共同オフィス「コラブスコワーキング」、KLに7店舗目を開設

【クアラルンプール】 コワーキング・スペース(共同オフィス)の「コラブス・コワーキング」は、クアラルンプールのダマンサラ・ハイツの商業施設「ザ・ファイブ」内に7店舗目をオープンした。

「ザ・ファイブ」店は2階建てで1万5,407平方フィート、256席を有し、会議室3室やイベントホールも付属している。「コラブス・コワーキング」は、不動産開発のパラマウントの子会社パラマウント・コワーキングが2017年より運営するブランド。既存5店舗の平均稼働率は75%で、昨年11月にオープンした「KEN TTDI」店は50%、「ザ・ファイブ」店は現時点で40%だという。

「コラブス・コワーキング」の責任者であり、パラマウントの副最高経営責任者(CEO)でもあるベンジャミン・テオ氏によると、「コラブス・コワーキング」は首都圏で合計16万7,000平方フィートのスペースを提供しており、国内コワーキングスペース運営会社中、管理面積でトップ3に入るという。今年年央までの8店舗目オープンも目指している。会員は複数店舗にまたがっての利用も可能だ。

テオ氏は今後の見通しについて、今後5年間でコワーキング業界の10ー15%の成長を見込んでおり、「コラブス・コワーキング」も今後2年間で総面積を約2倍の30万平方フィートまで拡大することを目指すと述べた。首都圏以外への進出も検討するとしている。
(エッジ、2月21日)

リンギ下落、「相場は経済の明るい展望を反映せず」=中銀総裁

【クアラルンプール】 リンギ相場がアジア通貨危機時に近い水準まで下落したことについて、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のアブドル・ラシード総裁は20日、マレーシア経済の先行き展望を反映していないとの声明を発表した。

アブドル・ラシード氏は、リンギはほかの域内通貨同様、外的要因で値下がりしていると指摘。要因として、米国の金利予想の変化への調整、地政学上の懸念、中国経済の先行き不透明を挙げた。国内の状況については、今年の経済は外需の改善と強固な内需が牽引すると説明した。

また「昨年第4四半期以降、輸出は確実に改善している。今年1月の輸出は増加に転じた。観光業も回復しており、今年の観光客の来訪はコロナ以前の2,600万人を上回る見込みだ」と述べた。

さらにアブドル・ラシード氏は、認可投資の実施で投資に弾みが付いており、こうしたことに加え、政府が進める構造改革、先進国で予想される利下げの動きを背景に、エコノミスト、アナリストはリンギ値上がりを予想していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月21日、エッジ、マレーシアン・リザーブ、2月20日)

1米ドル=4.7956リンギ、リンギが通貨危機以来の低水準に

【クアラルンプール】 リンギ相場は20日、1米ドル=4.7956リンギと、1998年のアジア通貨危機時の4.8850リンギに迫る水準まで下落した。低迷を続ける中国経済がマレーシア経済の暗雲となっているためだ。20日の下落幅は0.2%で、今年に入ってからの下落幅は4%近く。過去3年、リンギは米ドルに対し値下がりしている。

当局は16日、昨年第4四半期の経済統計を発表したが、対中輸出の減少が響き経済成長はエコノミストの予想を下回った。製造業も不振が続いており、製造業の景況感を示す1月の購買担当者指数(PMI)は49と、17カ月連続で分岐点である50を下回った。

スタンダード・チャータード銀行のストラテジスト、ニコラス・チア氏は「米国との金利差が資金の国外流出と企業による米ドル蓄積をもたらし、リンギ下落圧力が強まった」とコメントした。

域内のほかの国の動きでは、タイ経済が「危機的状況」(スレッタ・タビシン同国首相)にありメイバンクは、タイ中央銀行は米国に先立ち利下げを開始する可能性があるとした。
(ザ・スター、2月21日、フリー・マレーシア・トゥデー、2月20日)

スマホ修理のセカンドライフアジア、タイ市場に参入

【クアラルンプール】 スマートフォン修理のセカンドライフアジアが、タイに参入する。ポーランドのソフトウエア開発会社アプアイデアとの合弁を通じた進出で、当初投資額は25万米ドル。

セカンドライフアジアの発表によると、年内に実店舗3カ所を開設する。「ガード・ジーニアス」の名称で修理・保守サービスを提供する。人工知能(AI)を活用した技術によるサービスで、保証期限の切れた商品も対象。

セカンドライフアジアは2019年の創業で、アップルの「iPhone」と「MacBook」に特化したサービスを提供している。アップルの認証を受けており、また中国系リアルミーの認定サービスセンターとしてIoT(モノのインターネット)製品なども修理している。

ジェローム・テー最高経営責任者(CEO)によれば、従来のスマホ修理サービスと異なり、機器の保守、保護を含む包括的サービスを提供しており、部品の再利用で廃棄物を減らすことにも貢献している。

機器の寿命を延ばすことで貴重な資源の消費抑制にも貢献しており、これまでに140万キログラム相当の二酸化炭素排出削減を実現したという。
(ソヤチンチャウ、2月19日、テクノード・グローバル、2月16日)

欧州森林破壊防止規則の順守を支援、政府が技術委員会設置

【クアラルンプール】 農園一次産業省と天然資源・環境持続可能性省は一次産品を生産する企業を守るための技術委員会を設置した。欧州連合(EU)が昨年6月、森林破壊と森林劣化に関する決まり「欧州森林破壊防止規則(EUDR)」を発効させたことに対応する。

EUDRは、EU市場で販売される、あるいはEUから輸出される対象品が、森林破壊にかかわっていないと証明することを義務づけるもので、大企業に対しては今年12月30日から、中小企業には2025年6月30日から適用を開始する。

ジョハリ・アブドル・ガニ農園一次産品相のX(旧ツイッター)への投稿によると、マレーシアから輸出される一次産品がEUDRに抵触しないよう、順守を徹底する。

一次産品のうち農産物は国内総生産(GDP)の5.2%を占めており、100万人以上の労働者を雇用している。

ジョハリ氏は「国として森林伐採、環境の持続性の問題に直接かかわらないと、国際社会から否定的に見られる恐れがある」とした。

委員会は、森林伐採に関する規則、トレーサビリティー(商品の生産から消費までの追跡可能性)、ジオロケーション(地理的位置測定)の課題に取り組む。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ボルネオポスト、2月17日、ベルナマ通信、2月16日)

日産車のタンチョン、セレンダの浮体式太陽光発電所を稼働開始

【ペタリンジャヤ】 日産自動車販売などを手掛けるタンチョン・モーター・ホールディングス(TMCH)は、セランゴール州セレンダ湖上に新設した浮体式大規模太陽光発電所(LSSPV)が稼働を開始したと発表した。2020年にエネルギー委員会が実施したLSSPV4プロジェクト提案募集に応じたもので、同グループ初の再生可能エネルギー分野への進出となる。

TMCHは、政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)との間で電力供給契約(PPA)を締結しており、25年間、104万3,000メガワット時(MWh)のグリーン電力を供給する。LSSPVは1月5日に運転を開始しており、運営はTMCHの子会社TCサナジー (TCS)が担当する。

TMCHによると、LSSPVにより二酸化炭素排出量61万221トンが削減でき、またセレンダ湖の生物多様性や水質を維持するため、湖水面の60%までしか覆っていないという。

TMCHのダニエル・ホー最高経営責任者(CEO)は、将来の世代に向けた環境保全に貢献できることをうれしく思うと述べた。
(ザ・スター、2月17日)

MPOB、パーム油産業向けに新技術714件を開発

【クアラルンプール】 ジョハリ・アブドル・ガニ農園一次産業相は13日、マレーシア・パーム油委員会(MPOB)がパーム油産業向けの新技術714件の開発を行ったと明らかにした。パーム油使用食品・非食品の製法などが含まれている。

ジョハリ大臣は、MPOB研究開発施設の視察後の声明で、714件中233件(32.7%)が商業化されているとし、さらなる商業化に向け、FGVホールディングスやサイムダービーなどの民間企業にMPOBと協力するよう要請すると述べた。例えば、MPOBが開発した、乳脂肪の代わりにパーム油を使用したモッツァレラチーズは、既存のコレステロールやトランス脂肪酸などを含まないためピザ作りに適しているとし、今後の展開が期待できるとした。MPOBはパーム油製品を活用した肉牛用飼料も開発しており、これにより飼料の輸入量を10%以上削減し、逆に輸出することも可能になるとしている。

ジョハリ大臣はMPOBのマーガリン実証プラントや先端バイオテクノロジー育種センター(ABBC)、アブラヤシギャラリーを視察。農園一次産業省とMPOBは、今後も協力しパーム油産業の持続可能な成長を支援していくとした。
(エッジ、ベルナマ通信、2月14日)

クチンにロキシーインピアナホテルが開業、廃墟ビルを再生

【クアラルンプール】 サラワク州クチン中心部に、廃墟ビルを再生したブティックホテル「ロキシー・インピアナ・ホテル」が新しくオープンした。

1967年に開業し、フィリピン・バンドの伴奏によるカラオケ・サービスなどから地元の人々に人気を博していた「カントリー・ビュー・ホテル」の建物を改装した。同ホテルは1980年代後半に経営者が代わり、「インピアナ・ホテル」と改名されたが、その後廃業。2000年代前半から放置され、廃墟となっていたが、地元の不動産開発会社テクトニック&サンズ・ホールディングスが買収し、新しいブティックホテルとして生まれ変わらせた。

開業式には、サラワク州のアマル・アワン・テンガ副首相も出席。同氏は、「廃墟の修復は、経済発展のみではなく、持続可能で包括的な成長も目指す取り組みだ」とし、ゼロから新しい建物を建てるのではなく、既存の資産を再利用することで、建築的・歴史的遺産を保護でき、資源も節約できると述べた。

テクトニック&サンズ・ホールディングスのリー・チンテック社長は、改装費用は1,200ー1,500万リンギ程度だったとし、デベロッパーの仕事は新しいアパートやショップハウスを建てることだけではないと強調。クチン市内で廃墟となった建物を見るのはしのびないとし、幽霊が出るという噂もあった建物を近代的なホテルに生まれ変わらせることは有意義な仕事だと述べた。同社は他にも廃墟を修復の上再利用してきた実績を有しているため、今後も州政府と協力していくとしている。
(ボルネオポスト、2月7日)

サバ州政府系スリアキャピタル、2カ所で商業不動産開発

【クアラルンプール/コタキナバル】 サバ州で港湾運営、不動産開発を手掛けるスリア・キャピタル・ホールディングスは、同州の不動産開発会社BEDIデベロップメントと合弁会社を2社設け、コタキナバル港周辺地域で複合商業施設を開発する。

スリア・キャピタルはサバ州政府が筆頭株主の会社で、100%子会社のサバ・ポーツは州の主要港湾8カ所を運営している。BEDIはクアラルンプールに本社があるEXSIMデベロップメントの子会社。高層住宅や商工業ビルの開発に携わっている。
スリア・キャピタルとBEDIはジェセルトン・ドックランズ1とジェセルトン・ドックランズ2を対等出資で設立し、それぞれ2.5ヘクタールと11.7ヘクタールの土地で開発事業を行う。開発後の資産価値は42億リンギになるという。

着工は来年で、工期は12年を予定している。開発事業は、観光地のジェセルトン埠頭、サバ国際コンベンション・センター、コタキナバル・コンベンションシティーと合わせ「ジェセルトン・ウオーターフロント・シティー」と呼称される予定。
(ボルネオポスト、2月8日、エッジ、2月7日)

カールスバーグ、昨年は減収も純利益は過去最高に

【シャアラム】 大手ビール会社カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは7日、2023年通期(2023年1-12月)決算を発表。売上高は前年比6.3%減の22億6,000万リンギとなったが、純利益は5.1%増の3億3,324万リンギとなり、過去最高を記録した。

カールスバーグは、売上高の減少は、インフレ圧力による消費者心理の低迷や旧正月の休暇期間が短かったことが理由だとし、純利益の増加は、2022年度予算で課された富裕税が2023年に廃止されたことや関連会社からの利益分配が増加したこと、新しい瓶詰めラインの再投資引当金に関連する繰延税金が計上されたことによるものだとしている。

ステファノ・クリニ社長は、2023年度は醸造所の改良など、1億800万リンギの設備投資を行ったが、2024年度は新缶詰ラインやビール濾過工場設立に向け、9,200万リンギの設備投資を計画していると述べた。

今後の見通しについては、高金利、インフレ圧力、為替変動などの影響による経済情勢の不透明さに留意しており、投入コストは上昇するものの、上昇率は緩やかになると予想している。一方、今年後半に実施される売上・サービス税(SST)の2%引き上げについては、物流コストを中心としたコスト増につながるとしている。
クリニ社長は、コスト管理を行いつつ、売上高や市場シェアの拡大に向け、マーケティング投資を増加させると述べた。
(ザ・スター電子版、エッジ、2月7日)