今年も経済は好調を維持、政府は持続可能性に力点

【クアラルンプール】 マレーシア経済は今年も好調を続けると、エコノミストや金融機関は予想している。内需が成長をけん引する、というのが共通認識だ。
マスターカード経済研究所は今年の経済見通し報告で、4.7%の国内総生産(GDP)成長を予測。家計の購買力が高まり、個人消費が成長をけん引するとみている。

MIDFアマナ投資銀行は4.6%の成長を予想。雇用の増加、賃上げ、観光業の活況を背景に個人消費が増加し、さらに公務員賃金引き上げ、低所得層への現金給付が経済拡大をもたらすとした。

政府施策の最近の特徴は持続可能性重視で、ここ数年、多様な措置を導入した。パリ協定で国として約束した、50年までのネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)達成のためだ。

地球温暖化ガスの排出で2位(排出割合は10%)は製造業。排出削減を主導しているのは投資貿易産業省で、再生可能エネルギー(RE)やクリーンエネルギーへの移行を産業界に働きかけている。それがグリーン産業の創出につながることも目指す。国産電気自動車は好例だ。

政府は、グリーン投資税控除、グリーン所得税免除など奨励措置を導入しグリーン投資を促している。
(マレーシアン・リザーブ、1月6日)

バス会社が運転手不足に直面、長距離運転手2人制が影響

【クアラルンプール】 バス・トラック会社が運転手不足に直面しており、存立が脅かされている。全マレーシア・バス運行業者協会のモハマド・アシュファー・アリ会長が明らかにした。当局が2人の運転手を乗せていない長距離バス会社の摘発を強化していることが背景にある。

アシュファー会長によると、貨物トラック、高速バス、工場労働者・学生・観光客向けの輸送車両など、影響を受ける陸運セクターは約5,000人の運転手不足に直面している。特にバスに関しては、多くの会社が長距離旅行に2人目の運転手を提供するのに苦労しているという。

道路交通局(JPJ、RTD)は昨年12月26日、2人目の運転手を必要とする規則に従わなかったとして、25台の高速バスとツアーバスの運行会社に出頭命令を出した。2人目の運転手を乗せる規則は、300キロメートル(㎞)を超える長距離もしくは4時間を超える運転時間の高速バスに適用される。

アシュファー会長は、運転手不足は根深い問題であり、いくつかの課題により悪化していると指摘。「マレーシアのバスやトラックの運転手の大半は定年が近づいている。他の業界に移ったり、給与の高いシンガポールに異動したりする人が多くいる」と述べ、運転手志望者にとっての高額な参入コストも障壁になっているとした。大型車両を運転するためのeライセンス、公共サービス車両ライセンス、貨物運転ライセンスの取得には4,000―5,000リンギかかる。このため新たな人材を引き付けることが難しくなっているという。

マレー半島マレー高速バス事業者協会のライリ・イスマイル会長は、「政府の支援があれば運転手不足は解消され、質の高い運転手を選抜できるようになる」と指摘。コスト上昇によりバス事業者間の不健全な競争が生まれ、多くの事業者が乗客を引き付けるためにチケット価格を下げざるを得なくなっているとした上で、「政府が支援しなければ、多くの高速バス事業者は廃業せざるを得なくなる。そうなれば、何千人もの従業員と運転手が生計を失うことになり、バスサービスが提供する利便性と接続性を国民から奪うことになるだろう」と述べた。
(ザ・サン、1月2日)

「マレーシア観光年2026」、キャンペーンがスタート

【セパン】 「ビジット・マレーシア・イヤー2026(VM2026、マレーシア観光年2026)」のキャンペーンが6日開始され、ロゴやマスコット、テーマソング、航空機用の塗装が披露された。出発式にはアンワル・イブラヒム首相、アハマド・ザヒド副首相、ファディラ・ユソフ副首相、ティオン・キンシン観光芸術文化相らが出席した。

絶滅危惧種でありマレーシアの野生生物保護への取り組みの象徴であることから、マレーグマの2頭(ウィラとマンジャ)がキャンペーンの公式アイコンとして選ばれ、テーマソングは「Surreal Experiences(非現実的な体験)」に決まった。

アンワル首相は、マレーシアをユニークで持続可能、かつ調和のとれた目的地として強調し、豊かな多文化遺産を紹介すると言明。「我々は2026年までに3,560万人の外国人観光客の誘致を目指している。これが達成できれば1,471億リンギの観光収入が見込まれる」と述べた。

同日は、マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)、エアアジア、バティックエア、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス、ファーウェイ、マスターカード、シャングリラ・クアラルンプール、シャングリラ・ホテルズ&リゾーツ、マリオット・インターナショナルなどの主要な戦略的パートナーとの間で協力覚書が交わされた。

2月8日にはVM2026キャンペーンの一環としてクアラルンプールのペトロナスツインタワーで「マレーシア・サロン・ミュージック・ラン2025」が開催される予定で、2万人を超える参加者が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月6日)

今年の物価上昇率は昨年以上に、エコノミスト予想

【ペタリンジャヤ】 今年の消費者物価指数(CPI)の上昇率は加速するとエコノミストは予想している。レギュラーガソリン(RON95)の補助合理化、売上・サービス税の適用対象拡大、公務員賃金と最低賃金の引き上げ、および近く発足する米トランプ政権が導入する可能性のある輸入関税引き上げが主因だ。

ケナンガ投資銀行は今年のCPI上昇率を2.7%と予想している。トランプ米次期大統領が掲げる関税措置は取引手段の可能性が高いが、実施された場合、価格上昇につながる。しかし長期的には中国の輸出先が変わり、域内にデフレ圧力がかかるという。

CIMB証券は、個人消費奨励型の施策が理由の需要増大はインフレを誘発する可能性があるが、国内総生産(GDP)を0.4ポイント押し上げる効果が見込め、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が翌日物政策金利(OPR)を引き上げる可能性が高まるとみている。

2023年11月のCPIは前年同月比1.8%と市場予想の2.1%を下回った。しかし12月は必需品以外の支出が増えるため、やや高めが推測されるという。
BNMが立てた通年のCPI上昇率予想は24年が2%、25年が3.5%。
(ザ・スター、12月24日)

5つ星のアイコニックマージョリーホテル、ペナン州で開業

【クアラルンプール】 マリオット系列の5つ星ホテル「アイコニック・マージョリー・ホテル」がこのほど、ペナン州バヤンレパスにオープンした。

同ホテルは、米マリオット・インターナショナルの中でも、個性的な独立系に対する「トリビュートポートフォリオ」というブランドに属する。ペナンのプラナカン文化の優雅さと、現代的なデザインが融合させた298室からなる。

運営するのは、不動産開発アイコニック・グループの子会社アイコニック・ペナン。グループにとっては2つ目のホテルとなる。ホテルに隣接する42階建ての「アイコニック・リージェンシー」では、500―850平方フィートの家具付き住戸268戸も提供。「東洋のシリコンバレー」として知られるバヤンレパス工業地帯の一角に位置し、さまざまなビジネスニーズに対応する。ホテルと合わせて1億8,000万リンギを投資した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ペナン・プロパティ・トーク、12月29日)

A&W店舗網の拡大を計画、PJのドライブスルー1号店は閉店へ

【クアラルンプール】 パン・マレーシア・コーポレーション(PMC)は、ファストフード・チェーン「A&W」の店舗網拡大に注力する方針で、2025年には全国に新たに12店舗をオープン、未開拓市場のサラワク州とブルネイにも目を向け、2026年までにサラワク州クチンに2―3店舗をオープンする予定だ。

PMCの取締役を兼任するA&Wのジョージ・アン最高経営責任者(CEO)によると、現在半島部に約100店舗、サバ州に4店舗を展開している。A&Wはレストランの平均売上高(ARS)が高い空港やテーマパークなどの人の往来が多い場所をターゲットにしており、特に空港での新規店舗開設を検討している。国内にはコタキナバル空港やペナン空港など、今後進出可能な空港が8―10カ所ほどあるという。

またA&Wは労働力を減らして効率性を高めるためのデジタル化も進めており、2024年末までに全店舗にデジタルキオスクを設置する方針だ。現時点でA&W店舗の約30%にデジタルキオスクがある。さらに消費者の消費習慣の変化に対応して、いくつかの店舗を24時間営業やドライブスルー形式に転換する予定。 2025年までに20店舗が24時間営業となり、そのうち12店舗はドライブスルーとする。

一方、セランゴール州ペタリンジャヤにあるマレーシア初のドライブスルー店については正式に閉店する方針だ。店舗がある1エーカーの土地にホテルを建設するという土地開発業者の計画に従ったもので、当初は2020年に閉店する予定だったが新型コロナ禍のため計画は中止されていた。同店舗は1965年に開業していた。
(ザ・スター、12月23日)

テレコムがプロドゥアと提携、デジタル革新を推進

【ペタリンジャヤ】 通信大手の政府系テレコム・マレーシアは、ダイハツ工業が出資する第2国民車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)と提携で合意した。電気自動車開発、デジタル革新、持続可能な企業成長を推進する。

提携分野は、▽ハイパーコネクテッド・ネットワーク▽デジタル技術推進▽顧客体験の改善▽環境持続可能性――の4つ。

テレコム・マレーシアの法人・政府関連事業子会社TMワンが、ソフトウエアを用いたディーラー向け仮想的WAN(広域通信網)、自動車用5G(第5世代移動体通信)アプリ、スマート製造技術などの提供を通じプロドゥアの生産基盤を強化する。これによりプロドゥアは生産能力を高め、データ管理を円滑にすることができるという。

TMワンはまた、クラウド、サイバーセキュリティー、データ解析、人工知能(AI)能力を活用し、プロドゥアのスマート製造、電気自動車、自律運転技術開発を支援する。

環境面ではTMワンとプロドゥアは電気自動車充電施設におけるクリーン電力使用、廃棄物削減で協力する。
(ザ・スター、12月24日、ビジネス・トゥデー12月23日)

プロトン「e.MAS」」初の正規ショールーム、IDCCに開業

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)ブランド「e.MAS」の初の正規ショールームが21日、セランゴール州シャアラムの「IDEALコンベンション・センター(IDCC)」に正式オープンした。プロトン初のEV「e.MAS7」は16日に発表された。

初のショールームは、プロトンがSGカーズと協力してオープンしたもので、系列会社セティア・ゲミラン・オートが運営する既存のプロトン車ショールームの隣にある。顧客ラウンジはショールーム階にあり、下層階にサービスセンターがある。顧客のためにショールームの外に充電ステーションも設置している

プロトンのEV販売子会社、プロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は既に全国で37のディーラーを指名しており、2024年末までに30カ所が営業を開始する予定。37のディーラーのうち36は既存のプロトン・ディーラーであるため既存店舗にEV 専用エリアを設けるという。
(ポールタン、モタオート、ポールタン、12月21日)

新たな紙幣発行は今後も継続=中銀バンクネガラ

【ジョージタウン】 マレーシア中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、国民の間でキャッシュレス取引が進んでいるものの、新たな紙幣発行を中止することはなく、今後も発行を続けていく意向だ。中銀が最後に新デザインの紙幣を発行したのは2012年。

中銀は、「消費者の間で電子財布やキャッシュレス取引が人気となっているが今後も現金はマレーシア経済における重要な決済手段であり続ける」と言明。新紙幣発行と適切な状態の紙幣の再流通を継続的に行うことで、国民の需要を満たすのに十分な貨幣が流通するようにする」と述べた。

マレーシア中小企業協会(SAMENTA)のSH・ヨー名誉事務局長は、「会員企業の多くがすでにキャッシュレス取引を実施しており、電子取引チャネル利便性の高さからデジタル決済が急速に普及している」と指摘。その一方で、「仮想決済には利便性、セキュリティ、コスト削減など多くの利点があるが、技術的な問題、セキュリティリスク、消費者保護の制限など、考慮すべきいくつかの欠点がある」とし、「キャッシュレス決済が物理的な通貨取引に完全に取って代わるとは考えていない」とした。

調査によると、オンライン銀行振込と電子ウォレットを最も多く利用しているのは25―35歳の年齢層。マレーシア人が最もよく利用する電子ウォレットは「タッチアンドゴー」で、通行料、駐車料金、飲食物や配達サービスのオンライン取引の決済で使われているという。
(ザ・スター、12月20日)

来年は自動車販売減の見込み、ガソリン補助削減が影響か

【ペタリンジャヤ】 金融機関は2025年の自動車販売台数が今年を下回ると予想している。ガソリン補助の部分撤廃と輸入価格(OMV)改定が影響するとみられるためだ。

CIMB証券は来年の販売台数を、今年(推定値)より4%少ない75万5,000台と予想している。一方で電気自動車販売は増加が見込めるという。

OMVは輸入された時点の自動車価格(輸送費、保険料、販売・引き渡しに伴うそのほかの費用を含む)で、マレーシア自動車協会(MAA)はOMV改定により、マレーシアで組み立てた車両の店頭価格は8-20%上昇すると予想していた。しかし改定は延期されている。

ガソリン補助の削減は電気自動車販売にはプラスで、BMW、ミニ、ポルシェ、BYD、ボルボなど多様なブランドを扱うサイム・ダービーは好業績が期待できるという。しかし政府はレギュラーガソリン消費者の85%について、補助を継続する方針で、価格が手ごろな国民車は人気を維持し、シェアはプロトン、プロドゥア2社で65%が予想されるという。

メイバンク・インベストメントは来年75万台の販売を予想している。今年の推定値(80万台)を下回るが、コロナ以前の60万―65万台を上回る。小売価格10万リンギ以下の手頃な価格帯の自動車が販売の中心になるという。
(ザ・スター電子版、12月18日、ポールタン、12月19日)