プロドゥアのEV車、「脅威ではない」=プロトン

【クアラルンプール】 ダイハツ系プロドゥアが電気自動車(EV)、「eMO-II」を2025年にも発売する計画であることについて、プロトン・ホールディングスのEV子会社、プロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は、同社が近く発売するEV「e.MAS7」の脅威ではないとの考えを示した。

「eMO-II」と「e.MAS7」は共にスポーツ車(SUV)タイプのデザイン。「eMO-II」の価格は9万リンギ以下に抑える方針で、月産500台を目標とし、2025年の発売を予定している。一方、開発が先行する「e.MAS7」の価格は12万リンギからで、2025年1月の初納車を予定しているが、販売目標などは明らかにしていない。

プロネットは「ビジネス・トゥデー」に対し「両ブランドは異なる顧客層を対象としており、eMO-IIは脅威とはみなしておらず、むしろ両ブランドが持続可能なモビリティを推進し、マレーシアの自動車産業を発展させるという同じ目標に向かって取り組んでいることは喜ばしいこと」と言明。「両ブランドによる健全な競争は消費者により多くの選択肢を与え、業界を前進させる」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、12月6日)

データセンター需要増への対応は困難に、マッコーリー見解

【クアラルンプール/シンガポール】 金融サービスグループの豪系マッコーリーは、マレーシアにおけるデータセンター(DC)ブームは続くが、電力供給面でこうした需要増に対応するのは困難との分析を11月29日公表の報告書で示した。

対照的に、タイはDC需要増の恩恵を受け始める見通しで、アマゾン、グーグルによる東部経済回廊への投資はデジタルサービス需要をさらに増大させるという。

マッコーリーのアナリストによると、DCは電力を大量に消費するが、電力が容易に入手できる立地に建設する傾向が強まっており、タイはその恩恵を受けている。データセンター運営業者や投資家は、電力供給がしっかりしている市場を優先投資先とすることが必要になるという。

東南アジアはデータセンター建設増の恩恵を受けており、特にマレーシアでの建設が盛んだ。しかし人工知能(AI)による膨大な計算量を支えるため、DCの消費電力量が急増しており、マレーシアは十分な電力を供給できなくなる恐れがある。

実際、ジョホール州政府は11月、過去5カ月間にDC建設申請のうち30%を不認可にしたと発表した。安易な建設認可は地域社会の水、電力供給をひっ迫させる恐れがあるためだ。
(ビジネス・トゥデー、ビジネス・タイムズ、12月4日)

デジタルプロジェクト2件の遅れ、首相が不満表明

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は国家的デジタル事業のMyデジタルIDと5G(第5世代移動体通信)ネットワーク敷設事業が遅れていることに不満を表明。速やかな解決を当事者に求めた。閣議後の会見でファーミ・ファジル通信相が明らかにした。

MyデジタルID はオンラインユーザーの安全、合法な認証を目的としたアイデンティティー管理とトランザクション(コンピューター処理)署名プラットフォームで、ファーミ氏によると、5日の時点で登録した国民は132万にとどまった。これについてアンワル氏は、国民に登録を促すための方策を2週間以内にまとめるよう、関係者に求めた。5Gネットワーク敷設問題については、第1ネットワークを運営する国営デジタル・ナショナル(DNB)に対し、事業計画の速やかな提出を要請した。

DNB出資協議がまとまらないため、第2ネットワーク工事の入札が遅れているのが遅延の原因。第2ネットワークを敷設・運営するUモバイルは既に事業計画をマレーシア通信マルチメディア委員会に提出したが、DNBは未提出で、1月までの猶予を当局に要請した。しかし首相は月内の提出を求めたという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、12月7日、エッジ、ビジネス・トゥデー、12月6日)

KL国際モビリティショーが開幕、ホンダのeVTOLなどが展示

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 第10回クアラルンプール国際モビリティショー2024 (KLIMS 2024) が5―11日の日程でクアラルンプール(KL)のマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。2018年の第9回から6年ぶりの開催となる。

マレーシア自動車連盟(MAA)が主催するもので、「モビリティを超えて」がテーマ。持続可能性、電動化、自律移動における最先端のイノベーションを自動車関連各社が披露する。出展企業は70社で、自動車メーカー18社(プロドゥア、プロトン、トヨタ、ホンダ、三菱、日産、マツダ、起亜、長城汽車、モリス、小鵬汽車、モデナス、カワサキ、ハーレーダビッドソン、プジョーなど)、自動車関連サービス・製品など(18社)が含まれる。

新型車9車種が会期中に発表されるほか、コンセプトモデル8車種が展示される。プロドゥアの電気自動車(EV)モデル試作車「eMO-II」、ホンダの「プレリュード」コンセプトカー、バッテリー式EV「e:N1」、電動垂直離着陸機(eVTOL)などが展示される。

 

SSTの課税対象拡大リスト、来年初頭に発表=副財務相

【クアラルンプール】 来年5月1日に予定されている売上・サービス税 (SST)の課税対象拡大について、来年初頭には対象リストが発表される見込みだ。リム・フイイン副財務相が4日、下院議会で明らかにした。

SSTの課税対象拡大については、2025年予算案に盛り込まれた。国民生活への影響を考慮し、主要食品は売上税の拡大対象から外す一方、サーモンやアボカドのような高級輸入食材は対象に加え、手数料ベースの金融サービスなどの事業を含む商業サービスにサービス税を拡大する方針が示されていた。

またリム氏は物品・サービス税(GST)を再導入する考えがないことを改めて言明。「既存の税制の改定が社会的弱者に影響を与えないように引き続き努める」と付け加えた。
(ベルナマ通信、12月4日)

年初10カ月のサイバー犯罪損失12億2400万リンギ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は3日の下院質疑で、2024年1ー10月までのサイバー犯罪による損失が12億2400万リンギに達したことを明らかにした。今後、1998年通信マルチメディア法第233条など既存の法の改正に加え、新たにオンライン安全法を起草するなど対策を強化していく方針だ

サイバー犯罪による損失には、フィッシング詐欺、偽ショッピングサイト詐欺、海外などへの不正送金(マネーミュール)、架空融資、ロマンス詐欺など、さまざまなものが含まれる。

また、犯罪阻止の手助けとして、警察が開設した、銀行口座や電話番号が犯罪に使われたことがあるかどうかを一般人が確認できるポータルサイト「セマック・ミュール」(https://semakmule.rmp.gov.my/)に言及。10月31日時点で、犯罪に関与した疑いがあるとして電話番号18万1,628件、銀行口座番号22万2,092件、企業名1,395件が記録されているという。

特に、サイバー犯罪の多くは役割分担をしながら組織的に行われているため、「アロン」といわれる高金利を課す業者や無認可の貸金業者などの取り締まりも強化しているとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、12月3日)

EV充電施設、カーナビアプリWaze上で表示開始

【クアラルンプール】 カーナビアプリのウェイズ(Waze)にマレーシア国内の電気自動車(EV)充電施設の場所が表示されるようになった。

充電施設情報は昨年3月に導入されたが、これまでマレーシアの充電施設は含まれず、現在もグーグルの公式ページではサポート国に含まれていないが、ライフスタイルテックが表示を可能にした。

WazeはGPS(全地球測位システム)を利用した携帯電話向けアプリで、渋滞回避ルート、安全に関するリアルタイム情報、最安ガソリン価格のアラートなど、ドライバー同士が支援するコミュニティーを形成している。

充電施設情報はそれぞれの国で地図編集に参加するユーザーにより更新されている。マレーシアではほかに、プラグシェアなど充電施設の情報を提供するアプリがある。
(ザ・スター電子版、ポールタン、12月3日)

5G利用者、1,750万人に=デジタル相

【クアラルンプール】 高速通信規格「5G」サービスの利用者が1,750万人に達し、国内の人口密集地域の82%以上をカバーしている。ゴビンド・シン・デジタル相が3日、ジョホール州であったイベント後に記者団に語った。

ゴビンド氏は「利用者数が多いことは、デジタル技術に対する人々の強い関心の表れ」と評価。今後は特に人工知能(AI)技術に熟練した人材が求められるとし、政府の支援でマレーシア工科大学(UTM)に国内初となるAI学部が開設されたことを例に、デジタル省として引き続き同様の人材育成に力を入れていく考えを示した。

また、州内では10月までに10のデータセンターが運用を開始し、7つが開発中で、州政府はインフラ構築のため36の申請を検討していることを踏まえ、「ジョホール・シンガポール経済特別区(JS-SEZ)などのデータセンター専用エリアの計画は、ハイテク投資を誘致し、人々に高い収入をもたらす。経済波及効果を最大化することを目指している」とつけ加えた。
(ベルナマ通信、12月3日)

外国人居住者、10月末時点で12万人=内務相

【クアラルンプール】 サイフディン・ナスシオン内務相は26日の下院議会質疑の中で、マレーシア国内に外国人居住者(駐在員および起業家)が10月31日時点で12万183人に上り、マレーシアの国内総生産(GDP)の約4.8%にあたる750億リンギ相当の貢献があると述べた。

サイフディン氏は、外国人居住者のGDPへの寄与はマレーシア生産性公社(MPC)による推定値だとした上で、税金に関しても外国人居住者が内国歳入庁(LHDN)に総額1億リンギの所得税を納めていると貢献度を強調した。

サイフディン氏によると、外国人居住者12万183人の64%を5カ国が占めている。トップは中国(2万7,460人)で、以下、インド(2万3,131人)、フィリピン(9,302人)、日本(8,739人)、インドネシア(8,333人)と続く。

なお外国人居住者のカテゴリーに入らないアブラヤシ農園、建設、漁業などで働く低技能の外国人労働者については、258万人の上限までまだ40万人分の枠が不足しているという。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月26日)

ハラル食品の冷凍ハブ施設、ネグリセンビラン州で着工

【クアラルンプール】 ハラル(イスラム法に準拠した)食品の冷凍ハブ施設の起工式が23日、ネグリ・センビラン州ニライで行われた。

この施設は、冷凍配送を手がけるゴログが4億リンギをかけ、18カ月以内の完成を目指している。「スマートRHDC」と呼ばれ、原材料、半製品、完成品の高度な保管ソリューションを提供する。マレーシア初の人工知能搭載自動冷蔵倉庫も備え、8万4,000枚分のパレットを収容でき、積載ベイは60カ所ある。連邦農産物マーケティング庁(FAMA)とも協力し、事業主や農家も利用できるようにするという。

起工式に出席したアンソニー・ローク運輸相は、同州ニライかエンステックに新たなハラル食品専用の物流ハブの建設に向け、州政府と協議を始めた、と記者会見で語った。ローク氏は「クアラルンプール国際空港(KLIA)に近く、マレー半島の北部、南部、東部、西部を結ぶ高速道路で戦略的に接続しており、物流の強化に理想的だ」と述べた。

ローク氏はさらにハラル認証は食品だけでなく医薬品や化粧品などの製品にも適用され、市場機会が広がると強調。「中国のようなイスラム教徒が過半数を占めない地域でも、ハラル製品の重要性は理解されている。専用の物流ハブができれば、さらに多額の投資を引き寄せ、ハラル製品生産のリーダーとしての地位を確立できる」と付け加えた。
(エッジ、マレー・メイル、11月23日)