改造自転車の8人死亡事故、乗用車運転手に無罪判決

【ジョホールバル=マレーシアBIZナビ】 ジョホールバルで改造自転車でレースを行っていた少年グループに車が突っ込み8人が死亡した交通事故の裁判で、治安判事裁判所は10日、事故を起こした26歳の女性ドライバーに対し無罪判決を下した。
無罪判決を受けたのはサム・ケティン被告で、2017年2月17日午前3時ごろ、ジョホールバルの幹線道路を乗用車で走行中、道路上にたむろしてた「バシカル・ラジャク」と呼ばれる改造自転車レースを行っていた少年の一群に突っ込み、8人が死亡し危険運転の罪で起訴された。
治安判事裁判所は2019年10月、「バシカル・ラジャク」のグループがそのような時間帯にそうした活動を行っていたことを知らなかったこと、法定速度内だったこと、運転中の携帯電話使用などがなかったことなどを理由にサム被告側に瑕疵がないと判断。無罪を宣告した。検察側は控訴し、高裁は2020年2月に判決の差し戻しを命じていた。

ランカウイ「トラベルバブル」で陽性者149人

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、9月16日にランカウイを対象に「トラベル・バブル」の試験運用が開始されて以来、ランカウイ訪問者の中から新型コロナウイルス「Covid-19」陽性者149人が確認されたと明らかにした。
ランカウイに向かう旅行者、合計4万458人を対象にスクリーニング検査が2週間実施され、186人が濃厚接触者と認定された。国内空港7カ所で検査を受けたのは3万4,038人、クアラペルリス及びクアラケダのフェリーターミナルで検査を受けたのが6,420人で、残りは事前に自分でRT-PCR検査を受けた。
9月26日に「トラベル・バブル」初の感染者と認定された3歳児はクアラルンプール新国際空港第2ターミナル(KLIA2)から両親とともに空路でランカウイに向かっていたもので、両親はワクチン接種済みの陰性で、3歳児は無症状だった。
一方、10月1日にランカウイの人気リゾートホテルで発生したクラスターでは、ワクチン接種済みの従業員59人から陽性反応が出たためホテルは一時閉鎖された。ケダ州のオスマン・ワリジョ保健局長によると、旅行者経由ではなく地元コミュニティ経由で感染したとみられる。いずれも無症状もしくは症状が軽いという。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月4日)

ランカウイでトラベルバブル開始、出発前に5人が陽性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイを対象にした「トラベル・バブル」の試験運用が、16日から開始された。直前になって旅行者に対する新型コロナウイルス「Covid-19」のスクリーニングが義務づけられるドタバタ騒ぎがあったが、結果的にこれで合計5人の陽性者の旅行が水際で阻止されることになり、まずは無難な船出となった。
カイリー・ジャマルディン保健相は、前日の15日になって出発前に新型コロナのスクリーニングを受ける必要があると発表した。スクリーニング対象は7歳以上で、6歳以下は唾液の分泌量を考慮して問診のみとする。検査はRT-PCR、RTK-抗原検査いずれでも可能で、出発の48時間以内に実施する必要がある。セルフ検査キットを出発地の空港やフェリー乗り場にある検査場に持ち込んで検査することもできる。陽性が発覚した場合は旅行することはできない。
16日の初日にはランカウイに入るために2,546人が出発地の空港やフェリー乗り場でチェックを受けたが、スバン空港で3人、クアラルンプール新国際空港(KLIA)とペナン国際空港で1人ずつ陽性者が確認された。5人はいずれも無症状で、10日間の自宅隔離が命じられた。事前にRT-PCR検査を受けていたのはわずか6人で、残りはすべて空港やフェリーターミナルでRT-PCR検査を受けたという。

ワクチン接種証明書、偽造や不正発行問題が浮上

【ペタリンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」のワクチン接種が進む中、偽造された「デジタル証明書」をワクチン接種をしていない人が1,000リンギで買い求めるといった不正発行問題が浮上している。デジタル証明書の偽造や不正に関する情報がソーシャルメディアで発信されていたことを受け、警察は捜査に乗り出している。
マレーシア民間医療従事者協会のスティーブン・チョウ会長によると、ワクチン接種を終えた人への規制の緩和が行われていることや、ワクチン接種に反対する人、接種できない状況にある人、未接種でありながら急な旅行が必要な人などから、民間のクリニックや開業医に対して、デジタル証明書の偽造依頼や1,000リンギで証明書を購入したいという問い合わせが入っている
プロテクトヘルス・コーポレーション社のアナス・アラム・ファイズリ最高経営責任者(CEO)は、ワクチン接種に反対する人の中には、ワクチン接種センター(PPV)に足を運び証明だけをもらい、接種前になって袖を捲り上げ肩を出すことを拒否する人もいたと言明。そのため証明書の発行プロセスが見直されたと明らかにした。
またマレーシア医療従事者連合協会のラジ・クマル会長は、ワクチンを打ちたくないが、証明書だけを発行して欲しいという問い合わせが増加していると説明。デジタル証明書が偽造されたり、盗難されないためにもソーシャルメディアなどに共有しないように呼びかけた。
(ザ・スター、8月25日)

ジョホールバル市長、収賄容疑で逮捕

【ジョホールバル】 ジョホール州ジョホールバル市(MBJB)のアディブ・アズハリ・ダウド市長(60)が10日、収賄容疑でマレーシア汚職摘発委員会(MACC)に逮捕された。ジョホール州で市長が収賄で逮捕されるのはこれが初めて。
アディブ容疑者が同じジョホール州南部のイスカンダル・プテリ市(MBIP)の市長を務めていた2019年11月以前に、公共工事を受注していた複数の業者から口利き料を受け取っていた容疑がもたれている。業者名や収賄額などの詳細については明らかにされていない。
アディブ容疑者は、2019年11月にMBIPの市長からMBJBの市長に転じている。マレーシアでは市長は公選で選ばれず、州政府が任命することになっている。任期は3年で概ね州の上級公務員が任命される。
(マレー・メイル、ザ・スター、8月10日)

外国人妻がワクチン接種拒否に遭うケースが発生

【ムアル】 マレーシア華人と結婚してマレーシア在住10年になる中国籍の女性が、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種予約をとっていたにも関わらず、当日になって接種センターで接種を拒否される事件がジョホール州ムアルであった。

張莎莎さん(32)は4月30日に情報・追跡アプリ「MySejahtera」を通じてワクチン接種登録を行ない、1回目の接種の場所及び時間の通知が届いた。

接種場所はムアルの公会堂に仮設された接種センターだったが、指定日時の8月1日に行ってみると外国籍なので接種できないと告げられた。

いったんは引き下がった張さんだが、納得がいかず結婚証明書を持って再び接種センターに出向いて接種を希望したが、1日から開始された新たな規則で外国人は接種できないことになったと言われ、システム上にも記録がないと言われ門前払いされてしまったという

張さんから陳情を受けた地元選出の民主行動党(DAP)のン・ヤックホー州議会議員によると、マレーシア人と結婚したあるベトナム籍女性からも同様に接種を拒否されたとの訴えを受けており、接種センターに尋ねたところ結婚証明書があれば接種できると言われた。張さんの件については拒否の理由について回答はなかったという。

(東方日報、8月1日)

公立病院の契約医が抗議デモ&ストライキ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の下で長期にわたって契約医の待遇で留め置かれていた医師らが26日、呼び掛けに応じて各地の公立病院や新型コロナウイルス「Covid-19」接種センターで抗議のストライキを行なった。
新型コロナ感染者が拡大する中のストということで医療サービスへの影響が懸念されていたが、いずれも警戒に当たっていた警官隊などに解散を命じられて短時間で職場に戻ったため、医療現場を含めて大きな混乱はなかったもよう。
クアラルンプール(KL)病院では約50人ほどが午前11時になると揃って病院外に出て抗議の声をあげた。セルダンのマレーシア農業博覧会パーク(MAEPS)の接種センターでも、抗議活動が行なわれた。
マラッカ総合病院では50人が集まったが抗議のプラカードを掲げてシュプレヒコールをあげた後、12分ほどで解散した。ペナン中央病院では100人ほどいる契約医のうち、夜勤明けや休日だった20人ほどが参加。院内をデモ行進した後で解散した。
マレーシアの医学部卒業生は公立病院での5年の勤務を経ないと民間の医療機関で勤務できないことになっているが、医師が余っていると考えた政府は常勤医の採用を減らすため、2016年に公立病院における医師の契約雇用制度を開始した。
契約医らはそのうちに常勤医として採用されると期待をもって劣悪な待遇下で働いていたが、その後も常勤医に採用されることなく契約医のままに留め置かれる状態が続いたため、契約医の代表が抗議のストライキを全国の契約医に呼び掛けた。ムヒディン・ヤシン首相は契約期間の2年延長を含む待遇改善策を提示したが、契約医らは「中途半端な妥協策」として拒否。ストライキ決行を宣言していた。

ワクチン巡り”フェイク接種”&”過小投与”疑惑が次々浮上

新型コロナウイルス「Covid-19」対策の切り札であるワクチン接種が加速化しており、政府は成人全員への接種目標を10月末に切り上げている。一方では根強い不信感をもって接種を拒否する人も少なくない。最近ではこうしたワクチン不信を助長するかのような、決してあってはならない接種を巡る不正問題が浮上している。

7月9日には、セランゴール州バンティンに仮設されたワクチン接種センター(PPV)で6日に接種を受けた40歳の男性が「中身が入っていない注射器で注射をする振りをされた」と警察に被害届を出した。

男性は自身の接種の様子を動画撮影していたが、それを確認して「フェイク」だと悟り、苦情を言いに行ったところ逆に怒鳴りつけられた。男性が動画をみせたところ幹部職員は絶句していたという。

7月17日にはクアラルンプール(KL)のブキ・ジャリル国立競技場に仮設された接種センターで接種を受けた33歳の男性が警察に被害届を提出した。男性によると、接種ブースで接種コードをスマホでスキャンしてから接種が終わるまで20秒もかからなかった。接種前に注射器を見せることもしなかったという。確かに針が腕に刺さるのは感じたが、注射器のピストンは動かなかった。このため男性が他の職員に注意を促したところ、返ってきた答えは「それが普通」というものだったので二度驚いたとしている。

「フェイク接種」が言いがかりや誤解でない証拠に、ワクチン接種タスクフォース(CITF)は、ケダ州スンガイ・プタニ空軍基地に設置された接種センター(PPV)における「フェイク接種」に関与したとして、先ごろ職員に懲戒処分を行なったことを明らかにした。ソーシャルメディアで出回っている画像には、職員が中身の入っていない注射器を女性の腕に刺す様子が映っていた。

一方、KL世界貿易センター(WTCKL)に設置されたPPVでは、アストラゼネカ製ワクチンの「過小投与」の疑惑が持ち上がり、保健省が調査に乗り出した。ファイザー製は1回の投薬量が0.3ミリリットルだが、アストラゼネカとシノバックは0.5ミリリットルと異なっており、不正でなく職員の人為的ミスである可能性もあるという。

接種に関する不正問題が浮上する中、アダム・ババ保健相はトラブルを防止のために、職員は接種前に注射器を被接種者にきちんと見せるべきであるとした上で、被接種者も疑問に思ったら職員に注射器を見せて欲しいと頼んで構わないと述べている。

(マレーシアBIZナビ編集部)

スカート姿で危うく入場拒否!ペナンの接種センターで

【ジョージタウン】 新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種センターになっているペナン州ジョージタウンのコンプレックス・マシャラカット・ペニャヤン(KMP)で、膝丈のスカートを着用していった華人女性が入場拒否されそうになる出来事があった。

入場拒否されそうになった女性の友人がツイッター上で明らかにしたところによると、入場しようとしたところで警備員に止められた。女性のスカートはミニではなかったが、別の警備員が仲裁に入ったためようやく入場できたという。

同ワクチン接種センターにはイラスト付きの服装規定が入り口に掲げられており、Tシャツや短パン、ミニスカートはもちろん、ジーンズやサンダルも禁止とされている。女性の短パンやミニスカートはともかく、Tシャツやジーンズまで禁止されていることには疑問の声が殺到。同じペナン州でもバヤン・バルの接種センターではTシャツと短パンでも問題なく入場できており、二重規範ではないかとの批判の声が上がっている。

(星州日報、光明日報、7月18日)

”白旗キャンペーン”が各地で拡大、支援の遅れを反映

新型コロナウイルス「Covid-19」の影響が長期化し、職を失うなどして生活に困窮する人々が増加している中、助けを必要としている人がそれとなく隣人に気付いてもらうようにするために門や玄関に白旗を掲げることを奨励する「白旗キャンペーン」が各地で広がりをみせている。

「白旗キャンペーン」は6月28日にフェイスブック上にグループが立ち上げられ、1日で2,000人以上が参加した。支援を求めている人に対しては「物乞いをしたり、恥ずかしい思いをする必要はありません。ただ白旗を掲げるだけです」と呼び掛けている。

従来型の食糧配給のような政治的・宗教的、組織的なアピール目的の支援でなく、民族や宗教の枠を越えて個人が自分の出来る範囲で困っている隣人を支援しようという点がユニークで、多くの有名人なども賛意を示している。

政府は昨年3月のパンデミック拡大以来、これまでに8回にわたる支援策を発表。特に貧困層を意識して一時金や食糧の直接支援などが盛り込まれたが、支援は遅れがちだ。保健省には今年1月以降に12万2千件ものメンタル相談が寄せられた。1—3月の自殺者数は336件に達している。

政府の支援がアテにできない中、国民同士で助け合おうということで始まった善意のキャンペーンだが、頭越しでこうしたことが行なわれることが自分たちが無能だと言われていると感じたのか、不快感を表明する政治家、宗教指導者などは少なからず出ている。

与党連合・国民同盟(PN)構成党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)幹部からは「敗北を認めるもの」とキャンペーンを批判、代わりにアッラーに祈るよう求める発言が出た。

これはさすがに弱者の気持ちが分からない、空気が読めない発言であり、早速「政府の非効率性と失敗を隠蔽するために祈りとか宗教を持ち出すな」、「あなたが支援するというのなら支援しろ。しないのなら黙っていろ」などと批判が殺到した。

PAS所属のケダ州のムハンマド・サヌシ首相は、政策の失敗を強調するためのに行なわれている政治的宣伝だと主張キャンペーンに参加して白旗を掲げている人には公的支援を行なわないと言い放った。同氏の発言には批判の声が殺到しており、マハティール•モハマド前首相までも批判に加わっている。

またキャンペーンに賛同する意向を示した与党政治家も批判の的になっている。キャンペーンを指示する発言を行なったズライダ・カマルディン住宅地方自治相には「あなたがきちんと仕事をしていればこんなキャンペーンは必要なかった」、「それなのに臆面もなくキャンペーンに便乗しているのは恥ずべき」といった批判の声が上がっている。

政治的圧力なのか、地域によっては住民が白旗を掲げることを警察が取り締まる騒ぎまで起きている。

(マレーシアBIZナビ編集部)