今年も高い経済成長率を維持、投資銀が予想

【クアラルンプール】 国内経済は堅調な成長を今年も維持する見通しで、投資銀行2社は4.9%の国内総生産(GDP)成長を予想している。財務省予想は4.5-5.5%。昨年の成長率は5.1%で、前年の3.6%を上回った。

ホンリョン・インベストメント・バンクはGDP増加の要因として、健全な雇用市場に裏付けられた家計消費を挙げた。低所得層への給付、従業員積立基金(EPF)第3口座からの自由な引出しを認めた措置、外国直接投資(FDI)や外国からの観光客の増加もGDPに貢献するという。中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は政府予測以上の成長もあると予想しており、1年を通じ政策金利を3%に据え置くとホンリョンはみている。

メイバンク・インベストメント・バンクも同様の見解で、投資の増加、認可投資プロジェクトの実現、公務員賃金引き上げなどが経済成長をけん引するとしている。ただ、米トランプ政権の貿易政策、関税措置で不確実性、リスクは残ると、懸念も表明した。
(ザ・スター、2月18日)

ティーライブ、紅茶の本場インド進出に向けフランチャイズ契約

【クアラルンプール】 タピオカティー・チェーンの「ティーライブ」を運営するルーブ・ホールディングスは、インドでファストフード店を展開するディビヤニ・インターナショナル(DIL)とフランチャイズ契約を締結し、インドに進出する。

DILは、フランチャイズによりケンタッキーフライドチキンやピザハット、コスタコーヒーなどを展開しており、インド、タイ、ナイジェリア、ネパールで計2,000店舗超を運営している。

マレーシア発祥のティーライブは現在、東南アジアを始め、モーリシャス、カナダ、アラブ首長国連邦(UAE)などで950店舗を展開する。ブライアン・ルー創業者兼最高経営責任者(CEO)は「チャイの国・インドに革新的なティーカルチャーを持ち込みたい。現地市場をよく知るパートナーの協力で、主要都市を皮切りにインドで大きな存在感を示していきたい」と語った。
(ザ・スター、ザ・サン、ビジネス・トゥデー、2月17日)

昨年第4四半期の経常収支、114億リンギの黒字

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局によると、2024年第4四半期の経常収支は114億2,400万リンギの黒字で、前期の21億7,600万リンギから黒字幅が大幅に増加した。

モノの貿易収支の黒字が前期の231億3,900万リンギから373億8,400万リンギに増加。サービス収支の赤字は前期の15億7,900万リンギから1億4,900万リンギと減少したことが影響した。ただ、第一次所得収支の赤字は前期の169億8,300リンギから201億5,300万リンギに拡大、第二次所得収支の赤字も前期の24億リンギから56億5,700万リンギになった。

金融収支の赤字は前期の74億9,300万リンギから57億6,400万リンギに抑えられた。直接投資は前期の43億3,700万リンギの純流出から、176億3,200万リンギの純流入に転じた一方、証券投資は前期の35億9,900万リンギの純流入から422億4,800万リンギの純流出になった。金融派生商品は26億7,900万リンギの純流入(前期は4億2,600万リンギの純流出)、その他の投資は161億7,300万リンギの純流入(同63億2,900万リンギの純流出)だった。

 

24年の経済成長率は5.1%、第4四半期は5.0%

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は14日、2024年通年の国内総生産(GDP)成長率が前年の3.6%を上回るプラス5.1%だったと発表した。国内需要の継続的な拡大と輸出の回復により各セクター共に前年を上回り、政府が掲げていた成長目標(4.8ー5.3%)に沿ったものとなった。

産業別では、サービス業は卸売・小売業などに支えられて4期とも5%前後の高い成長を維持し、通年では5.4%となり、前年(5.1%)を上回った。前年は0.7%にとどまった製造業は通年では4.2%に回復した。0.5%だった鉱業も0.9%にやや回復した。6.1%だった建設業は17.5%に、農業も0.7%から3.1%にそれぞれ前年を上回った。

通年の国内需要は前年の4.6%から6.5%に回復。民間消費は4.7%から5.1%に、民間投資は4.6%から12.3%にそれぞれアップした。また公共消費は3.3%から4.7%に、公共投資は8.6%から11.1%にそれぞれアップした。前年に8.1%、7.4%マイナス成長だったモノとサービスの輸出と輸入は、それぞれ8.5%、8.9%のプラス成長に復帰した。

第4四半期(10ー12月)のGDP成長率は、国内需要に支えられたサービスや製造、建設業の成長によりプラス5.0%となったものの、前期(プラス5.4%)を下回った。

主要産業5部門のうち鉱業、農業がそれぞれ0.9%、0.5%のマイナス成長となったものの、製造業は4.4%、サービス業は5.5%、建設業は20.7%、それぞれプラス成長となった。

BNMは、今年のGDP成長率について、投資活動の力強い拡大、堅調な家計支出、輸出の継続的な拡大によって2025年も堅調な状態を維持すると予想されるとした。

高速道の新料金徴収システム、4月にも試験運用開始か

【クアラルンプール】 高速道路料金所の混雑緩和に向け、導入が計画されているマルチレーン・フリーフロー(MLFF)料金徴収システムについて、一部の道路運営会社などが4月にも独自に試験運用に踏み切る可能性がある。

経済紙「エッジ」などによると、MLFFシステム開発の有力候補の1つが、高速道路運営サービスの投資持株会社PLUSエキスプレスウェイズの子会社のテラス・テクノロジ。テラス・テクノロジは現在の料金徴収システムを提供しているため、有利とみられている。MLFFシステムは非接触で、ナンバープレートなどの自動認識により料金を徴収するシステムのため、道路交通局のシステムと連携させ、未払いの通行料がある運転者は、道路税の更新を認めないことなど検討しているという。

そのほか、高速道路運営を手掛けるプロジェク・リンタサン・コタ・ホールディングス(プロリンタス)や、高速道路運営の特別目的会社アマナ・レブラヤ・ラクヤット(ALR)、決済サービスのタッチ・アンド・ゴー(TNG)などもシステム提供が取り沙汰されている。

道路運営会社がそれぞれMLFFシステムを構築する方が費用を抑えられるという意見がある一方で、高速道路運営会社32社が加盟するマレーシア高速道路コンセッション協会を通じて、各運営会社の出資で非営利組織を設立し、単一のシステムでの運営をすべきとの意見もある。

こうした混乱の背景には、2023年に公共事業省が入札ではなく特定の企業を指名してMLFFシステムの発注を行い、問題になったことが挙げられる。もともと25年までのシステム導入が目標とされており、今後の動きが注目される。
(エッジ、2月10日、ポールタン、2月12日)

国内初の食料自動販売機を展開、ペイネットが農業局と連携

【ペタリンジャヤ】 銀行間決済システムを運営するペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)と政府機関の連邦農業マーケティング局(FAMA)は共同で、国内初の食料自動販売機の展開に乗り出した。青果などの農産物や、しょうゆ、缶詰食品などを1日24時間販売する。

自販機は利用者が増えており、スナックフード、飲料以外に、サプリ、スキンケア商品、生鮮品も販売されるようになっている。今回展開する自販機での支払いはQRコード決済などすべてデジタル決済。在庫補充など機器の管理には、指定のアグロバザーがあたる。アグロバザーはFAMA傘下の電子商取引プラットフォーム。

ペイネットのフィルダウス・ガニ氏は「消費者は便利さを重視しており、自販機は国民の食品入手方法に変化をもたらしている」と述べた。農業者には従来の販路以外の販売手段が提供される。
(ザ・サン、2月10日)

ファイアフライ、スバン空港発着2路線を3月に新たに就航

【クアラルンプール】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)傘下の航空会社ファイアフライは、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)でのナロージェット機の運航を拡大し、3月24日からサラワク州のクチン国際空港と、シンガポールのチャンギ空港を結ぶ2路線の運航を開始すると発表した。

新たな2路線は、ボーイング「737-800」型機を使用。就航を記念し、クチン間は片道219リンギ、チャンギ間は189リンギのプロモーション運賃を提供する。運賃には10キログラム(kg)までの受託手荷物、7kgまでの機内持ち込み手荷物が含まれ、機内で無料ドリンクも提供される。受託手荷物30kgと無制限の予約変更ができる「フレックス」にアップグレードすることもできる。

スバン空港を利用するファイアフライ便は、すでに就航しているペナンとコタキナバルと合わせ4路線週28便となる。
(ザ・スター、エッジ、2月7日)

5G利用者、1819万人に=通信相

【クアラルンプール】 高速通信規格「5G」サービスの利用者が2024年第4四半期の時点で、1,819万人に達し、人口密集地域の82.4%をカバーした。

ファーミ・ファジル通信相が5日、フェイスブックに投稿した。それによると、人口の5割強が5Gを利用していることになり、「短期間で最高の成果を挙げつつあり、より優れた通信インフラの構築に向けた重要な前進」とし、「イノベーションの機会が確実に広がり、生産性の向上につながる」と強調した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、2月5日)

韓国コンビニのイーマート24、店内カフェでハラル認証取得へ

【クアラルンプール】 韓国系コンビニエンスストアのイーマート24は、店舗内のイートインスペース「eカフェ」に関し、年内にeカフェ全店舗でイスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証の取得を目指す。

イーマート24は韓国の小売り大手、新世界グループが手がけており、2021年に海外1号店としてマレーシアに進出。現在、マレーシア国内で80店舗以上を展開している。セランゴール州バンギとシャアラムの2店舗が、すでにハラル認証を取得済みで、今後毎月5店舗程度ずつ取得していくという。

イーマート24ホールディングスのヴィトン・パン最高経営責任者(CEO)は「ムスリムフレンドリー(イスラム教徒への配慮のある)の料理を提供するのは重要な一歩」とする。同社は昨年、5年以内に300店舗まで拡大する計画を打ち出しており、今回のハラル取得で市場での存在感を高め、より幅広い顧客層にアピールしていくとみられる。
(ラクヤット・ポスト、ザ・スター、2月5日)

生成AIディープシークは脅威でなくチャンス=デジタル相

【クアラルンプール】 ゴビンド・シン・デオ デジタル相は4日、中国の新興企業ディープシークを始めとする新たな生成AI(人工知能)の出現は、マレーシアのデータセンター産業にとって脅威ではなく、むしろ需要増につながる可能性があるとの見方を示した。

ゴビンド大臣はこの日の記者会見で「低コストで生成AIを活用できるようになれば、サービスや利用者が広がり、データ需要は増加する。地域のデータハブとしてのマレーシアの地位を強化する機会になる」と述べた。

一方で、懸念が報じられているディープシークのデータセキュリティとコンプライアンスについて政府として調査中であることに言及。「重要なのは、世界中のAI技術の発展に遅れないよう、国がいかに対処していくかだ」と強調した。
(ベルナマ通信、ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、2月4日)