定した。政府は3種のアプリケーションを6月から試験運用していた。

検問所はジョホールバルにある第1連絡橋(コーズウエイ)と、第2リンク(シンガポール側はトゥアス)にあり、ボーダーパスのほかMyレンタスとMyトリップが試験配備された。検問所をバス、またはオートバイで通過するマレーシア人は約30万人。ジョホール州運輸・インフラ委員会のモハマド・ファズリ委員長はボーダーパス採用について「顔認識は極めて効率が良い」と語った。顔認識で問題が生じれば、QRコードでの審査、あるいは窓口での審査になる。

ボーダーパスのシステムはまだすべてのバス、オートバイレーンには配備されておらず、モハマド・ファズリ氏は、システム整備のため連邦政府からの資金援助を希望すると述べた。乗用車、トラックの検問所通過では、QRコードによる審査はまだ概念実証の段階にある。外国人が乗員に含まれているケースがあるからだ。
(ザ・スター、ポールタン、ローヤット・ネット、12月9日)