ECサイトのJD.com、マレーシアのハラルパビリオン開設

【北京】 HYTクロス・ボーダーは、中国の京東商城が運営する電子商取引サイトのJD.comにマレーシア・ハラル(イスラム法に準拠した)パビリオンを開設した。中国市場向けハラル商品のオンラインパビリオンは初めて。導入式に出席したノルマン・ムハマド在中国マレーシア大使は、マレーシアの中小零細企業はJD.comを通じ中国の消費者と直接つながることができ、増大するハラル商品需要を満たすことになるとあいさつした。

ノルマン・ムハマド氏によれば、マレーシアの商品はJD.comのプラットフォームで販売上位5位以内に入っており、マレーシア産ハラル商品の潜在性を示すものだという。マレーシア政府としてマレーシア展示館ではハラル商品だけでなく、包装材、製造原料、電気製品なども商品リストに加える意向だ。

HYTのダニー・タン代表によれば、食品、化粧品、スキンケア商品を中心に380-400種のハラル商品を掲載する計画で、初年度の商品販売額は500万リンギを見込んでいる。

JD.comは中国2位の電子商取引サイトで、ユーザーは10億人を超える。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月20日、エッジ、マレーシアン・リザーブ、11月19日)

 

スターバックスマレーシア、ボイコットで50店が閉店

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・フードが運営しているスターバックス・マレーシアが、パレスチナ支持派・反イスラエル派によるボイコット運動の影響で売上減が続いており、これまで50店舗が閉鎖に追い込まれた。

スターバックスはマレーシアにおいて公式ブラックリストに載っていないにもかかわらず、イスラエルや米国と関係があるとの誤解によって引き起こされているという。ベルジャヤ・フードはフランチャイズ権を有するものの純然たるマレーシア企業であり、国内で5,000人以上を雇用している。

状況は悪化を続けており、他のカフェ・チェーンとの熾烈な競争も重なって全国408店舗のうち50店舗が一時閉店した。閉店率は12%に上り、前四半期の閉店率6%の2倍となっている。

ベルジャヤ・フードの今年度第1四半期(2024年7―9月期)は売上が55.4%減の1億2,419万リンギにとどまり、税引き前損失が3,182万リンギとなり、赤字は4四半期連続となった。前年通年(2023年7月―2024年6月)の売上は52.0%減の1億3,057万リンギで、税引き前損失は4,269万リンギに上った。

ベルジャヤ・フードはパリ・バゲットなどの他のブランドを拡大することで多様化を図ろうとしているが、メイバンク・インベストメント・バンクは、ベルジャヤ・フードの損失が年末までに6,500万リンギに達する可能性があり、向こう2年間の利益予想は最大15%下方修正される可能性があると予測している。
(ビジネス・トゥデー、ラクヤットポスト、11月18日)

MRT3号線着工は2027年になる見込み

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)環状線(3号線)の建設プロジェクトは用地買収手続きに時間がかかるため、着工は2027年になる可能性が出てきた。開発の推進母体であるMRTコープのザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)の話として国営ベルナマ通信が伝えた。

現在進められている公共検査が12月2日まで行われる予定で、その後、路線を確定し土地取得プロセスを開始する流れとなるという。用地買収手続きには最長で24カ月かかる見通しで、予定期間は2026年まで延長されるとみられる。

計画案によると、MRT環状線の全長は51キロメートル(km)で、地上部分が39km、地下部分が12km 、合計32の駅が設置される。うち10駅で既存のMRT、軽便鉄道(LRT)、マレーシア国鉄(KTMB)、KLモノレール駅と接続する。32駅のうち25駅が高架駅で、7駅が地下駅となる。

輸送能力は内回りと外回りでそれぞれ1時間当たり2万5,000人。各列車の乗車定員は750人で、73分で一周する。ピーク時には4分間隔、オフピーク時には7分間隔で運行される。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月18日)

ユーロ5基準のガソリンを来年9月導入=天然資源相

【クアラルンプール】 EU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ5」に対応したガソリンが来年9月までに導入される。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が、ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相の13日の講演での発言として報じた。2027年までに完全に切り替えられるという。

導入は、2015年の環境品質規制に基づくもの。ディーゼル燃料については、すでに2021年に導入済みだが、レギュラーガソリンRON95とハイオクガソリンRON97については2025年9月を目標としてきた。ユーロ5基準のガソリンは、現在の基準と比較して硫黄含有量が少なく、大気汚染を大幅に削減すると期待されている。

ニック・ナズミ大臣は「ユーロ5ガソリンの導入は持続可能な社会に向けた解決策。業界関係者と緊密に協力し、スムーズな移行を促進していきたい」と語った。
(ポールタン、マレー・メイル、11月14日)

クリムハイテクパーク、2期開発で面積倍増を計画

【クアラルンプール】 1996年にマレーシア初のハイテクパークとして開設されたケダ州クリム・ハイテクパーク(KHTP)で2期開発として、現在の総面積5,557エーカーを、1万2,000エーカーに倍増させる計画が進められている。

1期では、これまでに工業用地2,161エーカーが4つのフェーズに分け開発され、半導体大手の米インテルを皮切りに、すべて入居済みだ。現在は4Aフェーズとして247エーカー、10区画の整備工事が進められている。この用地も2025年までには埋まる見込みで、早ければ2026年には稼働するとみられる。

KHTPはケダ州開発公社の完全子会社クリム・テクノロジー・パーク(KTPC)が開発・運営を担当。工業用地以外に、レクリエーションや研究開発、トレーニングなどの施設や、住宅、公共機関などの用地も備える。

1996年の開設当初は、年数社程度の投資しかなかったが、2021年の投資額は655億リンギを記録するなど近年は好調を維持。投資額(認可ベース)は2022年が108億リンギ、2023年201億リンギ、2024年上半期は303億リンギに達している。

2期開発はこうした状況を受けたもので、2016年には州政府が2,800ヘクタール(7,000エーカー)の土地を特定したと報じられた。経済紙「エッジ」は今年3月、アブラヤシ農園事業を手掛けるブーステッド・プランテーションズが、総額4億リンギで1,200エーカーの土地の売却交渉を進めていると報じた。

拡張計画についてKTPCのモハマド・サヒル最高経営責任者(CEO)は、「詳細はまだ明らかにできないが、KHTP隣接エリアに限らず、拡張に向けて複数の場所を検討中」と述べるにとどまった。課題となる資金調達については、アンワル・イブラヒム首相が2025年度予算で、KHTP拡張への資金割り当てを提案している。
(エッジ、11月13日)

年初10カ月のベストセラー車はプロドゥア「ベザ」

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ)の最新登録データによると、2024年年初10カ月で最も売れている車種は、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の「ベザ」(販売台数:8万1,946台)となった。自動車情報サイト、ポールタンによると配車サービス用として人気があるという。

トップ10車種のうち半数の5車種をプロドゥアが占めた。「ベザ」以外では、「アジア」(7万3,185台)、「マイヴィ」(5万9,736台)が2、3位に入り、「アルザ」(3万5,841台)が5位、「アティバ」(3万355台)が6位に入った。

プロトン・ホールディングスは「サガ」(5万8,455台)の4位が最高で、パートナーである中国・吉利汽車のリバッジモデルは「X50」(1万8,513台)の10位が最高で、「X70」などはランク外だった。

非国産車ではトヨタ「ヴィオス」(2万2,905台)が7位となり、非国産車でトップ。「ハイラックス」(1万9,917台)は9位(非国産車3位)に入った。ホンダは「シティ」(2万2,757台、ハッチバック含む)が8位(非国産車2位)に入った。

非国産車では11位までを日本車が占め、12位にようやく中国・奇瑞汽車(チェリー)の「欧萌達(オモダ)5」(6,784台)が入った。

政府が力を入れている電気自動車(EV)だが、年初10カ月の販売台数は1万7,403台。中国BYD(比亜迪汽車)の「アット3」(2,559台)がトップで、同社の「シール」(2,534台)も2位に入ったが、全体では20位にも入っていない。
(ポールタン、11月12日、ソヤチンチャウ、11月10日)

プロトン組立工場がエジプトに開設、アンワル首相が訪問

【カイロ】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスが、エジプト・カイロのギザに左ハンドル車組立工場を開設し、同国を公式訪問中のアンワル・イブラヒム首相が12日に行われた開所式に出席した。同工場を近隣諸国向け左ハンドル車の製造センターと位置づける。

12月からAセグメントセダン「サガ」の完全ノックダウン(CKD)生産を開始する。2026年までに左ハンドル車1万6,000台、価値にして5億7,000万リンギ相当を生産する予定。スペアパーツの販売でも2,000万リンギの売り上げを見込んでいる。
プロトンのサイド・ファイサル・アルバール会長は、「ギザの地域組立センターは同社の左ハンドルモデルにとって海外初のセンターとなる。中期的にはエジプトを北アフリカ地域の主要拠点にする予定だ」と述べた。

アンワル首相は「プロトンは単なる自動車会社ではなくマレーシアの誇りであり、国のアイデンティティの一部でもある」と言明。エジプト地元産業の発展にとっても極めて重要だと述べた。

アンワル首相は10日から4日間の日程でエジプトを訪問しており、モハマド・ハサン外相、テンク・ザフルル投資貿易産業相らが随行している。10日にはシシ大統領と会談し、同大統領にBRICS(ブリックス)の正式メンバー入りへの支援に感謝したほか、両国間の戦略的パートナーシップ強化に関して意見を交換した。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月12日)

宅配の香港系ララムーブ、配車サービスに参入

【クアラルンプール】 オンデマンド配送サービスの香港系ララムーブは、マレーシアで自社「ララムーブ」アプリを使った配車サービスに参入する。先ごろ同社のブログとソーシャルメディアで新サービス「ララムーブ・ライド」の開始を発表した。

「ララムーブ」アプリ上の「ライド(乗車)」をタップすると、配車サービスにアクセスできる。目的地と乗車場所・時間を入力する。支払いはアプリ内のウォレットまたは現金で行うことができる。予約が確定すると、乗車状況をリアルタイムで追跡できるようになる。操作手順や機能はグラブなどの競合他社とほぼ変わらないが、現時点ではサービスエリアは首都圏クランバレーに限定されている

配車サービスについては先ごろ欧州エストニア発祥の配車サービス「Bolt」が、首都圏での参入を発表していた。マレーシアでは現在34の配車サービスが営業登録を受けている。
(ザ・スター電子版、ローヤット・ドット・ネット、マレー・メイル、11月12日)

ペナン軽便鉄道、2025年初頭に着工予定=運輸相

【バターワース】 ペナンで計画されている軽便鉄道(LRT)ムティアラ線について、アンソニー・ローク運輸相は2025年初頭に工事開始予定だと明らかにした。いくつかの解決すべき問題について元請業者と協議を行っており、最終的に財務省の承認を得てから開始することになるという。

メディアが年内にも着工にもされると報じたことについてローク氏は、「必要なプロセスがすべて今年末までに完了することを期待する」と述べた上で、プロジェクトを州政府から連邦政府が受け継いだために新たな手続きが必要になったと指摘。「元請業者に変更はないが、ルートや計画に変更があり、詳細な費用計算、建設費に関してもすべて再協議して最終決定する必要があった」と着工が遅れている理由を説明した。

第1フェーズはペナン国際空港(PIA)からコムタ(ペナン州政府合同庁舎ビル)までの区間で、プロジェクト実施機関であるMRTコープと、元請業者のSRSコンソーシアムが詳細に向けて協議を行っている

第2フェーズは海峡を超えて本土側バターワースのペナン・セントラルまで接続する区間で、アンワル・イブラヒム首相の指示により実現した。

第1、2フェーズを合わせた全長は約29キロメートルで、2030年までの運行開始が予定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、11月11日)

首都圏の鉄道・バス乗り放題のMYツーリストパス発売

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは10日、首都圏クランバレーを訪れる国内外の観光客向けに、鉄道・バスが最大で3日間乗り放題になる「MYツーリストパス」を発売した。

乗り放題になるのは、軽便鉄道(LRT)、大量高速輸送(MRT)、モノレール、ラピッドKLバス、高速バス(BRT)、MRTフィーダーバス。ムルデカ広場周辺やペトロナス・ツインタワー、KLタワー、サンウェイ・ラグーンなど主要な文化・商業地区をなど巡りやすくなるだけでなく、それらの観光スポット、ショッピングセンター、飲食店で割引などの特典を受けることができる。

パスは1日、2日間、3日間の3種類があり、料金は外国人がそれぞれ40、60、80リンギ、マレーシア人はそれぞれ20、30、40リンギ。ただし12月9日まで特別キャンペーンとして外国人はそれぞれ35、50、65リンギ、マレーシア人は15、25、35リンギで購入できる。主要駅で販売される。

来年の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、続く2026年の「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)を意識した取り組みで、発売記念式典に出席したファディラ・ユソフ副首相は「このような取り組みを通じ、より多くの観光客がマレーシアに訪れるよう支援していきたい」と話した。
(ベルナマ通信、ポールタン、プラサラナ・マレーシア発表資料、11月10日)