スーパーマックス製品も米国で禁輸措置、強制労働で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 米国税関国境警備局(CBP)は20日、強制労働を行っている合理的な情報があるとしてマレーシアのスーパーマックス・コーポレーション製ゴム手袋の輸入を禁止すると発表した。
違反商品保留命令(WRO)の対象となったのは、スーパーマックスの完全所有子会社であるマクスター・グローブ・マニュファクチャリング、マクスウェル・グローブ・マニュファクチャリング、スーパーマックス・グローブ・マニュファクチャリングが製造したゴム手袋。
CBPによると、調査の過程で11項目の強制労働指標のうち10項目で違反が確認された。スーパーマックス及び子会社が米国の貿易法に違反し、強制労働を通じて手袋を製造していると結論付ける「十分な証拠」を持っているという。
マヨルカス米国土安全保障長官は声明の中で、「今回のWROを通じて、バイデン政権は強制労働によって製造された製品を米国に持ち込ませない方針を引き続き明確にしている」と述べた。
マレーシアのゴム手袋メーカーでは、世界最大手のトップグローブが2020年7月に同様の輸入禁止措置に遭い、WRPアジアパシフィックも2019年9月に禁輸措置を受けた。

配送員はパンケーキも作るよ!調理手伝う動画に賞賛の声

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」のため一般的になったフードデリバリーだが、調理が注文に追い付かない状態の店も多く、配送員が店を手伝っている様子を撮影した動画がソーシャルメディアで紹介されている。衛生面の問題を指摘する声はほとんどなく、配送員が自主的に手伝っていることを賞賛する声が方が目立っている。
8月末にペナン州で撮影され「TIKTOK」に掲載された動画には、「フードパンダ」のユニフォームを着た配送員が自らキッチンで「ロティチャナイ(インド風パンケーキ)」を作っている様子が映っている。この配送員は12歳の時から両親の商売を手伝っていたらしく、ロティチャナイ作る手つきは非常に慣れたもの。動画は110万回視聴され、13万以上の「いいね」がついた。ネット上では「配送員は調理の手助けもしているし、泥棒を捕まえる手助けもしている」といった賞賛の声が上がった。
最近では、セランゴール州で撮影されたロティチャナイ作りを配送員が行っている動画が10月6日に「TIKTOK」に掲載され、33万回視聴された。ただこの配送員は「長時間待たされていたたためイライラしてやった」と正直にコメントしている。

証券委員会、虚偽情報記載などで中国汽車零件を叱責

【クアラルンプール】 マレーシア証券委員会(SC)は、上場目論見書の虚偽情報記載など数々の違反行為があったとして、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)メイン市場上場企業、チャイナ・オートモビル・パーツ(CAP=中国汽車零件控股)の経営陣を叱責した。
証券委員会によると、CAPは2013年1月11日に発表した新規株式公開(IPO)目論見書において子会社の泉州芬森汽車零部件の銀行残高を誇張するなど、投資家の誤解を招く財務諸表が示されていた。
また2013年から2018年にかけて泉州芬森の虚偽の銀行残高を証券取引所に報告し続けた。泉州芬森は銀行融資返済不履行に関連する訴訟を抱えていたが、これを開示せず、財務諸表においても泉州芬森の銀行負債額を開示しなかったという。叱責を受けた現職の取締役及び前最高財務責任者(CFO)らからは期限までに回答は無かった。
CAPは2013年1月30日に上場。現在、CAP株の取引は停止されている。
(エッジ、東方日報、南洋商報、10月13日)

改造自転車の8人死亡事故、乗用車運転手に無罪判決

【ジョホールバル=マレーシアBIZナビ】 ジョホールバルで改造自転車でレースを行っていた少年グループに車が突っ込み8人が死亡した交通事故の裁判で、治安判事裁判所は10日、事故を起こした26歳の女性ドライバーに対し無罪判決を下した。
無罪判決を受けたのはサム・ケティン被告で、2017年2月17日午前3時ごろ、ジョホールバルの幹線道路を乗用車で走行中、道路上にたむろしてた「バシカル・ラジャク」と呼ばれる改造自転車レースを行っていた少年の一群に突っ込み、8人が死亡し危険運転の罪で起訴された。
治安判事裁判所は2019年10月、「バシカル・ラジャク」のグループがそのような時間帯にそうした活動を行っていたことを知らなかったこと、法定速度内だったこと、運転中の携帯電話使用などがなかったことなどを理由にサム被告側に瑕疵がないと判断。無罪を宣告した。検察側は控訴し、高裁は2020年2月に判決の差し戻しを命じていた。

ランカウイ「トラベルバブル」で陽性者149人

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、9月16日にランカウイを対象に「トラベル・バブル」の試験運用が開始されて以来、ランカウイ訪問者の中から新型コロナウイルス「Covid-19」陽性者149人が確認されたと明らかにした。
ランカウイに向かう旅行者、合計4万458人を対象にスクリーニング検査が2週間実施され、186人が濃厚接触者と認定された。国内空港7カ所で検査を受けたのは3万4,038人、クアラペルリス及びクアラケダのフェリーターミナルで検査を受けたのが6,420人で、残りは事前に自分でRT-PCR検査を受けた。
9月26日に「トラベル・バブル」初の感染者と認定された3歳児はクアラルンプール新国際空港第2ターミナル(KLIA2)から両親とともに空路でランカウイに向かっていたもので、両親はワクチン接種済みの陰性で、3歳児は無症状だった。
一方、10月1日にランカウイの人気リゾートホテルで発生したクラスターでは、ワクチン接種済みの従業員59人から陽性反応が出たためホテルは一時閉鎖された。ケダ州のオスマン・ワリジョ保健局長によると、旅行者経由ではなく地元コミュニティ経由で感染したとみられる。いずれも無症状もしくは症状が軽いという。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月4日)

ランカウイでトラベルバブル開始、出発前に5人が陽性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイを対象にした「トラベル・バブル」の試験運用が、16日から開始された。直前になって旅行者に対する新型コロナウイルス「Covid-19」のスクリーニングが義務づけられるドタバタ騒ぎがあったが、結果的にこれで合計5人の陽性者の旅行が水際で阻止されることになり、まずは無難な船出となった。
カイリー・ジャマルディン保健相は、前日の15日になって出発前に新型コロナのスクリーニングを受ける必要があると発表した。スクリーニング対象は7歳以上で、6歳以下は唾液の分泌量を考慮して問診のみとする。検査はRT-PCR、RTK-抗原検査いずれでも可能で、出発の48時間以内に実施する必要がある。セルフ検査キットを出発地の空港やフェリー乗り場にある検査場に持ち込んで検査することもできる。陽性が発覚した場合は旅行することはできない。
16日の初日にはランカウイに入るために2,546人が出発地の空港やフェリー乗り場でチェックを受けたが、スバン空港で3人、クアラルンプール新国際空港(KLIA)とペナン国際空港で1人ずつ陽性者が確認された。5人はいずれも無症状で、10日間の自宅隔離が命じられた。事前にRT-PCR検査を受けていたのはわずか6人で、残りはすべて空港やフェリーターミナルでRT-PCR検査を受けたという。

ワクチン接種証明書、偽造や不正発行問題が浮上

【ペタリンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種が進む中、偽造された「デジタル証明書」をワクチン接種をしていない人が1,000リンギで買い求めるといった不正発行問題が浮上している。デジタル証明書の偽造や不正に関する情報がソーシャルメディアで発信されていたことを受け、警察は捜査に乗り出している。
マレーシア民間医療従事者協会のスティーブン・チョウ会長によると、ワクチン接種を終えた人への規制の緩和が行われていることや、ワクチン接種に反対する人、接種できない状況にある人、未接種でありながら急な旅行が必要な人などから、民間のクリニックや開業医に対して、デジタル証明書の偽造依頼や1,000リンギで証明書を購入したいという問い合わせが入っている
プロテクトヘルス・コーポレーション社のアナス・アラム・ファイズリ最高経営責任者(CEO)は、ワクチン接種に反対する人の中には、ワクチン接種センター(PPV)に足を運び証明だけをもらい、接種前になって袖を捲り上げ肩を出すことを拒否する人もいたと言明。そのため証明書の発行プロセスが見直されたと明らかにした。
またマレーシア医療従事者連合協会のラジ・クマル会長は、ワクチンを打ちたくないが、証明書だけを発行して欲しいという問い合わせが増加していると説明。デジタル証明書が偽造されたり、盗難されないためにもソーシャルメディアなどに共有しないように呼びかけた。
(ザ・スター、8月25日)

ジョホールバル市長、収賄容疑で逮捕

【ジョホールバル】 ジョホール州ジョホールバル市(MBJB)のアディブ・アズハリ・ダウド市長(60)が10日、収賄容疑でマレーシア汚職摘発委員会(MACC)に逮捕された。ジョホール州で市長が収賄で逮捕されるのはこれが初めて。
アディブ容疑者が同じジョホール州南部のイスカンダル・プテリ市(MBIP)の市長を務めていた2019年11月以前に、公共工事を受注していた複数の業者から口利き料を受け取っていた容疑がもたれている。業者名や収賄額などの詳細については明らかにされていない。
アディブ容疑者は、2019年11月にMBIPの市長からMBJBの市長に転じている。マレーシアでは市長は公選で選ばれず、州政府が任命することになっている。任期は3年で概ね州の上級公務員が任命される。
(マレー・メイル、ザ・スター、8月10日)

外国人妻がワクチン接種拒否に遭うケースが発生

【ムアル】 マレーシア華人と結婚してマレーシア在住10年になる中国籍の女性が、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種予約をとっていたにも関わらず、当日になって接種センターで接種を拒否される事件がジョホール州ムアルであった。

張莎莎さん(32)は4月30日に情報・追跡アプリ「MySejahtera」を通じてワクチン接種登録を行ない、1回目の接種の場所及び時間の通知が届いた。

接種場所はムアルの公会堂に仮設された接種センターだったが、指定日時の8月1日に行ってみると外国籍なので接種できないと告げられた。

いったんは引き下がった張さんだが、納得がいかず結婚証明書を持って再び接種センターに出向いて接種を希望したが、1日から開始された新たな規則で外国人は接種できないことになったと言われ、システム上にも記録がないと言われ門前払いされてしまったという

張さんから陳情を受けた地元選出の民主行動党(DAP)のン・ヤックホー州議会議員によると、マレーシア人と結婚したあるベトナム籍女性からも同様に接種を拒否されたとの訴えを受けており、接種センターに尋ねたところ結婚証明書があれば接種できると言われた。張さんの件については拒否の理由について回答はなかったという。

(東方日報、8月1日)

公立病院の契約医が抗議デモ&ストライキ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の下で長期にわたって契約医の待遇で留め置かれていた医師らが26日、呼び掛けに応じて各地の公立病院や新型コロナウイルス「Covid-19」接種センターで抗議のストライキを行なった。
新型コロナ感染者が拡大する中のストということで医療サービスへの影響が懸念されていたが、いずれも警戒に当たっていた警官隊などに解散を命じられて短時間で職場に戻ったため、医療現場を含めて大きな混乱はなかったもよう。
クアラルンプール(KL)病院では約50人ほどが午前11時になると揃って病院外に出て抗議の声をあげた。セルダンのマレーシア農業博覧会パーク(MAEPS)の接種センターでも、抗議活動が行なわれた。
マラッカ総合病院では50人が集まったが抗議のプラカードを掲げてシュプレヒコールをあげた後、12分ほどで解散した。ペナン中央病院では100人ほどいる契約医のうち、夜勤明けや休日だった20人ほどが参加。院内をデモ行進した後で解散した。
マレーシアの医学部卒業生は公立病院での5年の勤務を経ないと民間の医療機関で勤務できないことになっているが、医師が余っていると考えた政府は常勤医の採用を減らすため、2016年に公立病院における医師の契約雇用制度を開始した。
契約医らはそのうちに常勤医として採用されると期待をもって劣悪な待遇下で働いていたが、その後も常勤医に採用されることなく契約医のままに留め置かれる状態が続いたため、契約医の代表が抗議のストライキを全国の契約医に呼び掛けた。ムヒディン・ヤシン首相は契約期間の2年延長を含む待遇改善策を提示したが、契約医らは「中途半端な妥協策」として拒否。ストライキ決行を宣言していた。