アストロのテレビショッピング、11日で営業終了

【クアラルンプール】 有料テレビ放送のアストロ・マレーシア・ホールディングスは、11日付けでテレビショッピングの 「ゴーショップ」チャンネル(CH111、CH118、CH303)を終了すると発表した。

アストロは声明で、テレビショッピング事業自体を終了し、事業への貢献度が高い事業分野に経営資源を集中すると述べた。

同社のテレビショッピング事業は、韓国GSリテール(GSR)との合弁会社(JV)アストロGSショップ(AGSS)が運営しているが、AGSSも11日で営業を停止する。AGSSはアストロの完全子会社アストロ・リテール・ベンチャーズ(ARV)が60%、GSRが40%出資している。アストロは、「ゴーショップ」のグループへの貢献度は低いため、2024年度(2023年2月ー2024年1月)の業績に大きな影響を及ぼすことはないとした。

「ゴーショップ」は2015年に開始。テレビで紹介した商品をオンラインで24時間365日買い物ができるようにしたもので、シンガポールとブルネイにも進出している。2023年度は、消費者心理の冷え込み、パンデミック後の実店舗への回帰などを受け、ARVの「ゴーショップ」への投資費用4,810万リンギは全額減損となった。

アストロの業績は悪化しており、2024年度第2四半期(2023年5ー7月)の純利益は、営業費用増加や為替差損により、前年同期の9,847万リンギから75.98%減の2,365万リンギにとどまった。
(エッジ、10月2日、アストロ発表資料)

米テスラ、サイバージャヤに本社を開設

【サイバージャヤ】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、セランゴール州のサイバージャヤに本社「テスラセンター」を開設した。2カ月の工期を経て完成した。

「テスラセンター」は2階建てで、面積は5万5,000平方フィート。2期に分けて開発されており、第1期は最新モデルを展示する小売エリア、第2期は、配送、アフターセールスなどのサービスを行う施設で構成されている。第2期開発部分は、モデル3「ハイランド」のフェイスリフト版の発表に合わせて年末までに稼働を開始する予定だ。

同施設では、運営、マーケティング、トレーニング、顧客サポートを1カ所で行う。サービスセンターには、高度な診断ツールが導入されている他、部品倉庫が設置されており、訓練を受けた技術者が常駐する予定だ。その他には、オープン・ワーク・スペース、顧客ラウンジ、社員食堂、最大で250人を収容できる講堂、急速DC充電器「スーパーチャージャー」なども併設されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月3日、ザ・スター電子版、ポールタン、10月2日)

水素自動車は2024年以降注目される=自動車クレジット連合会長

【クアラルンプール】 自動車クレジット会社組合連合会のトニー・コー・チョンブーン会長は、バッテリーを使用する電気自動車(EV)よりも環境に優しい水素自動車が2024年以降、マレーシアで注目されるようになるとの見通しを示した。
コー氏は、生産コストの高さと政府投資の必要性という課題もあるものの、水素は国家にとって重要でクリーンでグリーンなエネルギー源であると指摘。「日本、米国、さまざまな欧州諸国などがこの方向に進んでいることを考慮すると、これは有望な選択だ」と述べた。

コー氏は、バッテリー廃棄問題や製造時の温室効果ガス排出量の増加など、EVの環境問題についても言及し、「EVは8ー10年でバッテリー交換が必要となり、バッテリーの廃棄は環境問題を引き起こす」と指摘。一方、水素自動車については、水素ステーションに関連する安全上の懸念に対処する重要性を強調し、水素漏れの検出、隔離、水素を安全に取り扱うための包括的なトレーニングなどの必要性を提唱した。

水素自動車については、自動車愛好家からは、特に電力を主に石炭と天然ガスに依存しているマレーシアにおける環境上の利点、トヨタ「ミライ」などのモデルを例に水素自動車の短い給油時間と航続距離の長さの利点が挙げられている。一方、水素の貯蔵と輸送のコストが高いことがマイナス点として指摘されており、EVに関する誤解を克服し、水素自動車の導入を促進するために、より積極的な政府投資と追加インセンティブが必要だとする声が上がっている。
(ザ・スター、9月27日)

独デリバリーヒーロー、マレーシア事業などをグラブに売却か

【ベルリン/ペタリンジャヤ】 フードデリバリーサービスを提供する多国籍企業のデリバリーヒーロー(本社・独ベルリン)は東南アジア事業の一部を売却する意向で、交渉を開始した。デリバリーヒーローはフードパンダのブランドで、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、ラオスでサービスを提供している。

週刊経済誌の独ビルトシャフツ・ボッヘが消息筋の情報として売却交渉を報じたのに対し、デリバリーヒーローが交渉の事実を認めた。同誌によれば、シンガポールの同業者グラブが同7カ国の業務を約10億ユーロで購入する可能性がある。

新型コロナウイルスの感染拡大による行動規制を背景に、デリバリーサービスは需要が急増したが、行動規制の緩和後は需要が低迷し、デリバリーヒーローは株主から利益確保を求められていた。

ニクラス・エストベリ最高経営責任者(CEO)は8月、「東南アジア業務では利益重視のため出費を控えた。このためわが社のサービスに満足できない客がいたと思う」と発言していた。
(ザ・スター、9月22日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月21日)

アンワル首相、グーグル、ボーイングなど米巨大企業4社と面談

【ニューヨーク】 国連総会出席のため訪米中のアンワル・イブラヒム首相は、グーグル、ボーイング、メドトロニック、シーメンス・ヘルシニアーズの米巨大企業4社と1対1のビジネス会議を開催した。首相府の発表によると、4社からはマレーシアでの事業を拡大したいとの意向が示されたという。

企業側からは、グーグルのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)、ボーイングのブレンダン・ネルソン グローバル社長、メドトロニックのジェフ・マーサ最高経営責任者(CEO)、シーメンス・ヘルシニアーズのティシャ・ボートマン グローバル社長らが出席した。

マレーシア側からは、アンワル首相のほか、テンク・ザフルル投資貿易産業相、ザリハ・ムスタファ保健相、ザンブリー・カディル外相の関係閣僚らと、マレーシア投資開発庁(MIDA)とマレーシア外国貿易開発公社 (MATRADE)の代表が出席した。

アンワル氏はまた、2001年にノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授とも面談。発展途上国の経済的ニーズについて意見交換したほか、サステナビリティを維持しつつ所得増や貧困撲滅を進めるための対策と戦略についても議論したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、ベルナマ、9月22日)

キャピタルAの整備部門、カンボジアでMRO事業設立へ

【クアラルンプール】 キャピタルAの整備部門アジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)は、カンボジアのコンサルタント会社シビライ・アジアとの間で合弁契約を締結し、カンボジアで保守・修理・オーバーホール(MRO)事業を開始すると発表した。

合弁会社(JV)名はADEカンボジアで、ADEが60%、シビライ・アジアが40%を出資する。ADEは、最大120万米ドル(560万リンギ)をJV設立前・設立後の2回に分けて出資する。内部資金で賄う予定。

キャピタルA傘下の格安航空会社エアアジア・アビエーション・グループ(AAAGL)が昨年12月、シビライ・アジアとの間でJVであるエアアジア・カンボジアを設立していた。エアアジア・カンボジアは今年11月に運航を開始する予定となっている。
(ザ・スター、9月21日、エッジ、9月20日)

スーパーマックスのゴム手袋、米国への輸出再開が許可

【クアラルンプール】 ゴム手袋製造大手のスーパーマックス・ コーポレーション(SCB)は20日、米国への自社製使い捨て手袋の輸出再開が18日付けで米国当局より許可されたと明らかにした。再開対象には▽スーパーマックス・グローブ・マニュファクチャリング▽マクスター・グローブ・マニュファクチャリング▽マックスウェル・グローブ・マニュファクチャリングーーの完全子会社3社が含まれる。

SCBがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、強制労働の項目で改善がみられたことを理由に米国税関・国境警備局(CBP)がSCBに対して出していた違反商品保留命令(WRO)を修正し、米国の法律に準拠していることを条件にSCBと子会社が製造した使い捨て手袋の輸入を許可すると発表した。

CBPは2021年10月21日、SCBおよび子会社の調査の過程で国際労働機関(ILO)が定めた11項目の強制労働指標のうち10項目で違反が確認されたとして、スーパーマックス製品に関するWROを発出。SCBはWROへの対応として、サプライチェーンにおいて指摘を受けた項目を是正する措置を講じたことをCBPに証明したとしている。
(ザ・スター、ザ・サン、9月21日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月20日、SCB発表資料)

カントリーガーデンの経営難、L&Gは合弁には影響ないと強調

【クアラルンプール】 中国の不動産開発大手、碧桂園(カントリー・ガーデン)の経営難が懸念されていることに関連して、マレーシアの不動産会社、ランド・アンド・ジェネラル(L&G)は、カントリー・ガーデンと合弁で進めているセランゴール州セメニエのプロジェクトへの影響はないと強調した。

L&Gのロウ・ゲイテック社長は、プロジェクト全体の4分の3がすでに完成しており、またカントリー・ガーデンとは財務的に独立していると強調。カントリー・ガーデンの経営問題が同プロジェクトにマイナスの波及効果をもたらすのではないかとの懸念の声を一蹴した。

L&Gがカントリー・ガーデンと合弁で進めているのは、「ダイヤモンド・シティ」と命名された総面積167エーカーのタウンシップ開発で、2014年に開始された。L&Gが45%、カントリー・ガーデンが55%をそれぞれ出資している。

プロジェクトはA、Bの区画に分かれており、A区画はすでに完了。B区画は1、2、4期がすでに完成し、5期も建設予定の201戸の80%に当たる163戸が販売済みとなっているという。
(エッジ、9月19日)

ITコンサルの米アバナード、東南アジア初の生成AIラボを設立

【クアラルンプール】 米アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社でITコンサルに携わる米アバナードは、東南アジア初の生成人工知能(AI)ラボをクアラルンプール・オフィス内に設置したと発表した。

アバナードは声明で、ラボでは生成AIソリューションを実験・共創し、データからビジネス価値を引き出すことで、組織のAI対応を支援すると述べた。さまざまな職位の従業員の生産性向上を目指し、マイクロソフトのクラウド上で生成AIソリューションを開発する。また、データとの対話、顧客対応音声の分析、テキスト入力による画像生成などに関するワークショップやデモを開催し、顧客企業がAIソリューションを体験できる機会を提供する。

アバナードの東南アジア責任者であるババ・カプール氏は、AIが産業を再構築し、人とテクノロジーの関係を再定義する中、ラボは未来の仕事像を想像する場として機能し、「マレーシアと東南アジア地域の可能性を解き放ち、AI革命の最前線に位置づける」という同社の取り組みを強化すると述べた。

マイクロソフト・マレーシアのK.ラマン社長は、生成AIの出現により、組織はより創造的で生産的、効率的になり、有意義なイノベーションが促進できるとし、マレーシア国内外で組織へのAI導入を進める上で、アバナードと協業できることを嬉しく思うと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月19日)

プロトン、スマート車の現地組立生産に向けて覚書締結

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、中国のスマート・オートモービルとの間で、ペラ州タンジョン・マリム工場でのスマート車の現地組立(CKD)の可能性を探るため、覚書(MoA)を締結した。

プロトンは2022年1月にも、スマートとの間で東南アジア諸国連合(ASEAN)におけるスマート車の販売の可能性を探るため契約を締結。同年8月にはマレーシアとタイにおけるスマート車の販売に向け、販売代理店契約を交わしていた。
新たに交わした契約により、両社はスマート車のCKDに向けて協議を行い、協力関係を新たなレベルに引き上げる。

一方で、スポーツ車(SUV)タイプの電気自動車(EV)「スマート#1」の予約受付が19日に開始された。「スマート#1」の販売は、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の中で初となる。バリエーションは「プロ」、「プレミアム」、「ブラバス」の3種で、保険なしの価格は20万から25万リンギ程度と推定されている。
(ポールタン、9月19日)