携帯電話のUモバイルが大型IPOを計画=消息筋

【シンガポール】 携帯電話サービスのUモバイルが早ければ来年上半期にも新規株式公開(IPO)に乗り出す計画で、調達資金は5億米ドルを超す大型上場になるもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が伝えた。

それによると、今月中か来月にもIPOを監督当局に申請する見通しだという。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータに基づけば、韓国系ロッテ・ケミカル・タイタン・ホールディングスが2017年に行ったIPO(調達資金は8億7,900万米ドル)以来の調達額になる。

ロイター通信の取材に対しUモバイルは「憶測にはコメントしない。その種の事柄で具体的進展があれば、声明を発表する」と回答した。

Uモバイルは2006年に創業の、マレーシアで最も若い携帯電話サービス業者。株主には、著名実業家のビンセント・タン氏や、シンガポール国営投資会社テマセク・ホールディングスが保有するSTテレメディアが含まれる。

上半期実績で、マレーシアのIPO市場は東南アジア最大で、調達資金の総額は前年同期より約24%多い6億3,700万米ドルだった。

(ザ・スター、7月23日、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、7月22日)

政府借入金、今年は860億リンギへの縮小が目標=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、政府の財政引き締め策により2021、2022年には年間1,000億リンギあった政府の借入金が2023年には930億リンギへと減少傾向にあるとし、2024年については860億リンギに引き下げることを目指していると述べた。

22日に開催された2024年全国税務会議でスピーチしたアンワル首相は、債務削減を段階的に行うことは、開発努力を継続するために不可欠だと指摘。年間借入額の削減目標を達成するために、政府は慎重な支出を行い、無駄を避け、開発目的に必要な場合にのみ借入を行う必要があると述べた。

その上でアンワル首相は、「補助金合理化は、より広範囲にわたる包括的な取り組みであり、政府の年間債務の削減に役立つ」と強調。ただレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化に関しては、現時点で実施の予定はないとし、まずは6月に開始したディーゼル補助金の合理化について国民の理解を得ることに焦点を当てたいと述べた。

政府債務の対国内総生産(GDP)比率については現在の64%は適正範囲を超えているとの考えを強調。無責任な財政政策が続けばマレーシアは2024年第2四半期のGDP速報値である5.8%の成長率や現在の投資水準は達成できないだろうと述べた。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、7月22日)

エクソンモービル、マレーシア油田運営権をペトロナスに移転

【クアラルンプール】 石油メジャーの米系エクソンモービルは20日、マレーシアのすべての油田・ガス田の運営権を国営石油会社のペトロナスに移転すると発表した。ロイター通信は先に、消息筋の情報としてエクソンモービルはマレーシアで保有する石油・ガス資産をペトロナスに売却すると報じていた。

エクソンモービルは声明で「売却ではない。マレーシアにおけるほかの事業には影響しない」と言明した。エクソンモービルのマレーシア進出は130年前。ペトロナスと2つの生産分与協定を交わしており、トレンガヌ州沖の12の油田で35のプラットフォームを運営。ほかに10のプラットフォームの権益を保有している。マレーシアの原油・コンデンセート生産量の15%、マレーシア半島における天然ガス生産量の50%余りを占めている。

ロイターの報道に関しペトロナスは20日、上流部門子会社のペトロナス・チャリガリが運営移転についてエクソンモービルのマレーシア法人と協議を持っているとした。
(エッジ、7月21日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、7月20日)

KL国際モーターショー、12月5日―11日に開催

【クアラルンプール】 6年ぶりに開催されるクアラルンプール国際モーターショー(KLIMS2024)について、主催するマレーシア自動車協会(MAA)が16日に記者会見を開いて詳細を明らかにした。

開催日時は12月5日―11日で、会場はクアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)。10回目となる今回は「モビリティを超えて」をテーマに、持続可能性、電動化、自動運転に重点を置いてモビリティとイノベーションの未来を紹介する。

現時点で参加が確定している二輪・四輪車メーカーは、▽プロドゥア▽プロトン▽トヨタ▽ホンダ▽三菱▽日産▽マツダ▽カワサキ▽起亜▽長城汽車(GWM)▽MGモーター▽広州汽車集団(GACモーター)▽ステランティス▽テスラ――など。自動車用品などのメーカーも出展する。

大人の入場料金は週末25リンギ、平日20リンギ。MAAでは25万人の来場を見込んでいる。
(ポールタン、ザ・スター・カーシフ、7月16日、MAA発表資料)

電子インボイスに関する罰則、「正当な理由あれば柔軟に対応」

【クアラルンプール】 8月1日から年商1億リンギを超える大企業4,000社を対象に導入が義務化される電子インボイス第1期について、内国歳入庁(IRB)のアブ・タリク最高責任者(CEO)は、納税者に正当な理由があればケースバイケースで違反にも柔軟に対応するとし、「罰則を恐れる必要はない」と述べた。

電子インボイスの義務化に当たっては、要件を満たさない場合、1回当たり200―2万リンギの罰金、または6カ月以下の禁固刑、もしくはその両方が科せられる可能性があるため、財界から懸念の声が出ていた。

アブ・タリク氏は、「電子インボイス導入第1期では納税者側にミスが発生する可能性はあるが、これらのミスが必ずしも罰金につながるわけではない」と指摘。「事業者が問題に直面している場合、我々のチームに相談するよう勧める」 とした上で、「法律上、(罰則の)規定はあるが、正当な理由があれば、裁量権を行使してケースバイケースで検討していく」と述べた。

8月の電子インボイス開始に先駆け、5,000社を超える企業や事業体がIRBのポータルサイト「Myインボイス(MyInvois)」へのアクセスを申請。また、4月10日―6月30日に無料の電子インボイス対応会計ソフトウェアをテストするため、システムにアクセスした件数は2,050万件に上ったという。

売上高が2,500万リンギ以上、1億リンギ未満の企業は2025年1月1日までに電子インボイスを導入しなければならない。また年間売上高が15万リンギ未満の中小零細企業(MSME)を除くすべての企業は、来年7月1日までに電子インボイスを提出する必要がある。
(ザ・スター、7月17日)

ネスレ、「ミロ」の原料輸送に電気トラックを導入

【レンバウ】 ネスレ(マレーシア)は、ココア味粉末麦芽飲料「ミロ」原料のマレーシアからシンガポールへの輸送に電気自動車(EV)トラックを導入すると発表した。

ネグリ・センビラン州レンバウのチェンボンにある「ミロ」製造工場とシンガポール西部のジュロン工場間を輸送する。物流のスウィフト・ホーレージおよびトゥルマス・ダマイ・フレイト、ボルボ・トラック、シェル・マレーシアの4社との協業の上での取り組みとなる。280キロメートルの距離を年間平均1,750回往復し、年間二酸化炭素(CO2)排出量最大1,000トンを削減することを目指す。

フアン・アラノルス最高経営責任者(CEO)は、今後6カ月以内にさらに4台のEVトラックを購入する予定だとし、EVトラック導入は、「グリーン物流の先駆者となり、CO2排出量を削減する」という継続的な取り組みの一環であると述べた。チェンボン工場では今年初頭にバイオマス発電所を立ち上げ、CO2排出量年間1万4,000トンの削減に成功しており、また、「ミロ」の試飲トラックに太陽光パネルを設置するなど、持続可能性に向けた取り組みを強化しているという。

ネスレ(マレーシア)では、「CO2排出量を2023年末までに2018年比で25%削減する」という環境目標を達成しており、2030年までに50%削減を目指している。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、7月16日)

実質的所有権情報を34万社以上が提出、締め切りは9月末

【クアラルンプール】 アルミザン・アリ国内取引物価相は16日、4月1日―7月14日に合計34万637社の企業が実質的所有権情報を会社委員会(SSM)に提出したと明らかにした。

2024年4月1日に施行された「2024年改正会社法」では、企業は実質的支配者(株式の20%かそれ以上を保有し、取締役会の決定に影響を及ぼすことのできる者)を明らかにすることが義務づけられている。

アルミザン大臣は声明で、企業は9月30日までに実質的所有権情報を提出する必要があるとし、提出には「電子実質的所有者システム(e-BOS)」を利用できると説明。9月30日までに提出が行われた場合には罰則の対象にならないが、それ以降も提出されなかった場合には、最高2万リンギの罰金が科されると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、7月16日)

第4回セランゴール航空ショー、9月12―14日に開催

【クアラルンプール】 セランゴール州政府傘下の投資誘致機関インベスト・セランゴールは、9月12日―14日に、第4回セランゴール航空ショー(SAS2024)を開催すると発表した。

会場はシャアラムのスカイパーク地域航空センター(RAC)で、50機の航空機の静的展示が行われ、成約額は13億リンギになる見込み(昨年の展示数は49機、成約額は8億2,300万リンギ)。

出展社は、米国、英国、中国、シンガポール、ドイツ、フランス、チェコ共和国の7カ国から15社で、米シーラスや米テキストロン、仏ダッソー、カナダのボンバルディアなどの航空機メーカーが参加する。その他にもフォーラム、講演、就職フェア、子供向けアクティビティ、エアショーなどが行われる予定。45カ国以上から2万5,000人が来場すると予想されており、登録者数はすでに約1万2,000人に達しているという。

(ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、エッジ、7月11日)

クラン港の混雑でコンテナ船の待機が長期化

【クアラルンプール】 シンガポール港湾の混雑がセランゴール州クラン港に波及しており、約20隻のコンテナ船が待機している。ジョホール州タンジョン・プルパス港(PTP)も同様に混雑している模様で、この混雑は8月以降も続き、運賃の高騰も続く見通しだ。ブルームバーグが報じた。

混雑の原因は、イスラム組織ハマスとの連帯を掲げるイエメンの反政府勢力、フーシ派による船舶への攻撃により、多数の船舶がスエズ運河を避け、アフリカの喜望峰を回るルートへの迂回を余儀なくされていることにある。待機時間の長期化はサプライチェーンに影響を与え、生活必需品の流通に大幅な遅れが生じている。

報道を受けクラン港湾局(PKA)は12日に声明を発表。過去3カ月の平均待機時間は4月が9.2時間、5月が5.7時間、6月が37.2時間だったとし、近隣港の混雑などの影響で7月15―21日の待機時間は72時間に達する見込みだと述べた。一方、混雑の改善やスケジュール変更などが見込まれるため、8月には状況が改善されるとしている。

PKAは、海運会社、輸出入業者など全関係者が協力し、計画調整を行うよう強く求めるとし、引き続き港湾の効率的な運営に尽力し、状況を注意深く監視し、最高のサービスを提供していくと述べた。

(東方日報、7月12日、マリタイムゲートウェイ、7月11日、エッジ、マレー・メイル、7月10日)

中国スマート、EVの「スマート#3」を正式投入

【クアラルンプール】 中国スマート・オートモービルは、電気自動車(EV)「スマート#3」をマレーシア市場に正式投入した。

先に投入されたコンパクトスポーツ多目的車(SUV)の「スマート#1」と同様、国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)が販売を担当する。
バリエーションは、「プロ」(保険なし価格17万5,000リンギ)、「プレミアム」(同21万5,000リンギ)、「ブラバス」(同25万5,000リンギ)の3車種で、「スマート#1」よりも各6,000リンギ高くなっている。

「プロ」と「プレミアム」は、最高出力272馬力(PS)、最大トルク343ニュートンメートル(Nm)を発揮し、時速0-100キロメートル(km/h)加速時間は5.8秒。「ブラバス」ではそれぞれ428PS、543Nm、3.7秒となる。航続距離はWLTP基準で「プロ」が325km、「プレミアム」が455km、「ブラバス」が415km。3車種とも最高時速は時速258キロメートル(km)。車体カラーは「プロ」は全2色、「プレミアム」は全6色。「ブラバス」ではルーフとボディで異なる色を選択でき、その組み合わせは全12色になるという。

保証期間は、バッテリーが8年間または走行距離20万km(EVコンポーネントは15万km)、車両は走行距離無制限の4年間となっている。
(ポールタン、ジグホイールズ、7月10日)