クルマの「修理サギ」、親切装い多額の修理費要求

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日系自動車サービス会社、タイガー商事は、最近クアラルンプール(KL)首都圏で、親切を装った「修理サギ」の被害が増えているとして注意を呼び掛けている。

まず、走行しているとバイクの男が寄ってきて前輪付近を指差して問題が発生していると知らせる。運転手が様子をみるために車を止めると、別のバイクに乗った男が来てブレーキの故障だといい、ボンネットを開けてみろという。

男は何やら調べてみる素振りを見せた後、ブレーキを踏んでみろという。言われた通りに踏んでみるとブレーキは手応えがない状態となっており、相手は「このまま走っていたら大事故になるところだった。丁度部品を持っているので直してやろう」と修理を買って出る。これに応じると、後で法外な修理代を要求されるという寸法だ。

種明かしをすれば、男はボンネットを開けた時に素早くブレーキオイルのバルブを閉じてブレーキが効かないようにしているだけだが、機械に詳しくないドライバーは引っかかってしまうという。犯行場所には人気のない場所を選んでおり、何をされるか分からないという恐怖心から拒否できずに言いなりになってお金を払ってしまうらしい。

入札情報違法入手の汚職事件明るみに、政府職員を逮捕

【クアラルンプール】マレーシア汚職摘発委員会(MACC)は、公共事業入札の情報が漏洩していた汚職事件にからみ5日夜、政府機関の上級職員(38)を収賄容疑で逮捕した。
消息筋によると、この職員は数量明細書(建築に必要なすべての作業・材料を記した文書)の準備にかかわっており、情報を違法に「入札カルテル」に漏らし、120万リンギの報酬を得ていたという。
MACCは4日夜「入札カルテル」を捜査し、首謀を含む7人を逮捕した。消息筋によると、同カルテルは2014年から活動しており、名前の異なる会社を150社設立し、名前ばかりの取締役を雇用し、名義代として報酬を支払っていた。
同カルテルは入札を実施する側の内部関係者から、仕様、応札額の上限、応札資格などの情報を入手し、落札できるよう仕組んでいた。これまでに354件、38億リンギ相当の公共事業を落札したという。
今後、逮捕者は増える見通しだ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月7日、ベルナマ通信、4月5日)

トップグローブで強制労働、米税関が認定し制裁発動

【クアラルンプール】米税関・国境警備局(CBP)はゴム手袋世界最大手、マレーシアのトップ・グローブで一部の商品が受刑者、強制労働、借金による束縛の労働で生産されていたと認定。港湾当局に対し同社製ゴム手袋の押収を指示した。
この種の労働により作られた製品の米国への輸入を禁止した関税法に基づく措置だ。CBPは高官名の声明で、米国市民に低価格で売るための、労働者の搾取をCBPは許容しないとした。
トップ・グローブの工場で働く従業員のほとんどは外国からの出稼ぎ労働者。英国の放送局が労働者の劣悪な労働環境を報じていた。
CBP昨年7月、トップ・グローブでは強制労働の存在が疑われるとし、米港湾で同社の貨物を保留する命令を出していた。
この後、数カ月にわたり調査を行い、手袋生産で強制労働があったと信じるに足る十分な情報を得たという。
(エッジ、3月30日)

 

スエズ運河コンテナ船座礁、マレーシアへの貨物到着に多少影響

【クアラルンプール】アジアと欧州を結ぶ海上交通の要衝エジプトのスエズ運河で、愛媛県の正栄汽船が所有し、台湾の長栄集団(エバーグリーン)が運航する世界最大級のコンテナ船「エバーギブン」(パナマ船籍)が座礁し、航路がふさがれた。足止めされている船は300隻以上にのぼっている。
ポートクラン港湾局のスブラマニアム総括管理者によれば、マレーシアと欧州、地中海の間を航行する船舶は両方向1日1ー2隻で、運河が再開されれば2ー3隻が同時にクラン港やジョホール州のタンジョン・プルパス港(PTP)に到着する可能性がある。しかし両港とも処理能力に余裕があるため、混乱は生じない見通しだという。
コンテナ船情報を提供するシーインテリジェンス・コンサルティングのジェンセン最高経営責任者(CEO)によれば、座礁でコンテナのアジアへの輸送が影響を受けるため、空コンテナ不足が深刻になる恐れがある。
(マレーシアン・リザーブ、3月26日)

SOP違反の罰則を緩和、軽微な初犯は1,500リンギに

【クアラルンプール】 標準的運用手順(SOP)違反の罰則が強化されたことに国民から不満の声が出ていることを受け、タキユディン・ハサン首相府相(法務担当)は17日、違反行為を3つに分類し、1万リンギの最高額違反キップは重大な違反行為のみに限定すると言明した。
タキユディン氏によると、違反行為は第1のカテゴリー(感染リスクが高く、コミュニティに大きな影響を与える違反行為)、第2のカテゴリー(感染リスクが高いが、コミュニティへの影響はそれほど大きくない違反行為 )、第3のカテゴリー(感染リスクが低く、コミュニティへの影響がない違反行為)に分類する。
また公共の場所におけるマスク非着用や「MySejahtera」アプリもしくは備え付けの記録簿に記入しなかった場合、初犯であれば罰金額は1,500リンギに固定する。さらに1週間以内に罰金を納付する場合は50%引き、8—14日内の納付は25%引きとする。
(マレー・メイル、3月17日)

異教徒による「アラー」の使用禁止通達の無効化判決、政府が控訴

【クアラルンプール】高等裁判所が、非イスラム教が神を「アラー」と表現するのを禁止した政府通達は無効との判断を示したことについて、政府は控訴裁判所に控訴した
高裁のノル・ビー裁判官は、マレー語を話すキリスト教徒、特にサバ州、サラワク州に住むキリスト教徒は数世代にわたり神を「アラー」と表現してきたとした。
高裁に提訴したのはサラワク州メラナウ族の女性、ジル・アイアランド氏で、「アラー」との表現が含まれたCDを所持していたところ、セパンの格安航空ターミナルで内務省職員に没収された。
その後、1986年の閣議決定を根拠に、アラー、カーバなど4つのイスラム教に重要な言葉の異教徒による使用を禁じた通達が出されたが、通達の署名者が大臣ではなく内務省職員であったことから、ノル裁判官は通達は無効との判断を示した。
マレーシアではこれまでにも、異教徒による「アラー」の使用をめぐり裁判が起こされた。
(エッジ、3月15日)

コロナ新常態、マレーシアでは体重減が体重増上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」で自宅で過ごす時間が多くなったことで多くの国で肥満が増加しているが、肥満率が高いことで知られるマレーシアでは反対に体重が減る傾向が高いことが市場調査会社・仏イプソスの調査で分かった。

世界平均では体重が増えたとの回答が31%で、増加体重の平均は6.1キログラム、「体重が減った」は20%にとどまった。しかしマレーシアでは「増えた」との回答は19%にとどまり、増加体重の平均も4.8キログラムにとどまった。また「減った」は36%と世界平均を大きく下回った。

「新常態」における日常のルーティンについては、世界平均では「運動を増やした」が27%にとどまったのに対してマレーシアでは36%とより活動的になったことが分かった。

減量を行ないたいとの回答は世界平均が43%、マレーシアは45%と大きな差はなかったが、方法に関して「砂糖入り飲料を控える」が世界平均が44%だったのに対し、マレーシアは64%と高かった。「ダイエット」や「運動」も世界平均よりマレーシアの方が高かった。

「世界人口レビュー2019」によると、東南アジアの成人の肥満率はマレーシアが15.6%と最も高く、ブルネイ(14.1%)、タイ(10.0%)、インドネシア(6.9%)と続いた。マレーシアの調査でもマレーシア人の肥満と過体重を合計すると50.1%に達した。

制限令違反の罰金上限引き上げ、3月11日より1万リンギに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 行動制限令(MCO)違反者に対する罰金の上限が、3月11日より1万リンギに引き上げられることが分かった。連邦政府が2月25日に官報掲載した。
罰則強化は「2021年緊急事態(感染症予防と管理)命令」改正に基づくもので、1,000リンギ以下となっていた個人の罰則について改正第25条では、十倍の1万リンギ以下に引き上げられた。
また新たに法人の違反における経営責任を問う内容が第22条(A)に盛り込まれ、最高責任者、取締役、マネジャー、秘書、その他の管理責任者に対する責任を問うことになった。改正第25条では個人と法人の罰則が区別して盛り込まれており、違反企業の罰金は個人の5倍の5万リンギ以下となっている。
また一般の罰則に関する改正第24条では、罰則が明確に示されていない法律違反に関する罰則が罰金10万リンギ以下、あるいは禁固7年以下とする内容が盛り込まれた。
また第15条には、当局が感染した人あるいは可能性が高い人に対して追跡装置(リストバンドなど)の装着を命じることができる旨が盛り込まれた第15条(A)が追加され、追跡装置を破損(リストバンド除去など)や改竄について違反を問うことができるようになっている。

ナジブ元首相夫人の太陽光汚職事件、公判維持が決定

クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ナジブ ラザク元首相の夫人であるロスマー・マンソル氏(69)に対する太陽光発電設備設置事業に絡む汚職裁判の公判維持が決まった。クアラルンプール(KL)高等裁判所は18日、検察側が提出した3件の起訴内容を妥当だと認め、ロスマー被告に反証を命じた。
被告側の反証は6月9日から7月15日にかけて延べ9日間にわたっておこなわれる。ロスマー被告側はロスマー被告自ら証言台に立って証言するほか、5、6人の被告側証人を召喚する方針。法廷には1MDB汚職事件で訴追されている夫のナジブ被告も顔をみせた。
ロスマー被告は、サラワク州の学校369カ所で実施されることになった太陽光発電設備設置プロジェクト(総額12.5億リンギ)の入札に関して、2016年1—4月にかけてジェパク・ホールディングスの受注を保証する見返りとして1億8,750万リンギの賄賂を同社社長に要求。2016年12月に500万リンギ、2017年9月に150万リンギをそれぞれ受け取った罪に問われている。3件ともに有罪となれば禁固20年以下及び収賄額の5倍の罰金が科される。
ロスマー被告はこのほか、1MDB汚職事件に関する資金洗浄や収賄罪でも訴追されている。

標準的運用手順に違反、建設現場15カ所に業務停止命令

【クアラルンプール】建設業開発局(CIDB)は行動制限令(MCO)の標準的運用手順(SOP)に違反した建設現場15カ所に業務停止を命じた。
ファディラ・ユソフ上級相(公共事業相)の発表によると、1月13日にMCOが再導入されて以降、1,022の建設現場を立ち入り検査し、15カ所で違反を確認したという。
住環境、相手との物理的距離、マスク着用で違反があった。ファディラ氏によると、建設業における陽性反応者の過半はSOPに違反していることが分かっており、汚い宿舎、過密が原因だ。建設会社にはSOP厳守が求められるという。
パンデミック第三波の昨年9月20日から今年2月12日までの期間に852カ所のクラスター(集団感染)が発生しており、うち527カ所が職場クラスターだ。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、2月15日)